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東京五輪へ トンガ選手の飽くなき挑戦

2020-08-31 06:59:49 | 報道/ニュース

8月4日 NHKBS1「国際報道2020」


2018年冬の平昌オリンピックの開会式で話題になった
ピタ・タウファトファ選手(トンガ代表)。
南太平洋の島国トンガの民族衣装を身にまとい
寒さをものともせず行進した。
平昌オリンピックではスキーのクロスカントリーに出場したタウファトファ選手。
本来は夏の競技であるテコンドーの選手で
来年に延期された東京オリンピックへの出場もすでに決めているが
実はもうひとつ別の競技にも出場しようと飽くなき挑戦を続けている。

トンガ代表のピタ・タウファトファ選手(36)。
4年前のリオデジャネイロ大会で初のオリンピック出場を果たし
いまは来年に延期された東京大会に向けてオーストラリアを拠点に練習に取り組んでいる。
(タウファトファ選手)
「(夏・冬・夏と)3大会連続の出場権獲得は
 決して簡単なことではなかったです。」
タウファトファ選手はトンガの人たちの誇りである。
「彼はスーパースターよ。
 オリンピックへの彼のあらゆる挑戦を応援しているわ。」
実はタウファトファ選手は東京大会では新たな競技にも挑戦しようとしている。
カヌースプリントのカヤックである。
(タウファトファ選手)
「常にレベルアップすることが人生です。」
カヤックの競技経験は無し。
専属のコーチもいなかった。
最初に使ったのはレクリエーション用のボート。
漕ぎ方は見よう見まねだった。
去年の8月に初めて臨んだ国際大会では
スタート地点に艇を止めることすらままならず
制止できないままレースが開始。
無残な結果に終わった。
(タウファトファ選手)
「自分でも訳が分からず
 すごく悲惨だったけど
 それよりも次をどうするかです。」
無謀ともいえる挑戦の原動力。
それは
10年ほど前から支援している
貧困などに苦しむ子どもたちを勇気づけたいという思いである。
一昨年からはユニセフの親善大使も務めている。
(タウファトファ選手)
「誰しも困難にぶつかります。
 身をもって困難は克服できると示したいのです。」
東京オリンピックの延期にもタウファトファ選手は
“トレーニングできる時間が増えた”と前向きである。
手作りの機械でひたすら練習に打ち込んできた。
体の軸がぶれなくなったことで力を効率よく使えるようになり
この1年でタイムを10秒以上縮められたという。
あと数秒縮められればオリンピック出場が見えてくると
追い込みをかけている。
(タウファトファ選手)
「自己新記録を出すために
 さらにバランスを高める必要があります。
 あともう少しです。」
新型コロナウィルスの影響は世界中で続いているが
タウファトファ選手は
多くの人が不安を抱える今だからこそ
オリンピックの舞台で伝えられるメッセージがあると考えている。
(タウファトファ選手)
「世界中が参加するオリンピックが今ほど重要な時はありません。
 カヤックで海を渡ってでも
 東京大会に出場したい。」
自らの限界を打ち破り
世界に勇気と希望を送りたい。
熱い思いを胸に
東京オリンピックを目指し続ける。 



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韓国で続く不動産価格の高騰

2020-08-30 07:00:00 | 報道/ニュース

8月4日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


新型コロナウィルスの影響など厳しい状況が続いている韓国。
その一方で
ソウルを中心とする首都圏では
住宅が不足していることに加え投機的な売買も行われ
近年 不動産価格が急激に上がり
大きな社会問題となっている。

