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中国の富裕層 日本の空気で“洗肺”ツアー

2019-10-27 07:00:00 | 報道/ニュース

10月3日 NHKBS1「国際報道2019」


中国で話題となっている日本へのツーリズム。
ツアーの目的は洗肺(せんぱい)。
きれいな空気を肺に取り込むという造語である。
日本の農村地帯を訪れて洗肺で心と体を浄化しようというツアーが
いま中国の富裕層の間で注目されている。

山口市阿東。
人口およそ5,500人。
稲作と農業が盛んな地域である。
8月上旬
中国から5組の親子11人が訪れた。
思い思いの場所を見つけて洗肺スタート。
深呼吸すること2分以上。
「とても新鮮。」
「稲に風が吹いてとてもいい音がする。」
ツアー客は中国の広州や南京など都市部に住む人たちである。
PM2,5などによる大気汚染が課題となっている中国。
そこで都市部に住む中国人の間で
健康のために日本の田舎の空気を味わう
洗肺ツアーが人気となっているのである。
「目や耳
 肌や花を通じても新鮮さを感じます。」
「日本と中国の田園地帯は違う。
 中国は農業機械がうるさくて変なにおいがする。」
ツアーを企画したのは阿東在住の中国人 郭さん(39)である。
中国人グループからの依頼を直接引き受け
この2年間で150人近くを案内してきた。
北京で生まれ育った郭さん。
阿東の自然にほれ込み17年前から住み続けている。
(郭さん)
「空気・水・山の恵み
 そういうものを感じてほしい。」
郭さんはこの旅を通じてツアー客に様々な体験をしてもらい
自然を感じる心を育んでほしいと考えている。
そんななか郭さんの目にとまったのが小学6年生の劉くん(11)。
「勉強は面白い?」
「勉強?
 考えさせて・・・。
 面白くない。」
受験競争が激しい中国。
都市部の子どもたちは毎日長時間の勉強を強いられている。
人口1、500万の大都市 天津に住む劉くんもその1人である。
私立小学校に通い
遅いときには夜10時まで机に向かう日々。
そんな勉強漬けの子どもたちのために
ツアーで用意されていたのが農作物の収穫体験である。
「これは体によさそうなニンジンだ。」
劉くんは
野菜が畑でどのように育てられ収穫されるか
これまで知らなかった。
「いつもどこでトマトを見てる?」
「市場で。」
(劉くんの母親)
「もっと食べ物や自然の恵みを大切にし
 感謝する気持ちを常に持ってほしい。」
郭さんのツアーに協力した地元の人たちにとってもこのツアーは新鮮なものとなった。
(あとう観光協会 理事長)
「我々が気づいていない美しい景色
 豊かな農産物をと生かせるチャンス。」
郭さんはこれからも中国に向け
日本の地方の魅力を発掘し発信していきたいと考えている。
(郭さん)
「この自然のよさ
 命を大事にする気持ちを彼らが理解し
 自分の答えを見つけてくれたらいいと思う。」



 

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