9月25日に発売でした、『バチカン奇跡調査官』の新刊。『月を呑む狼』。
私は発売当日に購入し、ずっと没頭してて、翌日には読み終わりました~っ。
6巻の『ラプラスの悪魔』から、ずっと投げかけられてきた謎や問題について、前巻の『終末の聖母』では、あんまり触れられてなかっただけに。
今回の物語は、本当に凄かったです!!
そう、色々と、真相が分かって来たのです~っ。
そんな訳で、読んでて、ずっと、「ワーワー(*><*)」、「キャーキャー(≧▽≦)」って状態でした。
読み終った今尚、興奮冷めやらずですよ。
頭の中が、奇跡調査官でいっぱいでヤバいです><
という訳で。
感想・・・という名の萌え語り、行ってみたいと思います~っ。
このシリーズも、今回で9巻目となりましたね。
7巻の『天使と悪魔』は、番外編の短編集・・・メインキャラ達の過去の物語なので、ちょっと違いますが。
その他の巻では、一応、一話完結の形を取りつつ。でも、物語全体としては、大きな謎や問題がずっと提示されるという、ひとつの流れがあります。
それと同時に、物語が進むに連れ、バチカンの奇跡調査官という彼らが、いろんな奇跡・・・というか超常現象に遭遇するスタイルも、様々なバリエーションを持つようになってきました。
1~4巻の『黒の学院』、『サタンの裁き』、『闇の黄金』、『千年王国のしらべ』は、普通に、バチカンに対して申請があった奇跡を調査する為に、その申請をした教会に赴く~というスタイル。
そして、5巻の『血と薔薇と十字架』は、それまでとは少し変わっていて。
奇跡調査の帰りに、たまたま事故で足止めを食らった街の吸血鬼騒動について調べる・・・という、バチカンとは関係のない調査のお話。
そしてそして。
6巻の『ラプラスの悪魔』では、もっと変わっていて。
FBIからの要請を受けて、神父と言う身分を隠し、アメリカのゴーストハウスに潜入捜査。そこで、大統領候補の議員さんの暗殺事件に巻き込まれる~というお話。
前巻にあたる8巻の『終末の聖母』では、サウロ大司教の代理で、南米の教会の式典で挨拶だけをするつもりが。たまたまそこで、奇跡のような現象が起こるのに立ち会ってしまい。そのまま、滞在し、奇跡調査をする・・・というスタイル。
色々ありましたが、中でも、特に、6巻の『ラプラスの悪魔』は、趣向が違っていて面白かったですよね。何と言っても、神父の仕事ではなく、FBIの捜査協力でしたし。
しかも、その6巻の中で、物語も色々急展開を見せ、とてつもない問題が彼らに降りかかった訳ですから。
もちろん、読んでいる私も、6巻で、
エエエエェェェェェ(゜Д゜;)ェェェエエエエ!!!!!!
となりまして。その色んな謎や問題が、次の『終末の聖母』であまり解決されなかっただけに、かなーり、悶々としていたのです。
がしかし。
がしかーしっっ!!
今回の『月を呑む氷狼』では、『ラプラスの悪魔』で提示されていた問題が・・・全部では無いですが、少し、明かされた感じですよね。
勿論、真相が分かって、益々気になることも多々なのですがA^^;;
そんなこんなで、今回の巻、物凄くコーフンして読んじゃいましたです。
物語は・・・というと。
『ラプラスの悪魔』から約1年後。
あの、とんでもない結末後のFBIのビル捜査官。彼の仕事も私生活も、だいぶ変わってしまいました。
ぶっちゃけ、あの事件に関わって、秘密を知ってしまったからか、FBIでも閑職に追いやられてしまってましたし・・・。
そんなある時、仕事で訪れたノルウェーで。
月食でもないのに、いきなり、月が真っ赤に染まり、消えてしまう・・・という怪異を目撃してしまいます。
そして、その直後、ある屋敷の中で、一人の男性が変死。
季節は春で、外の気温も暖かかったというのに、その変死している男性の部屋は、部屋ごと氷漬けになったかのような氷の世界。
しかも、その数十分前には、部屋は、エアコンで室温24℃に保たれており、男性も生きていた・・・というメイドの証言が。
たった数十分で、部屋を完全な氷の世界にするとは、一体、どんな魔法が起きたのか!!??