韓国の人口の半数 約2,500万人が暮らすソウル首都圏。
今その不動産の高騰が大きな問題となっている。
ソウルのマンションの平均価格は
5年前 日本円にして約4,500万円だったが
その後値上がりが続き
今年は8,500万円に。
去年と比べても1,000万円以上の値上がりとなっているのである。
住宅価格は一般の人の手の届かない異常な水準まで上がっていると
不動産業者は指摘する。
(ソウルの不動産会社)
「今の不動産価格の状況だと
 一般的な会社員が一生働いても
 家を買うことはソウル近郊でさえもほとんど不可能です。」
人口が集中し慢性的に住宅が不足している首都圏。
価格高騰に拍車をかけているのが過熱気味の不動産投資である。
低金利政策が続くなか
富裕層の中で不動産が投資先として人気となっている。
さらに「チョンセ」という韓国独特の仕組みも値上がりに影響を与えている。
所有する住宅を別の人に貸す際
毎月家賃をもらう代わりに
マンション価格の5~7割程度を一括で受け取るというものである。
これを資金にさらに別のマンションを購入し財産を増やしていく投機的な動きが出てきているというのである。
(ミョンジ大学 デジュン教授)
「多くの資金流入で投資が増える一方で
 住宅不足なので
 価格上昇が続くのです。」
不動産価格の高騰は韓国の社会問題にもつながっている。
今年大ヒットしてアカデミー賞映画「パラサイト 半地下の家族」。
貧しい一家が裕福な一家に入り込んでいく姿を通じて韓国の格差が描かれた。
その象徴となっていたのが
半地下の住宅と高台の豪邸という
住む場所の大きな違いだった。
貿易会社で働くチョンさん(33)。
社会人になって8年目になるが現在もソウル郊外で両親と住んでいる。
不動産の高騰で首都圏に家を買うどころか借りることもできないという。
(貿易会社に勤務 チョンさん)
「30代半ばなので
 もう独立することを考える必要がありますが
 不動産が高いので
 いまだに両親と同居しなければなりません。」
生活の基盤を作ることもままならず
将来の見通しが立たないというチョンさん。
不動産の高騰は若い世代に重くのしかかり
希望まで奪いつつある。
(貿易会社に勤務 チョンさん)
「人生設計で不動産問題は影響が大きく
 家を諦めている人もいます。
 住宅の値段が下がって
 平凡な30代の会社員の私が
 マイホームを買えるようになればいいのですが。」
こうした状況にムン・ジェイン大統領は危機感を強めている。
7月 国会で行なった演説でも
不動産対策に力を入れると強調した。
(韓国 ムン・ジェイン大統領)
「今の最重要課題は不動産対策だ。
 政府は投資の抑制や価格の安定のためあらゆる手段を講じる。」
ムン政権は住宅を購入後速やかに入居することを義務付けるなどして
“投資のための売買を抑制する”と発表。
さらに
不動産に関わる税金を引き上げることで住宅の投機熱を冷まそうとしている。
しかしこれに住宅の所有者や投資家らが反発。
今では毎週末のように抗議集会が開かれ
“借りる側も貸す側も国民だ”などと声をあげ
ムン大統領を厳しく批判している。
(住宅所有者)
「維持費も財産税もかかるのにさらに税金が増えたら
 私たち年寄りはどうしたらいいの。」
「我々に対してあまりにも不当で腹が立ったので
 大統領を批判しに来ました。」
深刻化する不動産価格の高騰。
しかし不動産の専門家は
今の状況を改善するのは容易ではないと指摘している。
(ミョンジ大学 デジュン教授)
「住宅を持たない人は価格の上昇に
 所有者は負担が増えることに不満です。
 価格が上昇し流動資金も多いので
 政策による市場の安定化は難しいでしょう。」

ムン・ジェイン政権にとって最大の課題と言っても過言ではない状況である。
ムン大統領の支持率は
新型コロナウィルスへの対応が評価され
今年5月初めには70%を超えていた。
しかし7月31日に発表された世論調査では
支持する人が44%
支持しない人が45%と
支持しない人が上回っている。
支持しない理由としては不動産政策が30%と最も多くなっている。
不動産価格の上昇は文政権で始まったわけではない。
ただ文大統領は庶民派をアピールし支持層である若い世代を意識して
不動産問題に取り組む姿勢を強調してきた。
実際ムン政権はこれまでに20以上の対策を講じてきたが
不動産価格は約50%上がり
パク・クネ政権の時よりも上昇しているのである。
庶民にとっては住宅に手がますます届きにくくなる一方で
大統領府や政府の関係者の中には複数のマンションを所有し
不動産価格の上昇によって利益を得ていたとの指摘も出ていて
批判が強まる要因となっている。
8月にムン政権が新たな不動産対策を打ち出すとメディアは伝えている。
今回は建築制限を緩和して大きなマンションを建てられるようにするなどして
住宅の供給量を増やすことを狙うものとみられている。
また国会や大統領府など首都の一部を別の場所に移すといった議論まで出ている。
今年4月の総選挙でムン大統領支える与党が大勝したことから
国会とも協力し必要な法整備を推し進めるなどして
不動産問題に力を入れていくものとみられる。
新型コロナウィルスの影響で韓国でも景気の先行きへの不透明感が高まっている。
残す任期が2年を切った文大統領にとって
国民の生活に直結する住宅政策でいかに成果を上げることができるのか。
“庶民派”をうたう政権への真価が問われることになりそうである。



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個性が生かせる場所が広がれば

2020-08-29 07:00:02 | 編集手帳

8月3日 読売新聞「編集手帳」


「桜隠し」というそうだ。
コロナで志村けんさんが亡くなった3月末のその日、
都内では桜の花が雪で覆われた。
思いもよらぬ出来事だった。

あれから4か月が過ぎた。
この間、
暮らしぶりも様変わりした。
仕事もその一つだろう。
会社に属さず、
個人で仕事を請け負うフリーランスという働き方への関心が高まっていると聞く。

ただ、
報酬や条件を一方的に変更させられたり、
仕事でけがをした時の公的補償がなかったり、
不安定な立場の人も多い。

志村さんは、
独立するかどうか迷っている人に三つの問いを立てている。
「何をしたいか、
 すぐ答えられるか」
「これだけは自信がある、
 という特技はあるか」
「他人から『ちょっと変わってるね』と、
 よく言われるか」――。
一つでもノーがあればやめた方がいい、
と著書「志村流」(三笠書房)で語っている。

政府はフリーで働く人の労働環境を改善することを決めた。
どんな人を対象にして、
契約方法や労働法制をどう見直すか。
課題山積だが、
個性をいかせる場が広がると考えれば、
その意義は小さくない。
「だいじょうぶだぁ」と思える人が増えるといい。

 

 

