☆秋田市内のインターネットカフェを午前5時には出たのだけれど、どうにもまだ眠いので、車を道の脇に寄せて、寝ることにした。
東北には、いちお、携帯電話を掛けたり、チェーンの着脱のためのパーキングエリアがたくさんある。
「パーキングエリア」と言っても、道が「つちのこ」みたいに太くなった場所に過ぎないのだが・・・。
そんな「つちのこ」に私は車を停めて、羽毛布団に包まって寝た。
寝始めたのは、午後五時半ごろで暗かったのだが、いつしか八時頃、とっくに明るくなって、国道7号線も車の通りが激しかったのだが、路肩で寝ている私を咎める者はなし^^;
何でこんなに疲れているのだろうと眼を擦りながら考えたら、「ああ、そうか、昨夜、中谷君が死んだかも知れない情報が入ったからだ」と思い至り、その話を思い出したら、思い出してしまったことを後悔した・・・。
◇
今日は特に急がないで、何も考えずにゆっくりと行こうと思っていた。
目的地も定めなかった。
国道7号線を南下する。
進んで行けば、何かが現われてくるだろう・・・。
道の彼方に、巨大な山が見えた。
東北道で見た岩手山みたいな巨大なシルエットだった。
「何山か知らないけど、俺には関係ないだろう」と思いつつ、日本海沿岸を下る。
日本海・・・上空に浮かぶは月かな?(覚えてない^^;)
日本海というと、私はどうしても拉致事件を思い出して、心が滅入る・・・。
◇
今日は急がないと決めていたので、道の駅<岩城>に寄る。
ここは、本州初の桟橋上に出来た道の駅だそうだ。
イメージ的に、海の家の豪華版みたいだ。
ボーッとしながら、コーヒーを飲む。
腹が減ったが、まだ食堂はやっていなかった。
次の道の駅で食おう。
◇
ズワーッと、国道7号線(酒田街道・羽州浜街道)を進む。
ボーっとした頭で考えるに、何となく、私は、くだんの巨大な山に向かっているような気がした。
道の駅<にしめ>も、開店前であったが、かろうじてソバ屋がやっていた。
立ち食いソバ屋程度だが、天玉ソバをおいしく頂いた。
どうやら、地図を見ると、私の向かっている巨大な山は、「鳥海(とりうみ)山」らしかった。
「うへ、俺は、あの大きな山に向かっているのか・・・」
それまでは背景に過ぎなかった巨大な山が、自分の進む舞台になる。
不思議な展開である。
◇
私がおぼろに目指していたのは、その「鳥海(とりうみ)ダム」だった。
日本海側から、「鳥海(とりうみ)山」を挟んだ内陸側に建設中の、民主党政権によって計画が凍結されたダムである。
国道7号線に別れを告げ、主要地方道58号線に入る。
すぐに周囲は樹海となったが、道は綺麗に舗装されており、ドライブコースとして最適だ^^
最も、他に車両はほとんどないが・・・。
頭の中の大部分を中谷君のことが締めていた。
「・・・人間は簡単には死なない・・・」
と、私は呟く。
鳥越川と言う小さな河川が道に平行に流れていて、幾つもの堰が段々畑のように連なっていた。
いつもの私なら、写真に収めるのだが、どうにもそんな気分にならない。
樹海・・・ブナの原生林
次第に、「鳥海(とりうみ)山」の峰を登っていく。
急な山道にふいにこんな看板(「列状間伐採集地」とか書いてある)があるのだが、この季節、誰も読む者なし。
こんなダム風もありましたよ^^
誰もいない山奥に、妙に整備されたモニュメントがこのように点在している。
◇
かなり登って来た感があった。
車を停めて、今まで通ってきた<にかほ市>を振り返った。
美味しい空気の場所だった。
更に進む。
この頃、近くにあった看板を見ると「鳥海(ちょうかい)山」と記されていた。
私は「鳥海(とりうみ)山」と読んでいた自分に対し頬を赤らめるのだった・・・。