エルサか!?(@アナ雪)、アイスマンか!?(@X-MEN)・・・・違
そして、その地方には、氷の息を吐き、何物をもたちまち凍らせてしまう氷狼の伝説があり。
人々は・・・いや、警察ですら、この変死事件を、伝説の氷狼の仕業だと考えてしまうのです。
納得のいかないビル捜査官は、こういう事件の解決に優れている、平賀神父とロベルト神父に連絡を取り・・・。
たまたまリトアニアで奇跡調査中だった彼らも、ノルウェーへ向かう~~~というお話です。
前回はマヤ文明に纏わる奇跡の謎でしたが、今回は、北欧神話に纏わる奇跡の謎。
オーディーンとかFFでお馴染みの名前も色々出てきて、興味津々でした。
という訳で。
今回はFBIへの捜査協力。
そして、扱っている事件も、ある地域においてピンポイントでの月が消えるという、気象現象。
どうしても、『ラプラスの悪魔』の「世界システム」を想起しちゃいますよね。
そういえば、あの時のハリソンも、あのままでしたし。
なので、関わっている人たちに関しては、すぐに察しがついたのですが(^m^)
でも、一番気になるのは、その『ラプラスの悪魔』の最後で失踪したローレン。
それに、今回の表紙は、満を持して、ローレンのイラストですし、ね(^^)b
ローレンが熱いですっ。
ローレンといえば、バチカンの情報局に勤める天才で。
奇跡調査をする平賀の右腕のような存在でもあり。
調査で幾度となく壁にぶつかった時も、ローレンの色々な活躍により、平賀たちは無事に調査を進め、陰謀やまやかしを暴いたりすることも出来ました。
1~4巻では、平賀とのメールのやり取りでしか出てこず、5巻のラストで初めて、平賀がローレンの研究室を訪ねるというシーンがあり、生ローレン(笑)登場でしたよね。
彼については、詳しく描写されていなかったので、私も、あの短編『天使と悪魔』を読むまでは、ローレンって、少なくとも平賀より年上の学者かコンピューターオタクだと思ってました。
30代半ばくらいの気難しい人かなぁと。
それがそれが、まさか、せいぜい20歳そこそこの青年で、しかも、天才過ぎるが故に、倫理感覚を持ち合わせていない危険人物で。テロリストとして、バチカンで幽閉していた人間だったなんて!
そんな彼が、バチカンから脱走した~というのが『ラプラスの悪魔』のラスト。
前巻では、彼の残したメッセージを見つけられないままの平賀でしたよね・・・。
それがここに来て、ローレンの後任者であり、ローレン逮捕を執拗に欲しているチャンドラ・シン博士から、衝撃的な事実を聞かされたりで。
蚊帳の外だったと思っていたロベルトも、ローレンの仕組んだ「企み」に組み込まれちゃってる模様。
そしてそして、チャンドラ・シンのローレンに対しての憎悪。・・・これが本当なら、いや、本当なのでしょうが、かなり、ショッキングな真相です。
ローレンは、果たして、平賀が信じているような善人なのか?
それとも、チャンドラ・シンが思っているような、人間の皮を被ったモンスターなのか?
そして、ロベルトは、平賀とチャンドラ・シンの間で、何を想い、考え、推理するのか?
新事実が明かされれば明かされるほど、益々、続きが気になって気になって仕方ありませんです(*><*)
続き、プリーズっっ。
それにしても。
今回はFBIへの協力ということもあってか、ロベルト神父が益々、神父様らしからぬ行動を取ってます。
もちろん、奇跡・・・というか事件調査の為の手段ではあるのですが。
変死事件の被害男性の妻の代理人と名乗り、企業や病院に乗り込んでいき、そこでの駆け引き・・・。
神父様とは思えない、見事な駆け引きっぷりでした。
そういう意味では、見方によっては、彼は「俗っぽい」のかもしれません。
彼自身も自覚しているように。
ですが。
一見、神父らしからぬ言動をするかもしれないロベルトですが。
芯の部分では、凄く信心深くて。
友の事も、神の事も、凄く大切に想い、敬い、感謝している・・・・。
それが分かるラストシーンは、とても感動的でした。
うん。
体面だけを繕う神父よりも、ずっとずっと、ロベルトは神父らしくて。
真の神父様なんだなぁと思えました。
それに。
『ラプラスの悪魔』に続き、今回も、命を賭けて、平賀を守ろうとするお姿。
めっちゃ、カッコ良かったです!!!!