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ザルツブルグ音楽祭 節目の年に新型コロナが

2020-08-28 07:00:00 | 報道/ニュース

8月2日 NHK「これでわかった!世界のいま」


オーストリアの夏の祭典「ザルツブルグ音楽祭」。
期間中は毎日オペラやコンサートが上演され
世界を代表する音楽家やオーケストラが参加する。
今年は音楽祭が始まって100年という節目の年である。
経済危機や戦争でこれまで2回中断されたことがあるが
それを乗り越え
世界中の人々をひきつけてきた。
音楽祭が始まった1920年。
当時のヨーロッパは第1次世界大戦の直後だった。
世界で猛威を振るったスペイン風邪が大流行し
厳しい状況が続いていた。
こうしたなか
音楽の力で人々を勇気づけようと開催されたのがザルツブルグ音楽祭である。
音楽祭の運営責任者は
こうした歴史があるからこそ
2020年の今年は大きな意義があると考えている。
(音楽祭の運営責任者)
「100年前の音楽祭が苦しい時代の希望となったように
 このコロナ危機の時代に
 人々に希望を与える音楽祭にしたい。」
ただ音楽祭という大規模イベントで感染リスクとどう向き合うのか。
まず決めたのが規模の縮小である。
開催期間を短縮して公演数を半分に減らしたほか
会場を限定し
感染対策を徹底できるようにした。
入り口には消毒液を置き
スタッフはマスクやフェイスガードを着用している。
しかし音楽祭では対策を取りにくい場所もある。
出演者が立つ舞台の上である。
オペラではマスクを着けて演じることはできず
出演者同士の距離も近くなってしまう。
また音楽祭では出演者や舞台面のスタッフ・警備員などさまざまな職種の人が関わり
統一したルールなどを設けることができない。
そこで考えられたのが3種類のスタッフカードである。
関係者を職種や役割に応じて3つのグループに分ける。
黄色は
警備員やチケットの販売員など対策を十分に取ることができる人たち。
赤は
舞台に上がりマスクの着用などが難しい出演者たちである。
そしてオレンジは
赤の出演者と接触せざるを得ない舞台まわりのスタッフである。
特に赤の出演者は
週に1回 PCR検査を義務付けられ
誰と会ったのか記録をすることも求められる。
演目も感染リスクを抑えることを考慮して決めた。
オペラは少ない出演者で上演できる2つの演目が選ばれた。
1公演およそ2時間と比較的上演時間を比較的短いものにしている。
音楽祭の上演監督を務める著名なピアニストのヒンターホイザーさん。
この音楽祭で新たな形を世界に示したいと考えている。
(音楽祭の芸術監督 ヒンターホイザーさん)
「ウィルスが突然消えることはないので
 共存する方法を考えなければいけない。
 もし1か月間 大きな問題なくやり遂げることができれば
 芸術イベントの開催は可能であると世界に示すことができる。」

 

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タイ 独自のワクチン開発を

2020-08-27 07:00:02 | 報道/ニュース

7月31日 NHKBS1「国際報道2020」


新型コロナウィルスをめぐってワクチンの開発が世界中で進められている。
WHO(世界保健機関)によると
その数は7月末時点で
先進国を中心に160種類を超えている。
なかでも進んでいるのがイギリス・中国・アメリカである。
先進国の間では
巨額の資金を投じて開発中のワクチンを自国のために確保する
いわば“囲い込み”に乗り出している。
日本政府も
アメリカの製薬大手ファイザーから
開発に成功した場合
6,000万人分の供給を受けることで合意したと明らかにした。
こうしたなか独自にワクチンの開発を進めているのがタイである。

(チュラロンコン大学 キアット教授)
「臨床試験の第1段階をなんとしても成功させたい。」
タイの名門チュラロンコン大学は7月
サルを使った実験で十分な効果と安全性を確認できたとして
今年10月から臨床試験に入る計画を明らかにした。
ワクチン開発チームのリーダー キアット教授。
エイズの治療やHIVワクチンの開発で世界的に有名な研究者である。
欧米では今年中の供給開始を見込んでいるワクチンがある中
キアット教授のチームは来年後半の供給を目指している。
タイが自国での開発を目指すのは
ワクチンの供給をめぐって翻弄された過去の経験があるからである。
世界中で新型インフルエンザが流行した2009年。
タイでは3万人近くが感染し193人が死亡した。
タイ政府はフランスからワクチンを調達するための約束を取り付け
購入資金を支払ったにもかかわらず
ワクチンが届いたのは感染拡大が収束した後だった。
(チュラロンコン大学 キアット教授)
「ワクチンを提供してもらう約束をして
 金も払ったのに欲しい時に届かなかった。
 新型コロナのワクチンは
 金持ちの国が先に確保し
 タイが入手できるのはわずか。
 医療従事者などは接種する必要あるが
 感染リスクが高い人や高齢者は検討が必要。」
こうした苦い経験からタイ政府は新たな感染症への備えを進めてきた。
その1つがワクチン製造工場である。
国が運営し
量産できる体制を整えた。
そして3年前に設立されたのがチュラロンコン大学のワクチン大学のワクチン研究センターである。
アメリカやヨーロッパでも免疫学やウィルス学の研究を積んだスペシャリストをそろえ
デング熱やエイズウィルスなどの研究を行なっている。
そして今年1月からは新型コロナウィルスのワクチン開発に取りかかった。
遺伝子ワクチンという新しい技術を活用し
ワクチンを作るためのいわば“設計図”を独自に作成した。
アメリカの大学など海外の研究者とも協力し
できるだけ早い完成を目指している。
タイでは現在新型コロナウィルスの感染者数は累計で3,310人
死者は58人と
抑え込みに一定の成果をあげている。
しかし
感染の再拡大に備えつつ経済を立て直すためにはワクチンの調達が急がれていて
政府は他に4つのワクチンの開発を財政的に支援している。
キアット教授は
最終的に
国内のメーカーでワクチンを大量に生産する体制を築き
タイの需要を満たすだけでなく
できるだけ安い価格で隣国に輸出することも目標にしている。
(チュラロンコン大学 キアット教授)
「経済力のない国がワクチンを調達できないなら
 我々が提供して救いたいと考えている。」

