★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

宝塚歌劇『あさきゆめみし2』

2007年07月21日 | 徒然なる日常
一昨日の話ですが、鑑賞してきた、宝塚歌劇『あさきゆめみし2』の感想を少々p(^^)q

お馴染み、源氏物語を忠実にコミックス化した大和和紀さんの『あさきゆめみし』の舞台化です。
2000年に、宝塚大劇場で演じられた『あさきゆめみし』を軸に、少しエピソードなどを増やし、再構築した作品だそうです。

配役は、以下の通りです。

光源氏/春野 寿美礼
紫の上/桜乃 彩音
刻の霊/真飛 聖
頭中将/壮  一帆




あの長~~~~~い、光源氏の生涯をどうやって舞台にするのかなぁと、とても興味津々だったのですが、とても面白い作りになっていました。

物語の進行役として、原作には出てこない、舞台オリジナルキャラクターの「刻の霊」という人物が出てきます。彼は、時の流れや、その時の流れの中にいる人間の生死などを支配している精霊。
そして、彼が見守り続けた、あさき夢の様な、光源氏の誕生から終焉までを語っていくのです。
この刻の霊は、物語の要所要所に登場し、ある意味、ナレーションのような役割を持って、光源氏の恋愛遍歴や、彼の周りで起こる事柄などを説明してくれるのです。

源氏物語は、大大大好きな私でして。
このお芝居の原作である『あさきゆめみし』はもちろんのこと、与謝野晶子版の『現代語訳 源氏物語』、また、『源氏物語』に関する関係資料や関連書籍等々、色々と読みまくっていた私には、とても興味深く、そして、楽しめるお芝居でした。

第一幕は、光源氏誕生から、若かりし日の藤壺の女御との過ち、そして、そのあとの様々な恋愛遍歴を中心に描かれます。朧月夜との一件で須磨に流され、明石の君と結ばれ、その暫し後に、再び、都へと帰還する。そして、源氏にとっては、永遠の女性であった、藤壺が亡くなった所で、第一幕終了です。

そして、35分の休憩の後、第二幕が始まりました。

第二幕は、恋愛中心だった前半とは打って変わって、源氏の出世模様が描かれます。
藤壺との過ちの子である皇子が冷泉帝として即位し、源氏は、その後見人となったり、また、明石の上との間に授かった姫を都に引き取り、やがては、入内させたり。準太上天皇の位を授かり、六条の院と呼ばれるほどに栄華を極め尽くすものの、女三宮と柏木の裏切りによって、若い頃の過ちの因果応報を受けたり、源氏の一番の理解者であった紫の上が死の床に就き、彼女を一番に愛していたと気が付いたときには、もう、彼女はこの世にないという、人生の儚さ、無情さを痛切に感じる・・・という展開です。

そんな、光源氏の華やかで、けれども、儚く寂しい生涯の模様を、刻の霊が、切々と歌い上げるのでした。


とりあえず、『源氏物語』についてよく知っていること・・・いえ、少なくとも『あさきゆめみし』の原作を読んでいることが、大前提のお話です!
『源氏物語』好きには、大満足な舞台だったですよ!!!!
「刻の霊」という進行役の存在も、良かったと思います。観劇する側も、「刻の霊」と同じ視点で、遙か昔の平安絵巻を垣間見るような、華やかなひとときの夢を見るような、そんな効果があったと思います。

ストーリー展開も、とてもテンポ良く、華やかな見所が満載でした(^^)

そして、そして、美しい平安衣装の数々も魅力的です!!!
きらびやかな歌や踊りと相まって、絵巻物の中に、入り込んでしまったかのような錯覚を覚えました(///)

前半は、恋愛遍歴中心ということで、色々な女性が登場します。
源氏も、まだ若く、軽やかな華やかさという雰囲気が感じられました。
けれども、その華やかさの裏で、当然泣いていたり、悩んでいたりする、女性も多いわけで、そういう女性達の歌は、とても切なかったです。
そして、前半最後の、藤壺の死。
そもそも、源氏が、愛の巡礼のような、様々な女性を追い求め始めた、そのきっかけとも思える女性・藤壺の死のシーンは、やはり、見ていて泣けてしまいました。
終焉の時を迎えてすら、絶対に口にしてはいけない、禁断の秘密が二人の間に存在することにより、彼らの距離は、もっともっと遠くなってしまっている・・・そんな風に感じられて哀しかったです。あれだけ美しい女性達の元を花から花へと飛び回る蝶々のように渡り歩いていた源氏でも、一番に求めていた物は、決して手に入れることは出来なかった。その無情さが、それまでの華やかさと反比例して、より切なくなりました。

