■製作総指揮…ジェリー・ブラッカイマー
■監督…リドリー・スコット
■音楽…リサ・ジェラード、ハンス・ジマー
■原作…マーク・ボウデン
■2001年 アメリカ映画
■出演
☆ジョシュ・ハートネット(エヴァーズマン二等軍曹)
☆ユアン・マクレガー(グライムズ特技下士官)
☆トム・サイズモア(マクナイト中佐)
☆エリック・バナ("フート"一等軍曹)
☆ウィリアム・フィクトナー(サンダーソン一等軍曹)
☆サム・シェパード(ガリソン少将)
☆オーランド・ブルーム(ブラックバーン上等兵)
☆ユエン・ブレムナー(ネルソン特技下士官)
☆ロン・エルダード(デュラント准尉)
☆ジェレミー・ピヴェン(ウォルコット准尉)
☆ヒュー・ダンシー(シュミッド衛生兵)
☆ヨアン・グリフィズ(ビールズ中尉)
☆ジェイソン・アイザックス(スティール大尉)
☆ジョニー・ストロング(シュガート一等軍曹)
☆ニコライ・コスター=ワルドウ(ゴードン曹長)
☆グレン・モーシャワー(マシューズ中佐)
☆ジェリコ・イヴァネク(ハレル中佐)
☆スティーブン・フォード(クリッブス中佐)
☆リチャード・タイソン(ブッシュ一等軍曹)
☆パベル・ボーカン(ブライリー准尉)
☆チャーリー・ホフハイマー(スミス伍長)
☆トム・グアリー(ユーレク二等軍曹)
☆ダニー・ホック(ピラ三等軍曹) etc・・・
戦争関連の映画はわりと好きで観ます。もちろん「戦争が好き」、という意味ではなくて、アクションものとして観ているんですけどね。
でも結構見受けられるのは、アメリカを「善」、敵対国を「悪」とした図式のものですよね。こういった類のものは単なる「アクションもの」としてしか観ませんし、あまり心に残るものでもありません。
しかし、極限の場における兵士の心理を掘り下げたものとか、「敵対国」からの視点も取り入れて極力フラットに描こうとしているもの、あるいは忠実に史実を再現しようとしているもの、戦争の醜悪さを描こうとしているものなど、いわゆる「社会派」的な作品は考えさせられることも多く、よく観ます。
この「ブラック・ホーク・ダウン」は、世界最強を自認するアメリカ軍が、意に反して地獄のような戦闘に引きずり込まれてゆくさまを率直に描いた作品です。その意味でいうと、史実を忠実に再現しようとした映画の種類に入るかもしれません。
1993年、国際世論におされたアメリカ軍は、民族紛争の続くソマリア内戦に介入します。そして内戦を終結させようと、最大勢力ババルギディル族を率いて和平に反対するアイディード将軍の副官2名を逮捕するため、10月に約100名の特殊部隊を首都モガディシュへ強襲させました(モガディシュの戦闘)。
当初、作戦は1時間足らずで終了するはずでしたが、作戦の開始直後に、アイディード将軍派の民兵の攻撃により、2機の軍用ヘリコプター、ブラックホークがロケット弾RPG-7によって撃墜されてしまいます。
作戦(副官の逮捕)には成功しますが、敵地の中心へ仲間たちの救出に向かう兵士らは、泥沼の市街戦に突入していくのです。
映画の開始約40分後から延々80分以上に渡って淡々と、しかも実にリアルに戦闘シーンだけが描かれてゆきます。政治的な側面の説明も最小限にとどめられています。
画面はほとんどアメリカ軍からの視点なのですが、それも戦術的なもの(つまり戦闘シーン)に限られていて、各兵士のデリケートな人間としての感情などには極力、あるいは必要以上にスポットを当てず、ドキュメンタリー・タッチで映像は続いてゆきます。
もちろんアクション映画お定まりの人間離れしたヒーローなどは一切登場せず、各兵士がそれぞれの持ち場で最善を尽くす様子だけをカメラは追っています。しかしその中でも、古参兵士役のエリック・バナとウィリアム・フィクトナーの臨機応変な活躍ぶりは目立っていると思いました。
もともとぼくは、製作者のジェリー・ブラッカイマーの作品に対しては、悪く言えばこけおどしのような、派手なアクション・シーンが多いわりには中味の薄いものが多い、と思っていましたが、この作品に限っては、余計な装飾を省いているような気がします。ただ忠実に戦闘シーンを追い、アメリカ軍が次第に守勢に回って敗北の危機にさらされるまでを撮り続けているのです。
そしてアメリカ軍の戦術的危機にも大胆に切り込むなど、従来の「世界の警察たる強いアメリカ」という前提にも振り回されていません。アメリカ軍の醜態にもメスを入れたものとしては、あの「プラトーン」にも通ずるものがあるかもしれません。
登場人物が多いため、1度観ただけでは整理がつきにくいかもしれません。でもあえて登場人物を絞らなかったのは(原作よりは絞られている)、個人の活躍にスポットを当てるよりも、全体の流れを描くほうに重きを置いているのかもしれないですね。逆に言えば、登場人物のほとんどが「英雄的働き」をしているのです。
出演者を見ると、ジョシュ・ハートネット、トム・サイズモア、ウィリアム・フィクトナー、ユエン・ブレムナーなど、「パールハーバー」とか「ヒート」などのアクション大作で見たことのある顔ぶればかりです。個人的にはロン・エルダードの好演も見応えがありました。
映画そのものはとても面白く観ることができました。まさに画面に釘付け状態でした。144分があっという間に感じられました。
戦後60年にわたって平和を享受している日本にあって、なかなかこういう極限状態は想像しにくいですが、それでも現実には戦乱・動乱の真っ只中にある国も多いことを知っておく必要があると思います。せめてこういう類の映画でその悲惨さ、醜悪さの存在を脳裏に焼き付けておくべきなのかもしれないですね。
「ブラック・ホーク・ダウン」 予告編 日本版
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さすがに2000年以降の映画となるとタイトルすら知らない(汗)
でも、私の好きなタイプの映画かも。
そう、戦争モノでは、
ヒーロー登場でメデタシメデタシ♪
意気揚揚と引き上げるラストに流れるマーチ・・・
みたいな映画は好まないのです。
そういう意味でも、
未だにお気に入りは「プラトーン」のまま(笑)
こちらも是非観たいです。
そういえば,日本男子もすっかり草食系の昨今、
戦う以前にバタバタ倒れそうです(汗)
何が何でも平和を維持しなければ!
多少風邪をひいてしまいました~
ぼくも最近の映画はとんとごぶさたなんですよ。せめてインディ・ジョーンズとかダイ・ハードあたりはチェックしておかねば・・・。
ぼくも、やたら超人的な活躍をするヒーローものにはあまり感動を覚えませんね。その意味では「ランボー1」はベトナム戦の傷を抱えた帰還兵の悲しさが伝わってきましたが、「2」となるとメッセージ性が薄れ、ちょいガッカリ。
「プラトーン」も好きですよ!あれはぼくも映画全体の中でもお気に入りのひとつです~
ご安心ください、ぼくはまだまだ肉食系!でも年とともに魚が好みになってきたかも・・・(汗) でもでも、草食にはいたっておりませぬ。まだまだ頑張らねば~(^^)
そう、平和って、向こうからやってきてくれるものではなくて、守り抜かねばならないものなんですよね!