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自治体公式SNS “感染への不安” 漫画発信の思い

2020-09-06 07:00:26 | 報道/ニュース

8月21日 NHK「おはよう日本」


もし自分が地域や職場で最初に新型コロナウィルスに感染したら・・・。
そんな不安を漫画で表現した
新潟県内のある自治体の公式フェイスブックがネット上で話題になっている。

新型コロナウィルスに対する市民の不安を描いた漫画
「安心して感染したい」。
見附市の公式フェイスブックに掲載された。
狭い町で噂になるから1人目の感染者にだけは絶対になりたくないわ~
周りから陰口叩かれてこの町に住めなくなる
感染したって分かったらこの町ん中ですぐに村八分にされんぞ~
感染なんかしたら「あの人!」って後ろ指さされちゃう
架空の市民4人が1人目の感染者になることを恐れている。
そして詐欺に登場するのは作者本人。
噂するのも
村八分にするのも
後ろ指さすのも
陰口をたたくのも
ウイルスじゃない
この「ひと」なんだよなぁ
ウィルスが怖いのではなく感染者を恐れる人が怖いのだ
というコメントで漫画は締めくくられている。
漫画を描いたのは見附市に住むイラストレーターの村上徹さん。
(イラストレーター 村上徹さん)
「多分唯一言えるのは
 みんな臆病というか
 みんな怖い。
 みんな震えて思考が止まっている人もいれば
 とりあえず攻撃しないと居ても立っても居られない人もいるだろうし
 でもひとくくりにすると『怖い人てをあげて』と言うとみんなあげる。
 そこが共感を得られたところではないか。」
コメント欄には
“モヤモヤを言葉にしてもらえて感激”
などと共感する思いが多く寄せられた。
閲覧数は2週間で24万件にものぼった。
漫画を描くきっかけは道の駅での市民とのふれあいだった。
村上さんは駅長として週に1~2回道案内などをするなかで
市民と交わした会話に着想を得た。
(イラストレーター 村上徹さん)
「まさに一番最初の漫画に出てくる人は特定ではないが
 実際ここで聞いた話ばかり。
 『このまちで一番最初の感染者にはなりたくない』
 『何とかしてくれ 駅長さん』
 『そうだよね』って相槌を打って。」
市民の声に共感をしながらも
本当にこれでいいのだろうかと思い始めた村上さん。
そんな心の葛藤を打ち消すために漫画を描き始めたという。
(イラストレーター 村上徹さん)
「前半の4人を描いたところで
 『みんな怖い』というところにたどりついて
 みんな怖いのに
 なんで感染した人をそんなに責めるんだろう?
 みんな被害者で
 今回の新型コロナで窮屈な思いをして
 毎日不安でつらいのに
 なんでいじめるんだろう。
 すごく滑稽な話ですが
 みんな怖がっていて
 同じ怖がっているんだったら
 みんなで手をつないだ方が早いというところで
 最後のコマが生まれたというのがある。」
フェイスブックに漫画を掲載した見附市。
この日村上さんたちは次の作品について話し合った。
「例えばお前が一番最初に新型コロナに感染したんじゃないか。
 自然に感染したことに対して心配できる話
 会話している風景を描いてみたい。
 本来心配してくれるのが普通だから
 それをあえてビジュアルで見せる。」
市内で感染者が相次いで見つかった後の状況を想定し
あたたかい市民同士のやり取りを描いてもらおうということになった。
ウィルスへの恐怖はぬぐえなくても
誹謗中傷への恐怖は取り除ける。
差別や偏見のない未来を信じて
村上さんは漫画で表現し続ける。
(イラストレーター 村上徹さん)
「一番最初に感染したくないと思っていて
 僕がなりましたというときに
 『かわいそう』って言ってもらいたい。
 安心して感染したいのではなく
 感染しても安心して暮らしたい。
 見附で感染しても安心して治療に専念できるって。」

見附市では8月19日感染者が初めて確認されたが
市民は冷静に受け止めているということで
村上さんは
「漫画をきっかけに考えてくれた人が多いのではないか」と話している。
この村上さんの漫画は新作も含めて市のフェイスブックで公開されている。


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