自国でのワクチン開発にタイの人たちの期待は非常に膨らんでいる。
地元メディアは開発の状況を詳しく伝えている。
タイ政府は独自の開発を支援する一方
他の国からワクチンを購入する交渉ももちろん進めている。
医療関係者など感染リスクの高い人たちには
できるだけ早くワクチンを届けようという努力もしている。
タイのような新興国が独自の開発に成功すると
世界のワクチンの供給にも影響を与える。
先進技術を持った豊かな国が優先的に確保できるというこれまでのあり方に
変化をもたらす可能性がある。
WHOによると
タイの他にもトルコ・インド・ベトナムなどでも開発が進められている。
医療技術を積み上げてきた国がワクチンの開発に挑戦するのは自然な流れである。
(チュラロンコン大学 キアット教授)
「近い将来
 技術の独占状態は解消され
 ワクチンを簡単に摂取できるようになる。
 タイは
 ワクチンが行き届かない問題を解決する国の1つになれると思う。」
ワクチンを供給できる国が増えれば
世界中でもっと幅広く調達しやすくなる。
タイの挑戦がそうした変化の先例を作ることができるのか
注目される。

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ミスター・デモクラシー 李登輝氏

2020-08-26 07:01:10 | 編集手帳

8月1日 読売新聞「編集手帳」


経済記者ではなかったのに上司の指示でなぜか、
開業に向け工事が進む台湾高速鉄道の取材に赴いたことがある。

政財界の人々が、
日本の新幹線の技術供与に感謝を示していたのを思い出す。
李登輝前総統(当時)が直接、
JR首脳と交渉したとも聞いた。
誕生から13年になる“台湾新幹線”は日台友好の証しであるとともに、
李氏の残した遺産でもあろう。

台湾の民主化を推進し、
親日家としても知られた李氏が97歳で亡くなった。
2000年に総統選で後継者が敗れ、
身を引いた時の逸話が民主主義をいかに愛したかを物語る。

陳水氏に大差負けし、
「とても楽しい」と笑顔で語った。
陳氏が同じ台湾生まれの「本省人」であったため、
大陸派の間には李氏が陰で支援したのでは…とあらぬ疑惑が渦巻いたという。
選挙を公正に堂々と戦う喜びが分からなかったのだろう。

国際社会は敬意を素直に示すのが難しい場所らしい。
日本政府は中国に配慮し葬儀に特使を派遣しない。
いささか切ない形になった大陸への新幹線の技術供与を思い出す。
かの国はわが技術と言い張り、
特許申請までしたのではなかったか。

 

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東京五輪・パラ延期で東京・湾岸エリア 住まいは・・開発は・・

2020-08-25 07:00:40 | 報道/ニュース

7月31日 NHK「おはよう日本」


東京 湾岸エリア。
有明アリーナなどオリンピックの関連施設が集まる。
新たに建設された選手村。
大会後は23棟5,600戸のマンションとして整備される。
このマンションを契約した30代の男性。
妻と2人の子どもと3年後の入居を心待ちにしていた。
6月 男性にある手紙が届いた。
送り主は不動産会社。
内容は
“大会の延期に伴いマンションの引き渡しが1年程度遅れる”ということだった。
(選手村のマンションを契約した男性)
「やっぱり心の整理がつかない。
 戸惑いましたね。
 いつ頃引き渡し日が決まるのか
 まだ見えない。」
影響は家族にも。
マンションから歩いて3分のところにある選手村の食堂。
ここに建設されるのは小学校と中学校。
その完成も1年先送りになる見込みである。
長女は引越しと同時にこの小学校で入学式を迎えるはずだった。
(選手村のマンションを契約した男性)
「いま住んでいるところで長女を小学校に入学させると
 慣れた1年ですぐ転向させなきゃいけない。
 いろいろ分かる年になっているので
 ちょっとかわいそうかなと思う。」
マンションの契約をキャンセルすべきかどうか
男性は決めかねている。
湾岸エリアの中心部で10年前から進められてきた東京都のプロジェクトがある。
シンガポールや香港など
ビジネスと観光の拠点として大きな経済成長を遂げている臨海都市。
こうして“世界のライバルと戦える港湾地域として開発しよう”という構想である。
(東京都港湾局臨海開発部)
「こちらの観光・商業施設が集結したエリア
 それからビッグサイトを中心とするコンベンションゾーン。
 東京が国際的な存在感を発揮するためには
 このエリアは重要なキーになる。」
その象徴となる施設が
東京都が390億円をかけ整備した東京国際クルーズターミナルである。
世界最大級5,000人規模の超大型客船が停泊できる都内唯一の拠点として
オリンピックに合わせて開業する予定だった。
開業まで半年を切った今年2月
思いもよらぬニュースが飛び込んできた。
クルーズ船 ダイヤモンド・プリンセスでの集団感染である。
感染の拡大で東京五輪・パラリンピックも延期。
開業予定の見直しを余儀なくされた。
(東京都港湾局港湾経営部)
「率直に残念なタイミングかなというのはあるけれど
 今は正直 客船を運航できる状況ではないというのは実感している。」
新たな開業の目標は秋。
湾岸エリアのホテルや商業施設も交え
戦略の立て直しに動き始めている。
(東京臨海副都心まちづくり協議会)
「街の力 底力の見せどころかなと思うので
 皆さんで協力しながら東京都と一緒にやっていきたい。」
 

