ミュージシャン、作詞家、作曲家などは、CDの売り上げに応じて「印税」というものが入ってきますね。売り上げ枚数が多ければ多いほど、印税として入ってくる金額も当然多くなります。
では、世界最大のヒット曲ってなんでしょうか。
今やジャズの大スタンダードとなっている「スターダスト」とか、ビートルズの「イエスタデイ」とか、いろんな説があります。
それらの名曲に匹敵するヒットが日本から生まれています。
千昌夫さんの歌った「北国の春」です。
この曲は、日本をはじめ、中国、台湾、香港、モンゴル、タイ、ベトナム、インド、フィリピン、インドネシア、ブラジルなどなど、約15億人の愛唱歌になっている、と言われます。作曲は遠藤実さん。印税も莫大なものになるんだろうな~、とぼくは思ってました。
ところが、この曲がヒットした国のほとんどが万国著作権条約に加盟していないため、日本でのヒットはともかく、いくらヒットしても印税はほとんど入ってこないんだそうです。うーん、モッタイナイ・・・。
さて、日本で最も売れたシングル・レコード(シングルCD)は、子供向け番組「ひらけ!ポンキッキ」内で歌われて一躍有名になった「およげ!たいやきくん」であることはよく知られていると思います。
その売り上げ枚数、実に約452万枚!
これだけ売れると歌手に入ってくる印税もさぞかし・・・、と思ってしまいます。ところが、この歌を歌った子門真人さんの、この曲からの収入は、たったの5万円だったそうです。
子門さんは、レコード会社から「印税は1枚につき1円、初回プレスは3千枚だから3千円。もし買い取りにするなら5万円」と言われました。アニメのテーマ曲やCMソングなどを時にはアルバイトの形で歌っていた子門さんですが、この曲の歌唱もアルバイトだし、世間的には無名だし、まさかこの歌が450万枚も売れるとは思わなかったので、軽い気持ちで買い取りにしてもらったんだそうです。
そのため、後日、いくらレコードが売れても利益配分にはあずかれなかった、というわけです。
ただし、「たいやきくん」の桁外れのヒットによって大きな恩恵にあずかったレコード会社から、後日100万円と白いギターが贈られたそうです。
子門真人(左)と生田敬太郎
しかしもっと気の毒なのが、「ポンキッキ」でもともとこの「たいやきくん」を歌っていたフォーク・シンガーの生田敬太郎さん。
この曲がレコード化する三日前に別のレコード会社と専属契約を結んだため、「たいやきくん」のレコード化を考えていた会社からレコードを発売できなくなったんだそうです。
文字通り大魚(大たいやき?)を逃した生田氏、その後「たいやきくん」についての取材にはいっさい応じなかったそうです。もし自分が歌って印税がついていたら、と思うと悔しくてしかたがないでしょうね。
いや、ほんとに気の毒な話です。(^^;)
(追記)2011年2月14日、生田敬太郎さんは「およげ!たいやきくん」のセルフ・カヴァーを発表しました。
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この儲けでレコード会社(キャニオンでしたっけ?)が建てたビル、「たいやきビル」って言われてますよね。
ビルが建つくらいの儲けを持って行かれちゃった子門真人氏。決めたのが自分なら文句も言えない訳で、契約って難しいですね。
>レコード会社
そうですそうです、キャニオンですね。
売れているミュージシャンならともかく、無名のミュージシャンは契約面で弱いところがあるのでしょうね。ほんとに難しいですよね。
まあ、及ばないにしても、レコードの大ヒットで露出は増えたでしょうから、、、って言っても慰めにしかならないか・・・