貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

鴫と蛤

2019-06-18 09:05:54 | 日記

鴫と蛤

令和元年6月18日

 今朝も鴫立庵。西行だ。

 西行上人などの歌碑群。

 西行上人の歌碑は、『山家集』掲載の歌。


 

 そして、西行銀猫碑

円位堂は、

元禄時代の風格を残す建物で、

堂内には等身大の西行法師の坐像が

安置されている。

 文覚上人鉈作りの西行51歳の像で、

三千風が京都から背負ってきたと

伝えられている。

私も一句

「鴫も立ち  はせをも縁  澤しのぶ」 

             貢人

 日本に渡ってくる鴫は非常に多い。

 大体、七月から十二月にかけて

渡ってくる。

 なかには越冬するものもある。

主に田地、沼地の泥湿地に多く、

体上面は茶色と黒の交錯、

体下面は白い。

 鳴きながら直線状に飛ぶ。

 鴫の歌も多い。例として、

刈りあとや 早稲かたかたの

        鴫の声

     芭蕉 「笈日記」

泥亀の 鴫に這ひよる

         夕かな

     其角 「五元集」

よる浪や 立つとしもなき

       鴫一つ 

   太祗 「太祗句選後篇」

鴫遠く 鍬すすぐ水の

      うねりかな

   蕪村 「新五子稿」

鴫突きの しや面になぐる

      嵐かな

   一茶 「七番日記」

等がある。

 また、鴫と蛤の昔話も。

「昔、ハマグリがひとつ、砂浜に

ころがって、ええ天気やし、

大きな口開けて日なたぼっこ

しよってんやと。

 そこへ一羽の鴫がやってきて、

クチバシをハマグリの中に入れて

肉をつつこうとした。

 ハマグリはびっくりして、

あわてて口をしめたけど、

鴫のクチバシも一緒に閉じたもん

だからどっちも身動きできん。

「痛い痛い!」と鴫は言うけど、

ハマグリかて鴫のクチバシが中に

入ったままだから何もでけへん。

「おまはん、はよ口開けなんだら

海へ戻れんぞ。日干しになりとう

なかったらはよ開けてんか」

「おまんこそ、はよクチバシ出さ

なんだら何も食べられんさかい、

二~三日したら死んでまうぞ。

ええ気味や」と、

どっちも離そうとせんでけんかし

やったんやと。

 そこへ一人の漁師が通りかかってな、

ハマグリと鴫と両方とることが

できたちゅうことや。そ

 れからこういうことを 

漁夫の利 

というようになったんやて。 」