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火星探査車を開発 NASAの若き日本人

2020-08-24 07:00:00 | 報道/ニュース

7月31日 NHK「おはよう日本」


火星探査車「パーセヴィアランス」。
開発したメンバーの中に日本人の若きエンジニアがいる。
入ること自体が極めて難しいNASAの研究所で
惑星探査の夢にかける思いとは。

探査車の開発に携わったエンジニア大丸拓郎さん。
大丸さんが主に担当したのは
調査の鍵を握るサンプルの回収システムである。
機械の配列などを制御する専門家として
気温がマイナス110度にもなる火星で機器が正確に動くよう
設計から試験まですべての工程に携わった。
(NASAジェット推進研究所 大丸拓郎さん)
「過酷な熱環境で動かす方が
 メカニカルな機械のシステムは壊れやすいし
 精度を保つのも難しくなってくる。
 なかなか思う通りには行かなくて幾度となく壁にぶつかったが
 そのつどチームのみんなと協力してトラブルを解決して
 何とかやり遂げた。」
秋田県出身の大丸さん。
高校生の頃から宇宙に興味を持ち
東北大学の大学院で宇宙工学を学んだ。
NASAで惑星探査に携わりたいと思ったきっかけは
8年前
火星探査車「キュリオシティ」の活躍を目の当たりにしたことだった。
(大丸拓郎さん)
「この世にこんなにかっこいいものが存在するのかという衝撃を受けて。
 僕が一番ひかれたのは
 ロボットを使った惑星探査だが
 将来ここで働くしかないと心に決めた。」
しかし
火星探査車を開発するNASAの研究所で働く約6,000人の職員のうち
日本人はわずか10人ほど。
極めて狭き門だった。
そこで取り組んだのが他の人にはない高い専門性を身につけることだった。
惑星探査には欠かせない
機械の熱を制御する最先端の技術を研究し
自分を売り込もうと考えた。
さらに
大丸さんは国際学会に積極的に参加し
その場でNASAの技術者に直接研究所の見学を申し込むなどして
人脈を築いていく。
そうした努力の結果
研究所でのインターンシップに参加することができ
3年前念願だったNASAへの採用が決まったのである。
(大丸拓郎さん)
「夢への切符を手にしたという感覚でした。
 自分が関わっているプロジェクトによって
 人類の歴史に大きな発見を残せるかもしれない。
 とてもやりがいを感じている。」
人類の未来を切り開く可能性を秘めた今回のプロジェクト。
大丸さんはその成功が“今を生きる人々の希望につながれば“と願っている。
(NASAジェット推進研究所 大丸拓郎さん)
「火星探査機ということで
 視線が地球上だけでなく
 その先に向く。
 地球規模でなかなか明るいニュースがないと思うので
 今回のパーセヴィアランスの打ち上げが
 世界中の人々の希望になればいい。」

大丸さんは今後について
火星だけでなく木星の衛星や月の探査にも
自分の技術を生かしていきたいという。

 

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祇園祭 「山鉾巡行」 規模大幅縮小の影響

2020-08-23 07:03:46 | 報道/ニュース

7月31日 NHK「おはよう日本」


京都三大祭りのひとつ祇園祭は
今年 新型コロナウィルスの影響で
ハイライトの山鉾巡行が中止されるなど規模が大幅に縮小された。
前例のない祭りの規模縮小によって
本来販売されるはずの厄除けのちまきが生産している農家に大量に残されるなど大きな影響が出ている。

