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恥ずかしい話ですが、ぼくは長いあいだお墓参りをおろそかにしていました。
ところが、どういう風の吹き回しなのか(いまだに、なんでそういうふうに思ったのか自分でも分からない)、ふと思いついて昨年のお正月にお墓参りをしてからは、定期的にお墓参りに行くようになり、仏壇にもお花や線香をお供えするようになったんです。
毎日出かけるときと帰ったときには、まず線香をあげるのですが、次第にその線香の香りに魅かれるようになったんですね。
線香をあげるのが、なんだか楽しくなってきます。
そのうち、仏壇用ではなくて、普段もお香を焚きたくなってくる。
すると、香炉が欲しくなってくるんですね。
ここ数年懇意にさせていただいている喫茶店があります。
開店以来30年以上は経っている老舗です。
店主はぼくのライブにも来てくださるし、ぼくもコーヒーの「苦み」「酸味」の話から始まっていろんな話を聞かせていただいている間柄なんですが、そのなかでコーヒーを愉しむのであればカップも良いもので、かつ気に入ったものを使いたいという欲が芽生えてきたんですね。
先週末に時間ができたのをこれ幸いと、香炉とコーヒーカップを探しに行ってみたのが、以前コントラバス・ソロのライブの依頼をくださった、岡山市の西にある「ゆくり」(岡山市北区撫川173-1)さんです。
小雨が降り始めた金曜の午後でした。
ゆくりさんへお邪魔するのも3年ぶり?そんなに時は経ってしまったのか。。。
ちょうど蝶野秀紀さんの「毎日をたのしむ漆 木と漆のうつわ」展の期間中でした。
いつも穏やかで温かい眼差しの店主とおしゃべりするのも楽しみのひとつ。
さっそくお店にあるものを見せていただくと、
あったんですよ、なんだか気になるコーヒーカップが。
残念ながら香炉はお店に置いていないとのことでしたが、代わりに香炉にも使える蝋燭立てを見せてもらうと、、、
これまた心惹かれる感じの器だったんです。
両方とも、岡山市瀬戸内市在住の備前焼作家、小川荘一さんの作品です。
その夜、さっそくコーヒーを買って帰ったばかりのカップでいただいてみる。
やっぱり見た感じ、雰囲気って大事です。
自分が手に取って見て、気に入った器であるならなおさらです。
なんでしょう、この、たったコーヒー一杯で感じる満ち足りた気持ち。
香炉として使うつもりで買った蝋燭立てのほうですが、
まずお香について調べてみると、いわゆる線香タイプのほか、円錐型、渦巻き型(蚊取り線香のような)、粉末のお香など、さまざまです。
とりあえずうちにあるのは線香のみ。
ところが、線香タイプを使うには、「香立て」というものが必要なんだそうです。
で、その場合は香炉ではなく、香皿で充分みたいです。
香皿と香立ては明日買いに行くとして、今夜は本来の用途である「蝋燭立て」として使ってみるか。
寝る前のひととき、家じゅうの明かりを消し、蝋燭の灯りだけで過ごしてみます。
真っ暗な中に、桜のはなびら型の灯り。
なんでしょう、この不思議な心地よさ。
もうこれは蝋燭立てとしてだけ使おう。
別に香炉か香皿を探すことにしました。
ピンク・フロイドの音楽をかけていたんですが、いっそ無音のほうが雰囲気があったかもしれないな、とあとで思いました。
そして翌土曜日、香立てと香皿、そしてお香や、香料入り蝋燭を探しに行きました。
イメージどおりの、香皿、香立てが見つかって運が良かった。
白い香皿とお香。
香立て。
それにしても、コーヒーカップを変え、蝋燭の灯とお香を愉しむだけでこれだけワクワクして過ごせるなんて。
好きなものに囲まれると、こういう素敵な気持ちでいられるんですね。
出来事としてはささやかだけど、自分の心の中では大きな発見でした。
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