先日見に行った、映画『白夜行』の感想です。
個人的には、この小説は、東野圭吾さんの作品の中では、とても好きな作品でして。
山田孝之さんと綾瀬はるかさんの連続ドラマ版も、しっかりバッチリ見ていましたよ(^^)b
物語は、というと。
19年前に起こった、殺人事件がことの発端。
廃ビルの中で、質屋の店長・桐原洋介が刺殺体で発見されます。
するどいハサミで背中をひと突きされた死体は、なぜか、密室の中にあったのです。
犯人は?
密室のトリックは?
被害者の妻。その妻の愛人。被害者の愛人。
・・・などなど・・・。
捜査線上には、何人かの容疑者が挙がるのですが、どれもハッキリとした確証はありません。
そんな中、怪しいと思われていた人物は事故死。
また、次に容疑者として挙がっていた、被害者の愛人・西本文代は、まだ幼い娘の雪穂を残してガス漏れ事故で死亡。自殺なのか、事故なのかもハッキリしないまま、この事件は迷宮入りするのでした。
そんな事件から、年月は流れ。
被害者の息子・桐原亮司も、容疑者の娘・雪穂も高校生へと成長していました。
雪穂は、事故後、遠縁の伯母の養女となり、名前も唐沢雪穂に変わっています。
お嬢様学校に通い、その美貌と、穏やかでしとやかな所作、頭の良さで、誰もが憧れる存在になっていました。
被害者の息子。
容疑者の娘。
全くの接点がない、この2人が歩む人生は・・・。
う~ん。
わたし的には、映画はイマイチ感がぬぐえませんでした。
原作小説を見れば分かるのですが、原作は、物凄~く分厚い本なのですよ。
つまり、被害者の息子・亮司と、容疑者の娘・雪穂を軸とするエピソードが、盛りだくさん。
だからこそ、色々と見えてくること、分かること、思うことも多々あるわけですが。
しかし、2時間強という映画の尺の中に、その全てのエピソードを盛り込むことは不可能なわけで。
どうしても、いくつかを抜粋して描く・・・という形にならざるを得ません。
その為、物語や、その背景が分かりにくくて。
私は、原作を読んでいるので、脳内補完しつつ、映画を見ていて意味が分かりましたが・・・。
原作を未読で、尚かつ、前知識やあらすじも知らない人が見たら、「???」じゃなかったのかなぁ~と思えましたです。
うん。
ただ、謎な事件が色々とあって、最後に、「なるほど!」と思うオチがある・・・・・・原作を知らない人には、そんな風にしか見えないのではないかな?と思い、それでは、この作品の魅力が伝わらないのでは~と。ちょっと残念~。
そういう意味では、物語の構成を大きく変えては居ましたが、連続ドラマ版の方が、たくさんのエピソードを盛り込み、分かり易かったように思います。
ので、私はドラマ版の方が好きかな~。
ただ、ドラマ版は、いきなり結末・・・つまりネタバレから描いていて。
原作で敢えて描かれていない、雪穂や亮司の感情が全面に出ているので。
原作とは、ちょっと違う感じになってはいますがね。
原作に描かれている事象を、忠実に描いているのは、映画版。
原作には直接は描かれていないけど、登場人物達の心情にスポットを当てて描いているのは、ドラマ版。
って感じかな。
でもでも。
映画版の雰囲気は、とても原作に合っていました。
特に、冒頭の、亮司や雪穂が置かれていた環境・・・。あまりにもえげつなくて、胸が痛いです。
亮司や雪穂のやっていたことは、もちろん、犯罪だけど・・・。
でも、彼女達をそうさせたのは、他でもない、汚れた大人達なのだ・・・と。
まだまだ純真で居たい大切な子供時代に、大人達によって、心を殺されたのだ、と。
彼女達も被害者なんだ、と思うと。何とも言えない気持ちにさせられました。
この原作小説・・・本当に、読後、心にズ~~~ンとくる話なのですよ。
それでも、惹かれてやまないのは。
やっぱり、この2人の強い「絆」の魅力なのだと思うのですよ。
同じ痛みを共有した2人の、誰も知らない秘密の絆。究極の愛情。
映画では、亮司が一方的に雪穂を守っているように描かれていましたが。
でもでも、原作では、雪穂もまた、亮司を守るために、危ない橋を渡ってあげたりしていますよね?
自分を守るため、相手を守るためには、互いに互いを助け合う。例え、それが、犯罪なことでも。
亮司が恋人との行為で不能(っていうのかな?)だったことも映画では描かれていましたが、その理由が明かされていないので「???」でしたが。
その理由は、雪穂も手助けしてあげた、とある犯罪の事後工作もある訳で。
2人は、色々なことで共犯者なのですよね。
だからこそ、最後、雪穂がオープンさせる念願のお店、「R&Y」の名前にグッとくるのですが・・・。
映画では、あまり、そういうのが伝わって来なかったような気が・・・。
ただ、ラストシーンで思ったのは。
本当に、この2人は、幼いときに、勝手で醜い大人達に心を殺されたしまったんだ・・・と。
そして、死んでしまった心の中で、唯一「生きていた部分」すらも、失ってしまったのではないかと。
何とも言えない気分になりました。
と。
そんな感じですが・・・映画を見る前に、原作小説を読んで、一度、物語を頭に入れてから見ることをお勧めしたい映画でありました。
個人的には、この小説は、東野圭吾さんの作品の中では、とても好きな作品でして。
山田孝之さんと綾瀬はるかさんの連続ドラマ版も、しっかりバッチリ見ていましたよ(^^)b
物語は、というと。
19年前に起こった、殺人事件がことの発端。
廃ビルの中で、質屋の店長・桐原洋介が刺殺体で発見されます。
するどいハサミで背中をひと突きされた死体は、なぜか、密室の中にあったのです。
犯人は?