京都の夏の風物詩 祇園祭。
災害や疫病から国を守るよう祈ったのが起源で
平安時代初期から受け継がれてきた。
見どころは
色鮮やかな山や鉾が都大路を練り歩く山鉾巡行だが
今年は新型コロナウィルスの影響で中止に。
保存会の代表などが榊を持って市内中心部を練り歩くにとどまった。
鉾のひとつ菊水鉾を担う保存会の事務所。
例年事務所の前には鉾が飾られるが
今年は鉾建ても中止となった。
江戸時代末期に焼失した後
昭和28年に復興した菊水鉾。
これまで40年にわたって菊水鉾の建てを担ってきた竹田さん(84)。
工務店を営む竹田さんは新型コロナウィルスの影響で受注が大幅に減る中
鉾建てへの期待を膨らませてきた。
ところが6月半ばに鉾建て中止の連絡を受けたのである。
倉庫には鉾の柱や縄などが並べられたままになっている。
(工務店経営 竹田さん)
「菊水鉾は一から作るところからやっているので
 それだけに鉾は自分のものという感じてやっているので
 “ハレの日”がなくなってちょっと寂しい気持ちはありますけど。」
保存会の事務所で販売する「ちまき」。
売れ行きも芳しくない。
事務所には売れ残ったちまきが山積みに。
このちまきを30年以上作り続けてきた農家の鳥居大路さん(77)。
鳥居大路さんは保存会から注文を受け
去年11月からちまきを1本ずつ手作りしてきた。
半年間に手掛けたちまきは約5,000本。
しかし山鉾巡行の中止を受けて
保存会は今年5月
ちまきの発注を急遽半分程度に削減したのである。
今年受注したちまきの代金はすべて保存会から支払われたが
蔵には大量のちまきが余ってしまった。
余ったちまきを今後どうするか
見通しが立たない状況である。
(鳥居大路さん)
「寂しい悔しい悲しいというのか
 来年のことを思うと
 まだそれもどうなることかと心配している。」
保存会も
こうした状況がいつまで続くのか不安を抱えている。
(菊水鉾保存会 理事長)
「従来どおりのかたちのお祭りはなかなかできなくなっていくのではと
 ウィルス退散が本来疫病退散という祇園祭の本旨ですので
 ウィルスの負けるというのが悔しいですので。
 来年は負けないよう
 やっつけることを主眼にやらせてほしいと思う。」
新たな取り組みを手探りで始めた保存会もある。
長刀鉾(なぎなたほこ)保存会である。
“くじとらず一番”の鉾として山鉾巡行の先頭を飾ってきた。
この保存会は少しでも損失を食い止めようと
新たにウェブページを起ち上げてちまきのオンライン販売を始めたのである。
パソコンやインターネットなど慣れない作業に四苦八苦している。
(長刀鉾保存会 専務理事)
「我々も恒例なので
 直接来てもらってお渡しするのが一番早いのですが
 万が一のことを考え
 こういうことになった。
 京都の街がにぎやかになることを皆さん望んでいますので
 ぜひとも来年は祭りができるようにしたい。」
感染拡大で大幅な縮小を余儀なくされた今年の祇園祭。
先行きが見えない中
来年にかける思いが膨らんでいる。

 

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丸の内2丁目 モナリザ 丸の内店 (MONNA LISA)

2020-08-22 19:00:00 | グルメ

 

 

 

 

 

  
          (食べログより)

 

 

JR東京駅丸の内口から 徒歩3分
二重橋前駅から217m
丸の内ビルディング 36F


 http://www.monnalisa.co.jp 

 

 

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GAFA首脳 “独占”批判にどう反論?

2020-08-21 07:00:00 | 報道/ニュース

7月30日 NHKBS1「国際報道2020」


アメリカ経済のひずみをめぐっては
7月29日 大きな注目が集まった。
アメリカの巨大IT企業
Google、Apple、Facebook、そしてAmazon
いわゆるGAFA4社のトップが揃って議会の公聴会に出席した。
これは日本の独占禁止法にあたる反トラスト法に基づく調査の一環である。
新型コロナウィルスの感染拡大が続くなかでもGAFAが膨大な利益を上げているなか
4人は何を語ったのか。

アメリカ議会の下院で29日に開かれた公聴会。
GAFAの首脳たちは
“巨大企業が独占的な地位を利用して適正な競争を妨げている“という批判に対してこう反論した。
(アマゾン・ドット・コム ベゾスCEO)
「アマゾンのシェアは世界の小売市場の1%に満たず
 米国内でも4%に満たない。
 42州で10万人規模の雇用を生み出し
 最低賃金の倍(15ドル以上)を支払っている。」
(フェイスブック ザッカーバーグCEO)
「常に新たな企業が生まれている。
 これは競争だ。」
(アップル クックCEO)
「アップルはいかなる製品でも支配的なシェアは保有していない。」
また
巨大IT企業が中国市場に便宜を図っているとの批判を背景に
“中国軍に協力しているのではないか”という質問が飛び出すと
(グーグル ピチャイCEO)
「我が社は中国軍に協力していない。
 中国では
 AI=人工知能に関する小規模なプロジェクトに参加しているだけだ。」

各社のトップたちは穏やかな中にもはっきりとした口調で議会側に反論していた。
議会からの指摘は
レーダーの活用やアプリの開発
それに他社のサービスの買収といった
企業戦略の根幹にかかわるものであるだけに
“譲ることはできない”というトップの意思を感じた。
ただ
デジタル時代のインフラを提供し絶大な影響力を持つ4社には今
さまざまな批判が出ている。

