1977年7月17日。当時人気絶頂だったキャンディーズが日比谷野外音楽堂でのライヴで突然の解散宣言を行った日です。この時ランが口にした「普通の女の子に戻りたい」というセリフは、本人の真意をよそに一人歩きし、流行語になってしまいましたね。この解散宣言は世間に衝撃を与え、一種の社会現象にまでなりました。
といっても、今キャンディーズを知っている世代といえば、30代以上になるのでしょうか。
その頃にヒットしていたのが、この「やさしい悪魔」です。これはキャンディーズ13枚目のシングルで、作詞は「神田川」などで有名な喜多条忠氏、作曲はあの吉田拓郎氏です。この曲は拓郎氏が初めてキャンディーズに提供したもので、最終的にはチャート4位にまで昇り、約70万枚のセールスを記録しました。
以前のキャンディーズといえば、明るくてキュートで、「清楚なお姉さん」といったイメージでしたが、「やさしい悪魔」では、曲もシャッフルのフォーク・ロック調という少し大人びたものになり、衣装もアン・ルイスがデザインした、レオタードに網タイツというとてもセクシーなものに変わりました。
イントロの、ヒールが床を打つ「コツン、コツン」という音からして、今までと違った雰囲気を醸し出しています。
また、親指と小指を突き上げる「デビルサイン」もファンの間で浸透したみたいです。
大人っぽくなったキャンディーズの、ちょっとホロ苦いこの曲、ぼくはとても気に入っていて、今でもよく聴いています。
吉田拓郎氏は熱烈なキャンディーズ・ファンだったようです。「やさしい悪魔」はとても音域が広く、歌うには少し難しい曲なのですが、それも拓郎氏がキャンディーズにレッスンをつけたいためにわざと難しく作曲した、という話がありますが、本当のところはどうなんでしょうね。
この曲、拓郎氏も、アルバム「ぷらいべえと」でセルフ・カヴァーしています。
当初は可愛いだけのアイドル・グループと見られていて、歌唱力なんて話題にもならなかったキャンディーズですが、きちんとしたレッスンを積み、キャリアを重ねるごとにコーラス・グループとしての力もつけていったようです。
全盛期には、しっかりした音楽教育に裏打ちされた実力を持つミキがアルト、サウンドを包み込む音色と安定した歌唱力を持つスーがメゾソプラノ、リズム感がよくアルトからソプラノまでをカヴァーする広い声域を持つランがソプラノを取っていました。
キャンディーズは1978年4月4日、超満員の55000人の観衆を集めた後楽園球場でのファイナル・コンサートを最後に解散しました。レコード・デビューからわずか4年半(もうちょっと長く活動しているのかと思ってました)、当時まだラン23歳、ミキ22歳、スー21歳という若さでした。以来キャンディーズとしての活動は一切行っていません。
ちなみに、彼女たちは「解散宣言」はしましたが、「引退宣言」はしてなかったんですね。
のちミキはシンガーとしていったん復帰しましたが、今では完全に引退、ラン、スーは現在でも女優として活動を続けています。(追記:「スー」こと田中好子さんは、2011年4月21日、がんのため55歳で亡くなりました)
[歌 詞]
■やさしい悪魔
■リリース
1977年3月1日
■作 詞
喜多条忠
■作 曲
吉田拓郎
■編 曲
馬飼野康二
■歌
キャンディーズ
・伊藤 蘭(ラン)
・田中好子(スー)
・藤村美樹(ミキ)
■収録アルバム
キャンディーズ1½~やさしい悪魔
■チャート最高位
1977年度オリコン週間チャート 4位
1977年度オリコン年間チャート27位
キャンディーズ「やさしい悪魔」
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三人の中では一番歌がうまい、って言われてましたよね~(^^)
このヒトの歌唱力は、いま聴いてもちょっとスゴいデスよね。なんで、リードをとる曲が少なかったンでしょうね?
「やさしい悪魔」はワタシにとっては、リアルタイムで覚えている最初のキャンディーズの曲のような気がします。もしかして「哀愁のシンフォニー」かもしれませんけど。
ま、それはそうとして、随分経ってからですが、「やさしい悪魔」の作曲者が吉田拓郎と知ってビックリした事があります。今聴けば、拓郎節全開な曲なんデスけどね。あと、喜多條&拓郎の楽曲と言えば、「アン・ドゥ・トロワ」も大人っぽい曲でしたね~。
(そう言えば、キャンディーズ大人化計画ってあったンですよね?)
ちなみにワタシのブログでは、梅雨明け宣言が出ましたら「夏が来た!」をやる予定デス。
「内緒だけどな・・・」と教えてくれたの。
聞いてないのに。笑
わたしは、ランちゃんがすきだな。
MINAGIさんは?
キャンディーズの曲って、そのへんのアイドル歌手の歌と違って、のちのちまで残るような良い曲が多いと思います。
喜多条&拓郎のコンビを起用したのも、そのあたりの思惑が作用しているような気がするんですが。
逆にいうと「やさしい悪魔」は単なるアイドルが歌うには良い曲すぎると思うんですよ。
「アン・ドゥ・トロワ」も仰る通りオトナの雰囲気がありましたよね。
>「キャンディーズ大人化計画」
え~、それは知りませんでした・・・(汗)
なんか面白そうなココロミですね。
>「夏が来た!」
了解です、楽しみに記事を待ってます~(^^)
ファンならずともあの後楽園のファイナルは70年代後半の一大イベントですよね~。まさに感動もののライブだったと伺っておりますよ。
キャンディーズ・ファンの間では、
「妻にするならスー、恋人にするならラン、秘書にするならミキ」だなんてことが言われてたみたいです。
ぼくの見るところ、ミキちゃんファンは通好みが多いです。ホノリ父の眼力はスゴかったりして・・・(^^)
ぼくですか?ぼくはですね、当時はとくにキャンディーズ・ファンというわけではなかったんですが(曲は好きでした)、今見るとランちゃんが一番好み、かな~
特にこのころのスーちゃんの体型には、何故か最近親近感を覚えます(汗)
そういえば、この曲もチョッピリせくしー路線でしたよね。
♪ あの人は~ あーくまっぁはぁん ♪
って歌ってました。
「わな」 「やさしい悪魔」 この路線が好きです。
ボクもドチラかと言えば・・・ミキちゃんが好きでした(^_^;)
ラジオでキャンディーズの番組にミキちゃんにリードで歌わせてとお願いハガキを出した事もありました☆
以来、三人が交代で唄う曲も増えたみたいです(笑)