ぼくが本格的にロックを聴きあさり始めた頃、周りで話題になったり、チャートを賑わしていたりしていたのは、クイーンやベイ・シティ・ローラーズを筆頭に、エアロスミス、キッス、バッド・カンパニー、イーグルス、そしてスージー・クアトロなどでした。
スージーは、その頃まだ珍しかった女性ロッカーの草分け的存在です。
スージーの全盛期だった1970年代中頃の女性ロッカーといえば、ジャニス・ジョプリンやグレース・スリックなどが思い浮かぶくらいです。ちたほら名前が挙がるのはいずれもヴォーカリストですが、楽器を演奏する女性ロッカーというのはスージーくらいしか思い浮かびません。
プロデューサーのミッキー・モストによる、売れるための演出なのでしょうが、体にピッタリの革のジャンプ・スーツを着て、バックにはいかつい男たちを従え、ベースを弾きながら絶唱するスージーの姿はとてもカッコよかったです。アルバムにつけられた『サディスティック・ロックの女王』などというサブタイトルが、大いにファン心理をあおっていたものです。
でも、一見「コワモテの姐さん」風ではありますが、実は日本大好きの親しみやすいお嬢さんだったりするんですよね。来日は1974年から5年連続、そのうえスージーの結婚式は日本で、和装で行われたはずです。
一連のイメージ戦略もあって、その頃は漠然とスージーの音楽をハード・ロックだと思っていました。でも今聴いてみると、キャッチーなメロディーを持つストレートなロックン・ロールだということが分かります。ブリティッシュ・ハード・ロックの持つ重厚なイメージではなく、ライトかつポップなアメリカン・ロックにグラム・ロックっぽさを加味したような魅力があった思うんです。とにかく、単純にノレるんですね。
誰にでも受け入れられる親しみやすいロックに加えて、コケティッシュなルックスもスージーの魅力のひとつだと思います。そして、その可愛らしさと対照的なのが彼女のハスキーな声なんですね。ドスの利いた中低音に、小柄な体を絞るようにして発する高音でのワイルドでハスキーなシャウトは、充分スージーがロック・クイーンであることの証明になりえたこと証明だと思いますね。
この「スージー・クアトロ・グレイテスト・ヒッツ」は中古CDショップで見つけました。
ぼくは一連のヒット曲は、当時日本だけで編集された「スージー・クアトロ・ストーリー」で聴いてましたが、高校以降はスージーから遠ざかっていたので、中古CDを見つけた時に久しぶりに聴いてみようという気になったんです。すぐ財布を取り出しながらCDを持ってレジに向かったんです。
「スージー・クアトロ・ストーリー」
主なヒット曲はマイク・チャップマン&ニッキー・チンのソング・ライティング・チームのペンによるものです。スージーのヴォーカルを大いに聴かせようという意図でもあったのでしょうか、楽器によるソロはあまりありません。デビュー当初はパワー・ポップ系の曲が多いのですが、アメリカへの逆進出(スージーは米国出身で、デビューは英国)を図る1975年以降になると、マーケットを意識してか、サウンドはよりポップさを増してゆきます。
このアルバムの中で印象に残るのは、やはり「キャン・ザ・キャン」「48クラッシュ」「デイトナ・デモン」「悪魔とドライヴ」「ワイルド・ワン」などの初期のヒット曲です。これらにはワイルドなスージーの魅力がいっぱいに詰まっています。
スージーは今では50台の半ばになりますが、ヨーロッパを中心に今でも現役で頑張っているそうです。こういう「健在」のニュースを聞くと、なんだか嬉しくなったりしますよね。
◆スージー・クアトロ・グレイテスト・ヒッツ/The Wild One Suzi Quatro Greatest Hits
■歌・演奏
スージー・クアトロ/Suzi Quatro
■リリース
1990年
■収録曲
① キャン・ザ・キャン/Can The Can (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス1位、アメリカ56位
② 48クラッシュ/48 Crash (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス3位
③ デイトナ・デモン/Daytona Demon (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス14位
④ 悪魔とドライヴ/Devil Gate Drive (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス1位
⑤ トゥ・ビッグ/Too Big (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス14位
⑥ ワイルド・ワン/The Wild One (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス7位
⑦ ママのファンキー・ロックン・ロール/Your Mama Won't Like Me (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス31位
⑧ ビット・オフ/I Bit Off More Than I Could Chew (Nicky Chinn、Mike Chapman)
⑨ 恋するヤング・ガール/I May Be Too Young (Nicky Chinn、Mike Chapman)
⑩ 恋はドッキリ/Tear Me Apart (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス27位
⑪ ロキシー・ローラー(サケ・ロック)/Roxy Roller (Nick Gilder, James McClloch)
⑫ 涙のヤング・ラヴ/If You Can't Give Me Love (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス4位、アメリカ45位
⑬ レースに賭けよう/The Race Is On (Nicky Chinn、Mike Chapman) イギリス43位
⑭ 愛のゲーム/She's In Love With You (Nicky Chinn、Mike Chapman)イギリス11位、アメリカ41位
⑮ ママズ・ボーイ/Mama's Boy (Suzi Quatro、Len Tuckey) イギリス34位
⑯ ネヴァー・ラヴ/I've Never Been In Love (Melissa A. Connell) イギリス56位
⑰ ローリング・ストーン/Rolling Stone (Phil Dennys, Errol Brown, Suzi Quatro)
⑱ オール・シュック・アップ/All Shook Up (Otis Blackwell, Elvis Presley) アメリカ85位
⑲ キープ・ア・ノッキン/Keep A Knockin' (Richard Penniman)
⑳ 起きろよスージー/Wake Up Susie (Felice Bryant)
■録音メンバー
スージー・クアトロ/Suzi Quatro (lead-vocals, bass)
レン・タッキー/Len Tuckey (guitars, backing-vocals)
ジェイミー・クロンプトン/Jamie Crompton (guitars, backing-vocals)
アリステア・マッケンジー/Alistair McKenzie (piano, keyboards, backing-vocals)
マイク・ディーコン/Mike Deacon (piano, keyboards, backing-vocals)
ビル・ハード/Bill Hurd(piano, keyboards, backing-vocals)
デイヴ・ニール/Dave Neal (drums, backing-vocals)
etc...
