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感染症と闘った偉人④ 手洗いの元祖

2020-07-10 07:00:19 | 報道/ニュース

6月11日 テレビ朝日「グッド!モーニング」 池上彰のニュース検定


新型コロナウィルスが猛威を振るっている今年
生誕200年を迎えた女性がいる。
イギリスのフローレンス・ナイチンゲール (1820~1910) である。
看護師の代名詞ともなっているナイチンゲールに
今回のコロナ危機であらためて注目が集まっている。
19世紀半ばに
いち早く手洗いや公衆衛生の重要性を訴えていたからである。
いわば“手洗いの元祖”である。
ナイチンゲールは
1853年からのクリミア戦争で看護師の責任者として赴いた。
野戦病院で兵士の看護にあたったのである。
そこで目にしたのは悲惨な状況だった。
兵士からは悪臭が漂い
病院の中は不潔そのものだった。
戦争による負傷よりも
コレラなどによる感染症で亡くなる兵士が多かったのである。
そこでナイチンゲールは
治療の前に
病院をきれいに保つ必要があると考えた。
最初に取り掛かったのはトイレ清掃。
そして服やシーツの洗濯である。
栄養の豊富な食事も出した。
さらに兵士たちの不安を和らげるためベッドを回って声もかけた。
こうした努力の結果
負傷した兵士の死亡率は
3か月で42%から5%にまで下がったのである。
クリミア戦争から帰国した後も
ナイチンゲールは
病院などの衛生環境の向上を訴え続けた。
その際 活用したのが統計学である。
ナイチンゲールは死者の数を兵士の死因ごとに分けて
ひと目で分かるように工夫したグラフを作った。
そしてこのグラフをもとに
“病院内の衛生状態が悪いため兵士が死に至っている”と
政府に訴えたのである。
ナイチンゲールが看護師として働いたのはクリミア戦争での2年ほどの間だけである。
帰国後は体調を崩し
多くの時間をベッドの中で過ごした。
それでも野戦病院での悲劇を繰り返さないよう
論文などを執筆。
90才で亡くなるまで
公衆衛生の発展に力を尽くしたのである。

 

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