シリコンバレー在住の著名な投資家ロジャー・マクナミーさん。
創業間もないFacebookをいち早く見出したが
いまは巨大IT企業を批判する急先鋒として知られている。
(投資家 マクナミーさん)
「アマゾン グーグル フェイスブックは技術を独占し
 自分の利益になることにしか使っていない。」
アマゾンの本社がある西海岸のシアトル。
この町でカフェを経営するヘンダーソンさん。
アマゾンが会社の規模を拡大するなか
中心部の家賃が高騰し
店を維持するために住んでいたアパートから引越しをせざるを得なくなった。
(カフェ経営 ヘンダーソンさん)
「アマゾンはこの5~10年で急成長を遂げたが
 市民の負担は増えた。
 中小企業は苦しくなる一方です。」
町はこれまで雇用の拡大など恩恵を受けてきたが
こうした状況を受けて
7月 市議会が動いた。
アマゾンなどの大企業に対して新たな税金を課し
新型コロナウィルス対策やホームレスの人など社会的弱者の支援にあたることにしたのである。
(シアトル市議会 サワント議員)
「巨大IT企業は実力に見合った貢献をしていない。」
議会の公聴会でアマゾンのジェフ・ベゾスCEOは
“社会的な役割を果たしている”と主張したが
議員からの追求はやまなかった。
「アマゾンは他のビジネスでも搾取的な手法を取っているのか?」
(アマゾン ジェフ・ベゾスCEO)
「言えることは私たちは顧客中心の企業だということだ。」

たたみかけるような厳しい質問を前に
時に言いよどんだりする場面もあった。
これに対して4社のトップの中には
中国の動きを例にあげ
国際的な競争の激しさを説明する場面もあった。
フェイスブックのザッカーバーグCEOは
「中国は独自のインターネットを構築し海外に輸出している」と指摘した。
アメリカが対立を深める中国との競争で優位に立つためにも
アメリカには“巨大で強いIT企業が必要だ“と訴えているようにも聴こえた。
今回の公聴会でも巨大IT企業に対する批判は簡単には変わらない。
5時間余りの公聴会でも
4社に対する懸念を払しょくするまでには至らなかった。
また厳しい批判は
新型コロナウィルスの影響で経済が深刻な打撃が受けるなかでも
4社が莫大な利益を上げていることへの市民の不満とも無関係ではない。
それを象徴するのが
最近耳にする経済のV字回復ならぬ“K字回復”という言葉である。
(Kを少し傾けて)多くの企業が回復の糸口を見いだせないまま
右肩下がりになっていく一方
巨大IT企業は成長を続けていくという現状を表していて
拡大する格差に不満を持つ市民は少なくない。
こうした市民の不満を背景に
4社に対してはアメリカの与野党双方から批判があがっている。
今回の公聴会の最後には委員長が「適切な規制が必要だ」と述べていて
今後 風当たりがさらに強くなることも予想される。



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アート作品に街の宝が!

2020-08-20 07:00:02 | 報道/ニュース

7月30日 NHK首都圏ネットワーク


東京調布市。
7月に市内で行われたアート展。
作品によく目を凝らすと調布ならではの宝が隠されている。
迫力ある顔つきの恐竜は
手はゲーム機のコントローラー
腕はコーヒーの空き缶。
“廃材アート”である。
市内のお店や家庭などで不要となったもので作られている。
調布ならではの宝がわかるウミガメ。
甲羅や足が映画のフィルムを保管するケースで作られている。
このフィルム缶を提供した創業65年の現像所。
調布は映像関連企業が40社以上集まる“映画の街”なのである。
この会社のように今もフィルムを扱う会社は全国でも数えるほどだという。
(東京現像所)
「徐々にこういうフィルム関連のものも無くなっていく中で
 この調布の中でアートとして形になって残っていくのはうれしい。」
調布の宝はまだある。
展示されているバイオリン。
音楽が街の宝なのである。
調布市は毎年国際的な音楽祭が開かれる“音楽の街”でもある。
使われなくなったバイオリンを提供したのは
市内でバイオリンの製造や修理を手掛ける工房。
(調布ヴァイオリン)
「調布は音楽の街ということで
 アピールになっていけばうれしい。」
(アート展を主催 調布市文化・コミュニティー振興財団)
「作品を見ながら
 それに使われている素材を見て
 街の魅力をそこから発見してもらえるとうれしい。」



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米 苦境の漁業者 自ら販路を作り出せ

2020-08-19 07:00:01 | 報道/ニュース

7月30日 NHK「おはよう日本」


新型コロナウィルスの感染拡大が止まらないアメリカ。
レストランの休業で卸先を失った漁業者にはSNSを使って販路を開拓する人も出てきている。
カリフォルニア州の港町サンディエゴ。
太平洋を漁場とする漁業の拠点である。
レストランの休業が相次ぎ魚の消費が減るなか
桟橋に横付けされた漁船では新たな動きが。
獲れたてのマグロやカジキを次々にさばいていく。
500g1,000円ほどと割安な値段で販売されている。
販売を始めたグリーリョさん。
(グリーリョさん)
「レストランが休業しているので需要はほとんどありません。
 一時は売り上げが4分の1に減りました。」
これまで地元の水産会社などに卸してきたが売り上げが激減。
新たな販売先をなんとか開拓しようと
自らソーシャルメディアで情報を発信し
消費者に直接売り込みを始めた。
屋外での販売とあって感染リスクを避けたいと考える客が集まるようになり
長い行列ができるほど盛況な時もある。
(客)
「魚を食べれば健康でいられるし
 他のどこよりも安いんだ。」
「少しでも買い物をして地元の漁業を支えたいんです。」
しかし7月に入ってもサンディエゴがあるカリフォルニア州では新たな感染者が増え続け
終息の兆しは見えないままである。
それでもグリーリョさんは直接客に販売するやり方に手ごたえを感じている。
ソーシャルメディアの発信を増やし
消費者とつながることで何とかこの苦境を乗り越えたいと考えている。
(グリーリョさん)
「スマホ営業のおかげで
 売り上げは感染拡大前の半分程度にまで回復しました。
 収入が減ってはいますが
 何とか耐えていきますよ。」

