父想う日

ちょうど一年前の今日、父が亡くなった。

朝、私はいつも通り仕事をしてた。
１０時半、会社の用で銀行に行くのもいつも通り。
年末年始は何かと物入りだから、自分の口座からもお金を引き出しておいた。
ふつう、いくらくらい出すものか。。。

最初３万円、思いなおして１００万円。
何故そうしたのか、皆目わからない。
そうしなさいと言われた訳でなし、何かに導かれた気もしない。

必要になる、と確信して引き出した。

そして１１時半に帰社すると、電話が鳴った。
入院している病院からだった。
タクシーでかけつける。
もう意識はなく、ＡＥＤで蘇生を試み必死に人工呼吸していた。
３０分、ずっと父の顔を見て声をかけた。

戻ってこなかった。

１２時１１分。
こういう時は茫然とするものだとわかった。
同室の方がかすれた声でタオルに漏らした嗚咽で急にポロポロと涙がでる。
止まらなかった。

着替えさせるという看護婦さんに促されて部屋をでると、正気にもどった。
そうだ、妹に知らせなきゃ。
電話すると、運転中だという。
そんなぁ…
急に全身の力が抜け、もう立っていられず廊下で坐り込む。
夫にも電話する。
来たらすぐ、葬儀屋さんの手配やら病院との連絡やらやってくれた。

何時間も経ってるのに、そういう経過がよそ事のようだった。
その後の事はよく覚えていない。

長い一日、いやあっという間の一日だった。