minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

高校ブラバン時代~ジャズとの出会い~

2006年02月08日 | 家族の日常
 先日、中学時代にサックスを買ったという話を書いたが今回は高校時代のお話です。都立杉並高校というところに入学した私は落語が小さい頃から好きだったので『落語研究部』に入ろうと思っていた。練馬からは遠いという理由でこの高校に行った人はうちの中学からはたった2人だけ。だから入学当時、誰も知り合いのいない中で何故か「あいつはきっとウラバンだ」と評判がたっていたらしい(なんで~?)。ウラバンじゃなくてブラバンなのに...。でも私がソプラノサックスを持っている、という情報をどこかで知った熱血ブラバン男子生徒が「人数少ないし、御願いだからブラバンに入部してくれ~」強力な勧誘で見学に行ってみると10人足らず・・・それでもジャズ好きなサックスの先輩などがいたので仕方なしに入部する事になってしまった。

 高校2年になると、熱血ブラバン男子がブラバンやめる!などと言い出して、なんだかわけがわからないうちに私が部長をやるはめになってしまった。この頃から責任感は強かったんだなあ(自画自賛)。だったら好きな事をしよう、とジャズバンドに変えようと試みたものの、なんせ自分もよくわからない上にそのとき残っていたメンバーがホルン、クラリネット、トランペット・・・やはりジャズのバンドは断念。そのかわりに私は一度やってみたかったティンパニを叩いたり(ショスタコービッチ第5番)ジャズっぽい曲をアレンジしたりと好き勝手やらせて頂きました。すみません。でも初めてコンクールに出場しよう、と言う事になって一番メンバーの少ないCクラスに出て初優勝もしました。Cクラスに出た学校は3校だったけど。(今ではそのブラバンがAクラスで全国大会で優勝するほどの学校になっているらしい。)

 ジャズなんて全く知らなかった私が興味を持ったのも高校1年の頃。当時(今もあるのかな?)連合音楽会という、同じ学区の都立高校吹奏楽が全て集まって一緒に練習し、演奏会をする素敵な企画があった。中学のブラバン仲間たちとも会えるとあって毎日の練習がとても楽しかったのを覚えている。そこで私がソプラノを吹いているのが評判になり、他の都立高校の先輩やジャズ研の大学生たちが「ソプラノサックス貸してくれない?」とサックスがひっぱりだこに(私ではありません)。返してくれる時に「このレコード、聴いてごらん。」とお礼に手渡されたのがジョン・コルトレーンの「My Favorite Things」だった。家に持って帰って自分の部屋でレコードに針を落とした瞬間、マッコイ・タイナーの美しいながれるようなピアノ、そしてあの大好きなサウンド・オブ・ミュージックの中のメロディーが流れてきた。「私、こんな風にサックスが吹けたら死んでもいい!」と思わず感動。毎日のようにレコードをかけ、それにあわせてソプラノをめちゃくちゃだけど吹きまくっておりました。 

 これがマーチとかクラシックしか知らないブラバン少女時代の、ジャズとの初めての出会い。よかった、My favorite thingsで。コルトレーンの「クルセママ」だったらきっと今の私はいないだろう。だって大学時代の友人にコルトレーン良いから聴いてみて!と言ったら何故か「クルセママ」を聴いてしまって、その後友人はジャズが嫌いになってしまったんだもん。