今朝の朝食は豪華です
スパゲティーナポリタン。
目玉焼き。
トースト。
桃入りナチュラルヨーグルト。
桃。
カフェオレ。
今日は土曜日で私も家族も何の予定も無い。
ジェンは10時を過ぎても起きてこない。
遠慮してわたしも、スーザンも朝食を食べないでいたけど、食べようということになった。
「 コーヒーの香りがすると、お父さんは起きてくるから」
とスーザンから言われて、コーヒーを温めているうち
彼は声をかけられて起きてきた。
私は、あらゆる誘いを断って今日は介護に徹するので、りっぱな朝食を作った。
しかしだ!!
箸で食べるスパゲッティと手で食べるトースト、スプーンで食べるヨーグルトは、失敗だった。
使い分けが出来ないのだ。
最初に持たせた箸ですべてを食べようとして、上手く食べれない。
食パンも箸で取るんだ。
シカシ、時間が遅いせいか、ペロりと食べてくれた。
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その後、まもなく二人は昼寝をしていた。
朝おきて、間もない時にだ。
その間私は2階でパソコンを静かに操作していると、
トントン とドアをノックして廊下で待っている人がいた。
なんと、ジェンギンスである。
きちんと姿勢良く立っている。
「 あの、すみません、 わたしは、どうやらここに
ずいぶん長いことお邪魔してしまったようです。
すいませんね。 私も良くわからなくて、すっかり年を取ってしまいました。」
大変丁寧な上品な口調でご挨拶されました。
あまりに可笑しいのでわたしは、
「 わかりました、ちょっとお待ち下さいませ 」
とお辞儀して、ジェンも
「 ハイ、どうぞ 」などと答えて
わたしは、いそいで、マクドウウェルを呼びに言った。
「 ちょっと来てよ!! なんかさ、お客さんが来てるんだよ 」
マクドウウェルは
「 ああ、こんにちは~」 と挨拶する。
ジェンは
「 どうもすみません。 私は朝から長いことここにお邪魔しまして・・・・
私の名前は、ジェンっていうんですが、この近くなんですよ。・・・・・
・・・・・・・・・・・・」 と、 かつて聞いたことも無い丁寧なお言葉で御挨拶され、まったくの他人がよそのお宅で挨拶している風です。
もう、わたしとマクドは大うけです。
私たちの受け答えは、台詞というか、ジェンを馬鹿にしているかのようなもんです。
「 そうですか、では下でお茶でも飲みませんか?
どうぞ、下にいらしてください。
階段に注意して降りてくださいね 」
「 はい、承知しました。大丈夫です」
階下でコーヒーを入れてあげた。
どこからかお土産にいただいた昨日賞味期限だった信玄もちをこまかく切って皿に乗せて差し上げた。
ジェンは、他人の家にいるらしく、「いただきます」 「おいしいです」 「ここは、高沢さんのお宅ですね」 「昔よく、ここのお風呂をいただきに来たことがあります」 と話していた。
お行儀が良く、お皿も上品に手のひらに乗せているし、遠慮もしている。
セキまでいつもの下品な大きなセキじゃなくて、手をあてて、コンコンとセキをしていた。
こんな他人行儀なジェンギンスは初めてだ。
忙しいマクドウウェルも当分彼に付き添った。
その間、スーザンは昼寝が続いているようだった。
いつもは寝ない人で困っていたが、隣の部屋でこんなに会話をしていても、起きてこないので、脳梗塞で死んでいるかな?と思ったが、確認せず寝かせておいた。
そのうち、起きてきた。
睡眠不足だから寝てくれればうれしい。スーザンは絶対人前で寝ない人だから。
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時間があったので、厄介な薬の分類をすることにした。
ジェンの薬を 朝昼晩に小分けして1週間分作った。
いろいろな薬が出ていて、回数もいろいろで絶対混乱するはずだし。
ジェンギンスの薬は上手く分類できた。
スーザンの薬は・・・・・何も飲んでいない!!