 

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高校生が考案 魚が食べないレジ袋

2020-08-18 07:00:00 | 報道/ニュース

7月28日 NHK「おはよう日本」


海に捨てられたプラスチックごみを魚などが食べてしまう。
それが大きな問題となっている。
そこで今開発が進んでいるのが“魚が食べないレジ袋”。
アイデアを出したのは
海と魚が大好きな高校生たちである。

川崎市にある洗足学園高校。
「実験をします。」
レジ袋を小さく切り刻む。
エサに切れ端を練り込んで魚に与える。
魚はエサは食べるが
切れ端は食べずに吐き出す。
レジ袋の素材に魚が嫌う成分を混ぜたところ
思っていた以上の効果が得られた。
アイデアを出したのは2年生。
地元の海がプラスチックごみであふれていることに心を痛めてきた。
「ストローの外袋のゴミやゴム製の手袋とか。
 ポイ捨てされたものを拾うのは出ることだけど
 成果が出にくい。
 ポリ袋に魚が食べないようにする工夫を入れたらいいのではないか。」
魚が食べないレジ袋にはどんな秘密があるのか。
試行錯誤して見つけたのがデナトニウムという苦み成分である。
デナトニウムは子どもの誤飲を防ぐためおもちゃやゲーム機などに使われている。
人体に影響はないが
なめると苦い味がする。
高校生たちは大学や企業の協力を仰ぎ
さまざまな濃度のデナトニウムを混ぜて実験した。
その結果
デナトニウムを4%ほど混ぜれば
ほとんどの魚が吐き出すことを確認できた。
(洗足学園高校2年生)
「最初は半信半疑だった部分もあったんですけど
 一度つついたものを吐き出す様子を自分の目で見ることができて
 うれしさというよりも驚きがありました。」。
このアイデアは高く評価され
今年1月の高校生たちによるビジネスコンテストで
洗足学園高校Fishレスキュー隊は準グランプリに選ばれた。
このレジ袋の商品化に企業が乗り出している。
レジ袋の製造販売をしている企業では
1~2年後を目指し
魚が食べないレジ袋を売り出そうとしている。
商品名は「ENERFISH」。
エネルギッシュは魚を取り戻したいという願いを込めて
高校生たちがつけた。
エネルフィッシュは海の中で分解する生分解性の素材で作られる。
分解するまでにかかる時間は1~2年。
その間に魚が食べても吐き出してくれれば
“環境にも魚にも優しいレジ袋“になるのではと考えた。
(シモジマ営業部)
「私たちにはまったくこんな発想は無くて
 完全に海に溶ければ
 自然に影響がないものができ上るのではないかと期待している。」
高校生たちは今後
海の近くの商店街などでキャンペーンを行ない
魚が食べないレジ袋のことを広く知ってもらおうとしている。
(洗足学園高校2年生)
「何も興味もなくて
 プラスチックごみを出したり捨てたりする人に
 このレジ袋を知ってもらうことが一番必要と思う。
 “こんな簡単なことからできる”というのを伝えていければいい。」

この魚が食べないレジ袋の商品化へのコンゴの課題というのは
できるだけコストを下げること
レジ袋が溶けきるまで苦み成分が残るように調節すること
ということである。


 

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「ファッションは世界を明るくする」 山本寛斎さん

2020-08-17 07:01:24 | 編集手帳

7月28日 読売新聞「編集手帳」


歌舞伎から着想したフェースペイントに、
連獅子の赤い頭からヒントを得たオレンジ色の髪…
1970年代、
ロック界の異端児と呼ばれたデビッド・ボウイの衣装は今に至っても前衛の輝きを放つ。

日本の婆娑羅(ばさら)的な美を織り込んだマントには「出火吐暴威」の文字があった。
デザインしたのはファッション界の異端、
山本寛斎さんである。

4年前にボウイが亡くなった時、
寛斎さんは不思議そうに当時を振り返った。
「彼と何語で話していたか思い出せないんだ」。
同志に言葉はいらなかったのだろうが、
これも明るく人なつっこい寛斎さんのなせるわざかもしれない。

「ファッションは世界を幸せにする」との信念を熱く語ってきた寛斎さんが76歳で亡くなった。
数年前、
たまたま通りかかった美術館で開催していた服飾イベントの看板を思い出す。
「元気とLOVEを浴びてくれ!!」

実父の放蕩(ほうとう)で苦労した経験から家族を大切にし、
他者への思いやりも忘れない人だった。
コロナ禍に心を痛め、
白血病に苦しみながらもオンラインの「元気」イベントに参加意欲を見せていたという。
温かな人柄がしのばれる。

 

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