密室のトリックは?
被害者の妻。その妻の愛人。被害者の愛人。
・・・などなど・・・。
捜査線上には、何人かの容疑者が挙がるのですが、どれもハッキリとした確証はありません。
そんな中、怪しいと思われていた人物は事故死。
また、次に容疑者として挙がっていた、被害者の愛人・西本文代は、まだ幼い娘の雪穂を残してガス漏れ事故で死亡。自殺なのか、事故なのかもハッキリしないまま、この事件は迷宮入りするのでした。
そんな事件から、年月は流れ。
被害者の息子・桐原亮司も、容疑者の娘・雪穂も高校生へと成長していました。
雪穂は、事故後、遠縁の伯母の養女となり、名前も唐沢雪穂に変わっています。
お嬢様学校に通い、その美貌と、穏やかでしとやかな所作、頭の良さで、誰もが憧れる存在になっていました。
被害者の息子。
容疑者の娘。
全くの接点がない、この2人が歩む人生は・・・。
う~ん。
わたし的には、映画はイマイチ感がぬぐえませんでした。
原作小説を見れば分かるのですが、原作は、物凄~く分厚い本なのですよ。
つまり、被害者の息子・亮司と、容疑者の娘・雪穂を軸とするエピソードが、盛りだくさん。
だからこそ、色々と見えてくること、分かること、思うことも多々あるわけですが。
しかし、2時間強という映画の尺の中に、その全てのエピソードを盛り込むことは不可能なわけで。
どうしても、いくつかを抜粋して描く・・・という形にならざるを得ません。
その為、物語や、その背景が分かりにくくて。
私は、原作を読んでいるので、脳内補完しつつ、映画を見ていて意味が分かりましたが・・・。
原作を未読で、尚かつ、前知識やあらすじも知らない人が見たら、「???」じゃなかったのかなぁ~と思えましたです。
うん。
ただ、謎な事件が色々とあって、最後に、「なるほど!」と思うオチがある・・・・・・原作を知らない人には、そんな風にしか見えないのではないかな?と思い、それでは、この作品の魅力が伝わらないのでは~と。ちょっと残念~。
そういう意味では、物語の構成を大きく変えては居ましたが、連続ドラマ版の方が、たくさんのエピソードを盛り込み、分かり易かったように思います。
ので、私はドラマ版の方が好きかな~。
ただ、ドラマ版は、いきなり結末・・・つまりネタバレから描いていて。
原作で敢えて描かれていない、雪穂や亮司の感情が全面に出ているので。
原作とは、ちょっと違う感じになってはいますがね。
原作に描かれている事象を、忠実に描いているのは、映画版。
原作には直接は描かれていないけど、登場人物達の心情にスポットを当てて描いているのは、ドラマ版。
って感じかな。
でもでも。
映画版の雰囲気は、とても原作に合っていました。
特に、冒頭の、亮司や雪穂が置かれていた環境・・・。あまりにもえげつなくて、胸が痛いです。
亮司や雪穂のやっていたことは、もちろん、犯罪だけど・・・。
でも、彼女達をそうさせたのは、他でもない、汚れた大人達なのだ・・・と。
まだまだ純真で居たい大切な子供時代に、大人達によって、心を殺されたのだ、と。
彼女達も被害者なんだ、と思うと。何とも言えない気持ちにさせられました。
この原作小説・・・本当に、読後、心にズ~~~ンとくる話なのですよ。
それでも、惹かれてやまないのは。
やっぱり、この2人の強い「絆」の魅力なのだと思うのですよ。
同じ痛みを共有した2人の、誰も知らない秘密の絆。究極の愛情。
映画では、亮司が一方的に雪穂を守っているように描かれていましたが。
でもでも、原作では、雪穂もまた、亮司を守るために、危ない橋を渡ってあげたりしていますよね?
自分を守るため、相手を守るためには、互いに互いを助け合う。例え、それが、犯罪なことでも。
亮司が恋人との行為で不能(っていうのかな?)だったことも映画では描かれていましたが、その理由が明かされていないので「???」でしたが。
その理由は、雪穂も手助けしてあげた、とある犯罪の事後工作もある訳で。
2人は、色々なことで共犯者なのですよね。
だからこそ、最後、雪穂がオープンさせる念願のお店、「R&Y」の名前にグッとくるのですが・・・。
映画では、あまり、そういうのが伝わって来なかったような気が・・・。
ただ、ラストシーンで思ったのは。
本当に、この2人は、幼いときに、勝手で醜い大人達に心を殺されたしまったんだ・・・と。
そして、死んでしまった心の中で、唯一「生きていた部分」すらも、失ってしまったのではないかと。
何とも言えない気分になりました。
と。
そんな感じですが・・・映画を見る前に、原作小説を読んで、一度、物語を頭に入れてから見ることをお勧めしたい映画でありました。