かつて、この薬だけは飲まないと脳溢血で倒れるから・・・と言い残したことがあったけれど、飲んでない。
たまっていた薬をずいぶん捨てた。
だいじな薬を飲まないのは困る。。。。
でも、患者をこのようにしてしまったのは
医者です。
不要な薬や、レントゲンや注射をされて、多くの老人が不満に思っていました。
出しすぎだった薬は患者が加減していた時期が多かったのです。
その名残で、医者を信用しない母です。
私も、信用していません。
一週間ごとに薬の分類をする私の仕事が増えました。
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うっかりすると夕方で、夜になりました。
お昼を食べていないので7時の夕食はぺろりと食べてくれました。
おかずはハンバーグです。フライパンを買い換えたら、すごくうまく焼けるようになりました。
だんだん混乱してきた父なので
スーザンから「 早く片付けて!」 といわれましたが
マクドウウェルとめちゃイケを見ていたので
「 ここはいいから、犬の散歩に行って家出して下さい」 と言い、スーザンに消えてもらいました。
平和でした。
私とマクドはジェンギンスが何を言おうが、テレビをみて大笑いしていますから、平和です。
しばらくしたら、スーザンが帰ってきてしまいました。
私は、夕飯の片付けもしないでテレビを見ていました。
スーザンが台所へ食器を片付けてくれました。
なぜ私が手伝わなかったかというと、テレビで「 ふざけてタタク」というお笑いをやっていたので、こういった類を見せると、文句たれてうるさいので、このコーナーが終わる間、片付けてもらいました。
あいにく、このコーナーが終わらないうちにスーザンがテーブルに着きました
「 私はこういうふざけてたたくのは嫌いだよ」 と
早速ちゃんねるを変えられてしまいました。
平和な夜がここで終了です。
ジェンギンスはずっとしゃべっていましたが、「 ぬかに釘」状態で、私とマクドが笑ってばかりいるので
・・とにかくこの状態は平和だったのです。
文句をたれるスーが居ないと、平和です。
ジェンギンスは自由に呆けていられるのです。
ちゃんねるを独断で変えられてしまったので
私は台所の掃除、マクドは2階に上がってしまいました。
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今日は期日前選挙でした。
ジェンギンスは今回初めて投票棄権です。
イッポ外に出たら帰らなくなってしまいそうなので
外に連れ出すことも、何も無理です。
候補者名を書くのも無理です。
代筆という手もありますが、本人はそこまでしてその人に入れたがっているか疑問です。
入れたがっているのはスーザンです。
・・・・だからって家は宗教とか入っていませんから。。、、
スーザンは毎度のことながら
私たちに、書くべき党の名前を言っていました。
数日前まで、「 こいつは頭が可笑しい 」とさえ言っていたのに、今日になって 「日本はこの人しか居ない」 と、まるで私たちに 入れろ と言っているようです。
無視しました。始まった!って感じです。
まったく、まいります。
一言コメント (全 8 )
ユウヒ(yu-hi@gaiax)
私は介護士時代も、よく家でこの状態の人を看ているなと感心させられるご家族の方にあいました。私のように勤務制で短時間看ているのとは違い、1日中付き添うわけですからご家族のよい介護は現場の人には、ほんとにいい勉強になると思います。
ジュニタ(jyunita@gaiax)
介護って、遣った人にしか分からない苦労ってありますよね。我が家のアルツ婆ちゃんも、目を放した隙にあるはずもない家に帰ると言い、勝手に外に出てます。そのへん一回りして暑いから帰って来ますが、本人は出かけた事も忘れています。赤ん坊と違い、人格やプライドだけは残っているから、厄介ですよね。一度なんて、2Fに上がってきて、あまりに悪態つくので、階段から突き落としたくなりました。あんな感情は初めてです。怒りで全身が震えていました。今は自分をコントロール出来るようになったので、私も鍛えられて大人になりました。
みるき(milkie@gaiax)
介護の経験が無い人はよく、そういった言葉をかけるように言いますが、頑固な痴呆には効果の無い言葉です。 教科書にない介護って重要ですよね。 介護を知るには経験ですね。
ユウヒ(yu-hi@gaiax)
「帰る」と言われた時は、「今日は遅いので泊まっていってください」とか、「お天気が悪いので、明日までゆっくりしていって下さい」なんて言葉はよく介護士時代に使いました。でも、なかなか聞いてくれなくて、付きまとわれると他の仕事ができなくなってうよく困ったものです。。
みるき(milkie@gaiax)
ジュニタさん。 「泊まらせて、、、」って言わせるのは助かりますよ。「 帰る 」 ッて出て行って、時間が経ってもなお、どうしても家に入らない苦労が出てきちゃたのです。 すぐに忘れてくれない苦労です。
みるき(milkie@gaiax)
ユウヒさん、医者は処方するだけで詳しく薬の効き目をその目で確かめることはしていないので、なかなか難しいです。
ジュニタ(jyunita@gaiax)
我が家のアルツ婆ちゃんも、「今晩は遅いので、ここの家にとまらせてもらって、明日帰ります。」と挨拶に来ますよ。「どうぞ、そうして下さい」と言ってます。同じですね~
ユウヒ(yu-hi@gaiax)
薬の管理は難しいですね。私も自分でつい加減しちゃったり(ほんとはいけない)、飲み忘れたりします。なかなか、信頼できる医者に出会うのは難しいです。