肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

240617FMアップルきっときっと

2024年06月17日 | FMアップル ニュースJapan

240617FMアップルきっときっと


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○#FMアップル #B型肝炎訴訟 応援枠 2024年6月17日(月) 午後4時から30分
https://www.youtube.com/@FM-su4ph
エリア外はインターネットで見れますので是非生中継みてください。
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肝がん検診団では各地での医療講演を実施、脂肪肝や脂肪肝炎、肝炎の最新治療や食事の重要性、肝がん検診を知っていただくことをメインに活動を継続しています。B型肝炎キャリアの現実 弁護団YouTubeで2021.12.14より動画配信中。
https://www.youtube.com/watch?v=chavsU3Gfzs&t=1045s
にこたま療法の臨床研究の検討をしています。
学研からにこたま療法の本が2024年6月27日発売予定となりました。

加藤先生方が出した本の紹介をしてきました。
禁酒を頑張らなくても肝機能がみるみる強まる食べ方飲み方大全
お勧めです。

啓発活動
全国B型肝炎訴訟北海道地方裁判所、期日予定
除斥問題解決訴訟
今後、これらの集会や傍聴について、支援者の皆様へのご協力をお願いするかどうかについては、決まり次第、お知らせいたします。肝がん検診 6月13日(木)名寄10名受検

○元気で長生き医療講演&前後療養相談in遠軽
2024年5月23日(木)午後4時〜40分
遠軽町芸術文化交流プラザ
住所 遠軽町岩見通南1丁目
5月22日までに申し込み必須 
医療講演11名 無料療養相談講演前後5名
医療講演テーマ
血圧・血糖値・コレステロールが気になる方に
レジスタントスターチも効果的
「にこたま療法」伝授します
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今後の予定
6月22日(土) 遠軽町 保健福祉総合センター 5/23〜6/6
6月23日(日) 北見市 北見消化器クリニック 5/23〜6/6

元気で長生き医療講演&肝炎ウイルス検査脂肪肝エコー体験 組み合わせ色々
肝炎ウイルス検査 脂肪肝エコー体験 無料です 医療講演
申込み必要
前日までに申込みが必要です。是非ご活用下さい。

○肝炎ウイルス検査&脂肪肝エコー無料体験 in 手稲区 北区
6月19日までに申込みが必要です 手稲予約終了
①日時と場所:令和6年6月20日(木) 申込み終了
 午後1時半〜2時半まで(受付1時50分まで)
 札幌市手稲区民センター第2会議室
②日時と場所:令和6年6月24日(月) 受付継続
 午前10時半〜11時半まで(受付10時50分まで)
 札幌市北区民センター3F講義室
問合せ申込み先 肝がん検診団
   011-728-1008

○元気で長生き医療講演&肝炎ウイルス検査&脂肪肝エコー無料体験
日時 2024年7月29日(月)午後1時〜2時半(受付1時20分まで) 医療講演1時半から40分くらい
 7月26日(金)までに申し込み必要          
医療講演 無料療養相談講演前後 
医療講演テーマ 共通
血圧・血糖値・コレステロールが気になる方に
レジスタントスターチも効果的
「にこたま療法」伝授します
演者からのメッセージ
健康雑誌でも紹介された「にこたま療法」食事の大切さ、脂肪肝や高血圧や糖尿病などの生活習慣病対策にはもちろん、ボケ防止、がんの予防、お米大好きな人には必見レジスタントスターチについても話します。
講師 肝がん検診団団長 肝臓クリニック札幌院長 川西 輝明
申込み必要です。申し込みお問合せ先 肝がん検診団 011-728-1008
希望者多数の場合は講演会参加者優先にて先着順となることをお許し下さい。
肝がん検診団企画と 一般法人社団北海道B型肝炎訴訟オレンジ基金の助成により実現しました。

元気で長生き医療講演 in 桑園 水色の木もれ陽研修センター 申込み必須   
日時 2024年6月25日(火)
午後1時〜60分間 6月21日(金)までに申し込み必要
○塩を知ることからはじめませんか? 60分
   〜からだに大切なミネラルの話し〜
 講師 健康回復学研究所所長 工藤 清敏
工藤清敏先生
 精神免疫学をページ・ベイリー博士に学び、心と体に最も優しい治療法を探求し「免疫力が強くなる言葉の法則」を出版。生き方、考え方、言葉と塩と酵素で体が回復していくことを伝えている。世界中から良い塩を集めてブレンドした「神宝塩」の生みの親。
場所 水色の木もれ陽 研修センター
住所 札幌市中央区北11条西15丁目2-1
    桑園メディカルプラザ3F
共催 肝臓友の会はるにれ会 肝がん検診団
後援 北海道肝炎患者対策協議会
参加無料 申込み必要
 肝がん検診団 011-728-1008
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肝がん検診は 準備中 011-728-1008
2024年日程 実施地域 会場 受付開始日〜受付締切日 と並んでいます。
4月13日(土) えりも町 えりも町役場保健センター 3/14〜3/28
4月14日(日) 帯広市 帯広中央病院 3/14〜3/28
5月23日(木) 岩見沢市・新篠津村 ホテルサンプラザ(岩見沢市) 4/25〜5/9
5月25日(土) 滝川市 ホテル三浦華園 4/25〜5/9
5月26日(日) から6月13日(木)に変更 名寄市 市民文化センター 5/16〜5/30 
6月22日(土) 遠軽町 保健福祉総合センター 5/23〜6/6
6月23日(日) 北見市 北見消化器クリニック 5/23〜6/6
7月13日(土) 枝幸町 枝幸町保健福祉センター 6/13〜6/27
7月14日(日) 稚内市 サフィールホテル稚内 6/13〜6/27
7月25日(木) 札幌市(桑園)水色の木もれ陽研修センター 6/27〜7/11
9月14日(土) 斜里町 総合保健福祉センター 8/15〜8/29
9月15日(日) 上川町 かみんぐホール 8/15〜8/29
10月19日(土) 厚沢部町 厚沢部町保健福祉センター 9/19〜10/3
10月20日(日) 北斗市 七重浜住民センター 9/19〜10/3
11月 9日(土) 苫小牧市 苫小牧市民会館 10/10〜10/24
11月10日(日) せたな町 せたな町健康センター 10/10〜10/24
16カ所17回予定
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シンガーソングライターあきのギター弾き語り付きは きっときっと
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禁酒を頑張らなくても 肝機能がみるみる強まる 食べ方 飲み方大全 加藤先生著

