Olive☆。.:*:・'゜

つれづれなるままに・・・雑感を

「名画の言い分」

2009-09-17 11:36:16 | 書籍
新聞広告を見て、どんなものか図書館で借りてきました。
絵画を見るのは好きですが、こういう解説書を改めて読むのは初めて。
ということもあって、楽しく、さくさく読み進められました。
まず著者は度々繰り返す
『美術は「見る」ものではなく、「読む」ものです。』
感性で美術を見るのではなく、作品に内在するメッセージや意図を読み解く。まあそれはそうだよな、その作品が作られた時代背景が分からないと理解出来ない部分も多いですものね。絵を見ながら世界史や聖書の授業で習ったことを思い出すことがしばしばあります。

本編で紹介されている106点の美術品が口絵に掲載されているので、説明されていることを絵で確認しながら読めるのがいいですね。
旅先で見たウフィッツイ美術館にあるボッティチェリ「プリマヴェーラ」やミケランジェロの「聖家族」、ピーテル・ビューゲル「狩人たちの帰還」や「農民の婚家」、ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィニ夫妻の肖像」、エドゥアール・モネの「オランピア」、オレクサンドル・カパネル「ヴィーナの誕生」、エドガー・ドガ「プリマ・バレリーナ」などなど、お馴染みの作品が取り上げられていて読み易かったです。

ヤン・デ・ヘーム「花瓶の花」のような静物画も好きなのですが、花の絵には
春夏秋冬の花を同時に描かなくてはならず、枯れた花や昆虫もセットにして
人間の一生を表現している。傲慢(虚飾)に対する戒めを表している。ということを
今回初めて知りました。あとナショナル・ギャラリーで見たクロード・ロランの
「アイネイアスのいるデロス島の海辺」、印象に残っている作品のひとつ。
ロランが理想的風景画の第一人者だったというのも知りました。
オランダ・イタリア・イギリス・フランスと風景画の変遷は勉強になりました。

ただ「ルーブル美術館にあるものは教養がないと理解出来ない、歴史画中心のコレクション
だけれど、オルセー美術館にあるものは教養がなくても楽しめる作品が多い。」だから
フランス人のまでは「ルーブルは面白かったけれど、オルセーはつまらなかった。」と
言うように。。。といった箇所はちょっとどうなのかなと思ってしまいました。
上辺だけ取り付くってもすぐ中身がばれそうな気がします。
コメント
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