最新の画像[もっと見る]
やはり、なんと言いましても『ワイルド・ワン』が突出してかっこいいです(>_<)
Albumの写真は革製のツナギでギターを弾いてます(●^o^●)
でも、プリテンダーズのクリッシー・ハインドやボニー・レイットもカッコいいなあ。…あ、ごめんね、アネキ。また日本に来てくれよな!
オチビ、ドスの利いた中低音、あんど、可愛い・・・
私と共通点が結構ありますね♪
うむ、これは私もベースをやるべきか。
そうそう、昔はとってもハードなイメージだったのに、今になって聴くとそうでもないんですよ.
あの中では「悪魔とドライヴ」も良いですが、「ワイルド・ワン」、カッコいいですよね~。たしか布袋寅泰氏もカヴァーしてなかったっけ。
そういえばクリッシー・ハインドもスージー姐さんと同じく、米国出身・英国デビューでしたよね。
>また日本に来てくれよな!
ウフフ、オンデンさんスージーが来日したら飛びついて行きそうな感じですね。ぼくも、もちろん行ってみたいです~
>あんど、可愛い
Nobさん・・・。本当に可愛いいんでしょうか~~もしそうならぼくと仲間です(^^)
そうそう、ギターがムリならベースにチャレンジしてみましょう~。目立ってカッコいいよ。
かつてはハード・ロックだとか、グラム・ロックだとか言われていたみたいですけど、ノリの良いポップ・ロックみたいな曲も多かったりするんですよね。
中学に上がったばかりで、チョット洋楽をカジリ始めた頃に、ベースを弾きながらシャウトする美人のネエチャンが、気にならないわけがありません。
典型的な、顔から入るアーティストでした。
でも、聴いてみると、曲も、カッコ良かったですね。
皆さんおっしゃるように、僕も「悪魔とドライブ」かな?どっかから、テープにダビングしてもらった記憶があります。
でも、色気づいてきた中学生が一番欲しかったのは、やっぱ、彼女のポスターでしたね・・・。
ぼくはまず「キャン・ザ・キャン」で好きになりました。もちろん顔も好みです~。愛嬌のある可愛らしいルックスしてましたよね。
当時は「男なんて目じゃない」タイプで売っていたのか、雑誌のインタビューでも「わたし」のところを「アタイ」なんて訳されてましたね。
あと、「なぜベースを弾くようになったのか」という問いに「股間にズンズン響くからよ!」なんてドギツク答えたり。
ポスターは友人の部屋に貼ってありました。ぼくも欲しかったです・・・。(^^)
ヒットを飛ばしてましたね。それで、日本に来てテレビに出た姿を見て妙に興奮して鼻血が出ましたね(笑)
胸をはだけた皮のジャンプスーツにズンズン響くベースのネックをしごく・・・こんなエロイねえちゃん、テレビに出してもええのんか?って関西弁になって思いましたです(^^:)
そんなエロエロ・スージーには随分お世話になりました。
そういえば、あのジャンプスーツの下には下着をつけていない、という情報がありまして、そのニュースだけでも妙にコーフンしたことを覚えております~
しかしカルロスさんが思わず関西弁になっている!これはスージーがどれほどエロかったかの証明!?(笑)
>エロエロ・スージーには随分お世話になりました
あの~、カルロスさんのコメントだけが妙にギラギラしてて爆笑なんですけど~(ワハハ)
なんかカルロスさんのコメントだけ見たら、スージーがとんでもないエロ・ミュージシャンに思えてきました(^^;) ま、そういう見方があってもいいか。