貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

さ流の面ン

2019-06-20 09:09:55 | 日記

さ流の面ン

令和元年6月20日

 さて、丈水さん。

 『厚木市史』や『あつぎ子ども風土記』

によれば、丈水は猿ケ島村の名主で、

本名は大塚六左衛門武嘉。

 相模国から武蔵国にかけ、数百人の

門人を抱えていた。

 小林一茶とも交流があったという。

 芭蕉の句は、

「年々や 猿耳きせた類 

    さ流の面ン」

 正月の芸能のひとつ、猿回しで

猿が猿のお面を着けている様子を

見て、

「年が明けても人間そのものは

変わらない」

という意。

 建立の時、この句を発句として

『猿墳集』が編まれたという。

 これが、「申塚」である。

 昔から洪水に悩まされてきた

猿ケ島。

 苦難の歴史の中でも、そこには

丈水による文化の香りが息づく処

でもある。