■いつか王子様が (Someday My Prince Will Come)
■1937年
■作詞…ラリー・モレー
■作曲…フランク・チャーチル
チック・コリアの「エレクトリック・バンド」から、ベース(ジョン・パティトゥッチ)とドラム(デイヴ・ウェックル)をピックアップしたのが、「チック・コリア・アコースティック・バンド」ですね。
このトリオの「いつか王子様が」は、ぼくのフェイヴァリットな演奏でもあります。
『スタンダーズ・アンド・モア』 (1989年)
チック・コリア・アコースティック・バンド
☆チック・コリア(pf)
☆ジョン・パティトゥッチ(b)
☆ディヴ・ウェックル(drs)
■試聴はこちら(6曲目)
チック・コリア(pf)
ぼくはミディアムより少し早いテンポのジャズ・ワルツが好きです。早いワルツ特有のドライブ感がなんとも心地よいのと、ワルツによく見られるややセンチメンタルなメロディーがそのテンポにマッチしていることが多い、というのがその理由なんです。
その中で好きな曲のひとつが、この曲です。スタンダード中のスタンダードになっているので、ご存知の方も多いでしょうね。
この「いつか王子様が」という曲は、1937年のディズニー映画「白雪姫」のために作られました。
「白雪姫」は、完成に約4年の歳月が費やされた、世界最初のカラー長編アニメです。費用も、当時では考えられないくらい莫大なものだったといいます。この作品は、当時のアメリカ映画史上最高の収益を記録しました。
原曲は、劇中白雪姫が七人の小ヤギじゃなくて、七人の侍じゃなくて、七人の小人に歌って聴かせる、ゆるやかなワルツです。
マイルス・デイヴィスや、ビル・エヴァンスも取り上げていますが、ぼくは、このチック・コリア・アコースティック・バンドの演奏が一番好きです。ワルツ特有の、左右に振れるかのような心地よいグルーヴ感がなんともいえないんです。もちろん演奏そのものもロマンティック。でも甘さに流されるようなことはありません。
ジョン・パティトゥッチ(b)
フュージョンを演奏している時のチックのピアノには「やや幾何学的な窮屈さ」を感じていて、そのためあまり好きになれずにいたのですが、このトリオによる演奏はその印象を覆してくれました。
オーソドックスで聴きやすい反面、パティトゥッチとウェックルの若さにあふれた奔放な演奏が非常に魅力的です。そして、この腕利きふたりを従えたチックのピアノも、はつらつとしていて、とても心地よいものでした。
デイヴ・ウェックル(drs)
お客さんの中に恋人の出現を待っている女性がいれば、「なんとなく素敵な人が現れるような気がしてきたわ」、って思ってほしいし、恋人同士で聴きに来ているならば、「素敵な彼と出会えてよかったわ」って思えるような演奏ができたらいいな~(^^)
もちろん、「あら、なんてステキなベーシストなの」と思ってくださっても全然構わないですよ~
【いつか王子さまが】(大意)
いつの日か私の王子さまがやってくる。
いつの日か私は愛する人を見出すでしょう。
その時はどんなにすてきでしょう。
私の夢の王子さまは
「あなたを愛しています」と
ささやいてキスしてくれる。
今、彼は遠くにいるけれど
いつの日か来てくれる
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