っていうか、もう、どんだけ平賀が大事なんだよ(//▽//)
・・・と、うっかりイケナイ想像までしてしまいそうになりましたがな(笑)
でもね。
真面目に考えると。
ロベルトにとって、平賀は、本当に大切な存在なんだと思う。
2巻の『サタンの裁き』や7巻の『天使と悪魔』の中の『日だまりのある所』で明らかにされるように、ロベルトの過去は本当に壮絶なものだったのですよね。今の穏やかで、世渡り上手な彼とは想像がつかないくらい。
多分、彼は、世の中に絶望しながら成長してきたのかもしれない。
そんな彼にとって、唯一、心を許せる存在であるのが平賀。
もしかしたら、ロベルトにとっての「神」は「平賀」であり。平賀の存在があるからこそ、彼は、真の神父で居られるのかもしれない・・・と。そう思ってしまいました。
てか。
人間、誰しも、心の中に宗教とはまた違う意味での「神様」を持っていると思うのです。
神様という表現に対抗があるなら、「誰にも犯すことのできない聖域」っていうか。
要は、譲れない大事なもの・信念。
ロベルトにとってのそれが平賀なんだと思うのです。
うん。
あのラスト、語り部の老女とのシーンは、良いシーンだったなぁ。
まあ、それはさておき。
今回も、宅配業者に変装したり・・・と、まるで探偵のような平賀&ロベルト。
表紙イラストでは、いつも神父服の二人ですが。
白地に赤のストライプの入った、宅配業者の制服に身を包み、段ボールを運ぶ2人って。。。。
あまり想像がつかないんだけど、想像すると面白い。
前巻でも、テロリストのアジトに潜入し、時限爆弾を解体したりしていた平賀ですが。。。。ホント、段々、神父様の仕事ではなくなってきている気がする(^m^)←褒めてますwww
事件の真相やトリックについては、ネタバレになるので避けますが・・・。
今回のテーマは、面白かったです。
ちょっと『アルジャーノンに花束を』を思い出しちゃいました。
今や、目まぐるしく進歩していく医療技術。
それにより、昔なら命を失っていた病でも、助かるようになって。
それは素晴らしい事です。
その一方で、進歩した医療は、ある意味、神の域にまで踏み込んでしまっている部分もあるのではないか・・・と。
そんな時、どこまでが医療で、どこからが神の域なのか・・・。
臓器の移植なら普通に行うけど、では、脳の移植はどうなのか?
そして、もし、この先、素晴らしい医療技術により、体も脳も、そして心まで、人間の思うように出来る世界になったら。その時、「神」の存在は・・・、いや、「宗教」の役割はどうなるのだろう・・・とか。
なんだか、色々と考えさせられるテーマでありました。
そしてそして!!
忘れちゃゃイケナイ、悪の華のエンターテイナー(違)!!
ジュリア司祭。
彼の真の目的は一体何なのか・・・。
エピローグの、かなーり気になるローレン。
つか、ローレンとジュリア司祭は、一切関係ないのか。はたまた、どこかで関連性を持つのか。
ローレンの目的は? 彼の本心は?
平賀が正しいのか、チャンドラ・シンが正しいのか?
もう、色んなことが意味深で、意味深で。
落ち着きません~~~っっ。
そんなこんなで、まだまだ、絶賛大興奮中の『奇跡調査官 月を呑む氷狼』。
すぐに、もう一度読み返して、まだまだ、平賀たちの世界に浸りたいです。
・・・あっ!!
そういえば、今回はロベルトの手料理シーンが無かったなぁ。
まあ、彼らも、リトアニアでの奇跡調査中だったしね~。
でも、平賀に手料理を振る舞うロベルトのシーン、大好きなので、そのシーンが無かったのはちと寂しい。
それから。
初回特典のリーフレットがめっちゃ嬉しかった件(^m^)うふふ