そして後半。
後半は、恋愛よりも、源氏の出世街道の模様が描かれます。源氏も年齢を重ねていきます。
そのため、前半の時のような、軽やかな華々しさではなく、もっと、落ち着いた、重厚な、けれども、その中に光り輝くものがある・・・そんな印象を受ける作りでした。前半の華やかさが、咲き乱れる花々ならば、後半の華やかさは、しっとりと輝く至高の宝珠・・・というように私には見えましたです。

そして、何と言っても見所は、因果応報の物語展開。女三宮の絡んでくる部分ですね。
女三宮を迎えることに当たっての、紫の上の苦悩。
そして、最終的には柏木と通じ、身ごもる三宮。
三宮が柏木と通じて身ごもったことを知った時の、源氏の怒りの絶叫は、とても見応えがありました。春野さん、熱演です。ステージは、赤のライトが灯り、妖しいまでの怒りが表現されていたと思います。
また、他の男の子を、「我が子」として抱かねばならなかった源氏が、思い出す父への背徳。因果応報を痛感する源氏のシーンも、とても見応えがありです。

様々な恋愛を経験し、出世も極め、そして、裏切りにも遭い因果応報の報いも受け・・・至福の時も、絶望も知り尽くした源氏が、最後に気が付いた紫の上への愛。けれども、そのときには、もう、紫の上は源氏を置いて死への旅路に向かってしまう・・・という無情さも、切々と歌い上げられる歌の数々で、泣けました(TT)

『源氏物語』のお芝居ですから、主人公源氏を中心に描かれていくわけですが、源氏に関わる女性達の愛と苦悩も、美しい歌と共に描かれていて、感じ入るものがありました。
特に、明石の姫が入内したときの、紫の上と明石の上の歌のシーンは、心に残りました。
同じ男性を愛してしまった女性同士の、哀しくも縁深い「絆」のようなものがあって、とても綺麗でした。けれども、美しいからこそ、余計に哀しくも見えました。
紫の上も、明石の上も、きっと、ずっと自分を殺し、慎み深く美しい源氏の女人であらなければならなかった・・・そんな風に思えちゃって。互いにずっと、声を荒げて自分の感情を吐露することはもちろん、泣くことすら許されなかったんだろうなぁって。あの時代の女性達って・・・凄いですよね(;;)

そうそう。
紫の上を亡くした源氏の失意も、哀しくはありましたが、お芝居では、原作になかった天上界でのシーンがラストにあります(^^)
光り輝く天上界で再会した源氏と紫の上。
そこで、二人の愛は永遠となった・・・。
宝塚の舞台では、よくこのようなラストを見ることが出来ますが(「ベルばら」もそうですよね^^)、舞台ならではのそう言う結末は、わたし的には大好きです。
最終的に二人は幸せになったんだ、ちゃんと心から結ばれたのだ・・・と思わせてくれるのですもの。ある意味、ハッピーエンドですよね^^

本当に、今でも、目を瞑ったら、あの煌びやかな舞台が、まだまだ瞼に浮かびます。
ついつい、メインテーマだった「あさき夢」という歌のサビ部分、「♪♪愛を~ 愛を~ 愛を求め飛ぶ~~ ゆ~めのな~かへ~~~~♪♪」と口ずさんでしまいます。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宝塚フアン必見 (sumire)
2007-07-29 21:04:50
宝塚フアン昂じて予約やつてます
プラスワン
http://www.taka41.com
樂・前樂・新人公演・前席目標
特色ある仕事してます
熱烈フアンのごひいきいただいてます
よめしくおねがいいたします
返信する
はじめまして。 (ベル)
2007-07-30 16:05:35
sumireさん、初めまして。
情報をありがとうございました。
お仕事、頑張ってくださいね
返信する

コメントを投稿