近くに行けば行くほど遠くなる「鳥海(ちょうかい)山」であった・・・。
(2009/12/29)
東北には、いちお、携帯電話を掛けたり、チェーンの着脱のためのパーキングエリアがたくさんある。
「パーキングエリア」と言っても、道が「つちのこ」みたいに太くなった場所に過ぎないのだが・・・。
そんな「つちのこ」に私は車を停めて、羽毛布団に包まって寝た。
寝始めたのは、午後五時半ごろで暗かったのだが、いつしか八時頃、とっくに明るくなって、国道7号線も車の通りが激しかったのだが、路肩で寝ている私を咎める者はなし^^;
何でこんなに疲れているのだろうと眼を擦りながら考えたら、「ああ、そうか、昨夜、中谷君が死んだかも知れない情報が入ったからだ」と思い至り、その話を思い出したら、思い出してしまったことを後悔した・・・。
◇
今日は特に急がないで、何も考えずにゆっくりと行こうと思っていた。
目的地も定めなかった。
国道7号線を南下する。
進んで行けば、何かが現われてくるだろう・・・。
道の彼方に、巨大な山が見えた。
東北道で見た岩手山みたいな巨大なシルエットだった。
「何山か知らないけど、俺には関係ないだろう」と思いつつ、日本海沿岸を下る。
日本海・・・上空に浮かぶは月かな?(覚えてない^^;)
日本海というと、私はどうしても拉致事件を思い出して、心が滅入る・・・。
◇
今日は急がないと決めていたので、道の駅<岩城>に寄る。
ここは、本州初の桟橋上に出来た道の駅だそうだ。
イメージ的に、海の家の豪華版みたいだ。
ボーッとしながら、コーヒーを飲む。
腹が減ったが、まだ食堂はやっていなかった。
次の道の駅で食おう。
◇
ズワーッと、国道7号線(酒田街道・羽州浜街道)を進む。
ボーっとした頭で考えるに、何となく、私は、くだんの巨大な山に向かっているような気がした。
道の駅<にしめ>も、開店前であったが、かろうじてソバ屋がやっていた。
立ち食いソバ屋程度だが、天玉ソバをおいしく頂いた。
どうやら、地図を見ると、私の向かっている巨大な山は、「鳥海(とりうみ)山」らしかった。
「うへ、俺は、あの大きな山に向かっているのか・・・」
それまでは背景に過ぎなかった巨大な山が、自分の進む舞台になる。
不思議な展開である。
◇
私がおぼろに目指していたのは、その「鳥海(とりうみ)ダム」だった。
日本海側から、「鳥海(とりうみ)山」を挟んだ内陸側に建設中の、民主党政権によって計画が凍結されたダムである。
国道7号線に別れを告げ、主要地方道58号線に入る。
すぐに周囲は樹海となったが、道は綺麗に舗装されており、ドライブコースとして最適だ^^
最も、他に車両はほとんどないが・・・。
頭の中の大部分を中谷君のことが締めていた。
「・・・人間は簡単には死なない・・・」
と、私は呟く。
鳥越川と言う小さな河川が道に平行に流れていて、幾つもの堰が段々畑のように連なっていた。
いつもの私なら、写真に収めるのだが、どうにもそんな気分にならない。
樹海・・・ブナの原生林
次第に、「鳥海(とりうみ)山」の峰を登っていく。
急な山道にふいにこんな看板(「列状間伐採集地」とか書いてある)があるのだが、この季節、誰も読む者なし。
こんなダム風もありましたよ^^
誰もいない山奥に、妙に整備されたモニュメントがこのように点在している。
◇
かなり登って来た感があった。
車を停めて、今まで通ってきた<にかほ市>を振り返った。
美味しい空気の場所だった。
更に進む。
この頃、近くにあった看板を見ると「鳥海(ちょうかい)山」と記されていた。
私は「鳥海(とりうみ)山」と読んでいた自分に対し頬を赤らめるのだった・・・。
近くに行けば行くほど遠くなる「鳥海(ちょうかい)山」であった・・・。
(2009/12/29)