洋楽レビュー/感想。
「冬の海」のような厳しさや冷たさに底知れない広大さや深遠さや畏怖を感じる、
ヘヴィでメロウで壮絶なポストブラックメタル作品。
◆Deafheaven - New Bermuda
前作がメディアで高評価を受けて、
ブラックメタルを知らないような人にも人気になって、
ブラックメタルをヒップでクールな物にしたが為に、
「こんなもんブラックメタルじゃねー!」と、
コアなメタルファンからは総攻撃を受け、
音楽オタクからはあまりのメディアの高評価ぶりに、
彼等やファンを「ヒップスター(笑)」と蔑み、
最終的にはそんな蔑んで自分をヒップに見せる音楽オタクが、
一番の「ヒップスター(笑)」になってしまったいうオチまで付けた、
いろんな意味で音楽シーンに影響を与えたバンドの新作なんですが、
攻撃的でスラッシーでインテレクチュアルなリフに、
ブラックメタル的なトレモロリフに、
首振りたくなる的な正統派のメタルのバッキングの刻みなどなど、
前作より根っこに「メタル」の影響を強く感じられますし、
ボーカルは相変わらず絶叫しまくりですし、
ドラムも相変わらず「ぱねえ!」の一言で、
速さに手数足数と凄まじく叩きまくっているので、
全体的にヘヴィでメタルでアグレッシブな印象が強いのですが、
ポストロック/シューゲイザーパートでは打って変わって、
絶妙にリヴァーブやディレイ掛けて美しくも儚げにアルペジオ奏でたり、
ドラムが色気とセンスがある感じに音数控え目に叩いて、
甘美で繊細で幻想的な美しさを表現したりしてるように、
緩急やダイナミクスの付け方が更に巧くなっており、
前作にあった壮絶さはそのままに、
よりヘヴィでメロウに深化してますよ!
ヘヴィなパートはよりヘヴィに、
メロウなパートはよりメロウにという、
徹底した拘りから来る、
緩急の効いた巧みな曲の構成は勿論、
エフェクトの使い方や加減の仕方も素晴らしく、
立体的な音の広がり方や空間の生かし方や交わり方なんかは特に秀逸ですし、
The CribsやThe SmithsやYo La TengoやOasis辺りの、
インディーロックの影響が感じられるギターパートがあったりと、
以前より曲がバラエティー豊かになっていて、
いろんな一面や側面が聞き取れますし、
大きな波がうねってたらと思ったら、
急に静かで穏やかになったり嵐になったり、
全てが混然一体になったりするんで、
前作が「太陽」のように雄大で無尽蔵のエネルギーがあるような作品だったとするなら
今作は「冬の海」のような厳しさや冷たさに、
底知れない広大さや深遠さや畏怖を感じるような作品と言えるかなと。
前作ほどのインパクトや到達感/炸裂感は無いかもですが、
混沌としつつつも絶妙に混じり合う事で生まれる恍惚感は半端無いですし、
聞けば聞くほど巧さが感じられる深みのある作品だと思う。力作で良作!
「冬の海」のような厳しさや冷たさに底知れない広大さや深遠さや畏怖を感じる、
ヘヴィでメロウで壮絶なポストブラックメタル作品。
◆Deafheaven - New Bermuda
前作がメディアで高評価を受けて、
ブラックメタルを知らないような人にも人気になって、
ブラックメタルをヒップでクールな物にしたが為に、
「こんなもんブラックメタルじゃねー!」と、
コアなメタルファンからは総攻撃を受け、
音楽オタクからはあまりのメディアの高評価ぶりに、
彼等やファンを「ヒップスター(笑)」と蔑み、
最終的にはそんな蔑んで自分をヒップに見せる音楽オタクが、
一番の「ヒップスター(笑)」になってしまったいうオチまで付けた、
いろんな意味で音楽シーンに影響を与えたバンドの新作なんですが、
攻撃的でスラッシーでインテレクチュアルなリフに、
ブラックメタル的なトレモロリフに、
首振りたくなる的な正統派のメタルのバッキングの刻みなどなど、
前作より根っこに「メタル」の影響を強く感じられますし、
ボーカルは相変わらず絶叫しまくりですし、
ドラムも相変わらず「ぱねえ!」の一言で、
速さに手数足数と凄まじく叩きまくっているので、
全体的にヘヴィでメタルでアグレッシブな印象が強いのですが、
ポストロック/シューゲイザーパートでは打って変わって、
絶妙にリヴァーブやディレイ掛けて美しくも儚げにアルペジオ奏でたり、
ドラムが色気とセンスがある感じに音数控え目に叩いて、
甘美で繊細で幻想的な美しさを表現したりしてるように、
緩急やダイナミクスの付け方が更に巧くなっており、
前作にあった壮絶さはそのままに、
よりヘヴィでメロウに深化してますよ!
ヘヴィなパートはよりヘヴィに、
メロウなパートはよりメロウにという、
徹底した拘りから来る、
緩急の効いた巧みな曲の構成は勿論、
エフェクトの使い方や加減の仕方も素晴らしく、
立体的な音の広がり方や空間の生かし方や交わり方なんかは特に秀逸ですし、
The CribsやThe SmithsやYo La TengoやOasis辺りの、
インディーロックの影響が感じられるギターパートがあったりと、
以前より曲がバラエティー豊かになっていて、
いろんな一面や側面が聞き取れますし、
大きな波がうねってたらと思ったら、
急に静かで穏やかになったり嵐になったり、
全てが混然一体になったりするんで、
前作が「太陽」のように雄大で無尽蔵のエネルギーがあるような作品だったとするなら
今作は「冬の海」のような厳しさや冷たさに、
底知れない広大さや深遠さや畏怖を感じるような作品と言えるかなと。
前作ほどのインパクトや到達感/炸裂感は無いかもですが、
混沌としつつつも絶妙に混じり合う事で生まれる恍惚感は半端無いですし、
聞けば聞くほど巧さが感じられる深みのある作品だと思う。力作で良作!