2024年06月17日 | 脂肪肝・脂肪肝炎


加藤先生が肝臓を元気にすることになる食べ方飲み方をまとめた本を出しました。

泉先生や栗原先生、川口先生など第一線で患者さんたちと診療を続けている先生方の知恵がいっぱい詰まっております。とても勉強になります。肝臓を元気にしたい方には是非読んで欲しい一冊。肝臓専門医も患者さんとよく話す内容がまとまっていてわかりやすい説明をするためにも勉強になるかも。わたしもためになりまくりでした。

以下版元ドットコムから
禁酒を頑張らなくても 肝機能がみるみる強まる 食べ方 飲み方大全
加藤眞三カトウシンゾウ(/)
発行:文響社
A5判 144ページ
定価 1,680円+税
書店発売日2024年5月9日
紹介
 肝臓は人体で最大の臓器でありながら「沈黙の臓器」といわれるほど我慢強い臓器。多少異常があっても自覚症状がほとんどないため、健康診断で肝機能障害と指摘されても放置してしまい、重大な病気に進行する人が少なくありません。
 肝臓の病気で最近特に注目されているのが、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」です。なんと日本人の3人に1人は「脂肪肝」という報告もあり、今や隠れた国民病といわれています。脂肪肝は放置すれば怖い肝硬変や肝臓がんに進行する疾患ですが、早期に食事や生活習慣を見直すことで驚くほどの改善が期待できます。
 脂肪肝の主な原因は飲酒や肥満ですが、いきなり断酒やつらいダイエットに取り組むのは大変です。そこで本書では、急な断酒ではなく「まずは節酒から」を推奨。きつい食事療法やつらい運動なしに肝臓から脂肪を落とす食べ方や飲み方について、肝臓病の名医がさまざまなメソッドを伝授します。
 また、最近世界的に急増して問題になっている、お酒を飲まなくても脂肪肝になる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/MAFLD/MASLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH/MASH)についても解説。そのほか、健康診断で目にするけれど実はその意味がよくわからないγ-GTPやALT(GPT)、AST(GOT)などの肝機能の検査値の読み方から肝機能が強まる生活術まで、肝臓のセルフケアを幅広く網羅した一冊です。

著者プロフィール
加藤眞三  (カトウシンゾウ)  (著/文)
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。1985年、同大学院医学研究科修了。米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部内科Research fellow、慶應義塾大学医学部消化器内科助手、都立広尾病院内科医長・内視鏡科科長、慶應義塾大学医学部消化器内科専任講師を経て、2005年に慶應義塾大学看護医療学部教授に就任。2021年より上智大学グリーフケア研究所客員所員、エムオーエー高輪クリニック院長。主な専門領域は内科学、消化器内科学、肝臓病学、アルコール性臓器障害。1992年から「肝臓病教室」を開くなど、患者さん目線に立った医療への道を模索し、社会や市民への発信にも力を入れている。日本内科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会などに所属。『患者の生き方 よりよい医療と人生の「患者学」のすすめ』『患者の力 患者学で見つけた医療の新しい姿』(春秋社)、『脂肪肝・NASH・アルコール性肝炎の安心ごはん』『慢性肝炎・肝硬変の安心ごはん』(女子栄養大出版部)など著書・監修書多数。




糖尿病のある方に増える可能性のあるがん 2024年 第67回日本糖尿尿病学会より ケアネットさんから

2024年06月17日 | 学会研究会報告新聞記事など

糖尿病のある方に増える可能性のあるがん 2024年 第67回日本糖尿尿病学会より
糖尿病を持っている患者さんたちでどのようながんが増えやすいかという分析をしたところ、肝臓がん、膵がんがやはり高い数値となっていました。

以下ケアネットさんの記事がまとまっていたので見ていただければ幸いです。

糖尿病とがんの相互関連性、最新の知見は?/日本糖尿病学会     
公開日:2024/06/17
 近年、糖尿病とがんの相互関連性が着目されており、国内外で研究が進められている。日本では、2013年に日本糖尿病学会と日本癌学会による糖尿病とがんに関する委員会から、医師・医療者・国民へ最初の提言がなされた。糖尿病は全がん、大腸がん、肝がん、膵がんの発症リスク増加と関連するとされている。5月17~19日に開催された第67回日本糖尿病学会年次学術集会で、シンポジウム11「糖尿病とがんをつなぐ『腫瘍糖尿病学』の新展開」において、能登 洋氏(聖路加国際病院内分泌代謝科)が「糖尿病とがんの関係 2024 update」をテーマに講演を行った。講演の主な内容は以下のとおり。

糖尿病患者はがん死リスクが高い
 日本での2011~20年における糖尿病患者の死因は、多い順に、がん(38.9%)、感染症(17.0%)、血管障害(10.9%)となっている1)。糖尿病患者のがん死リスクは一般人よりも高く、糖尿病により発がん・がん死リスクが増加する可能性が注目されている。糖尿病を有するがん患者は生命予後・術後予後が不良であることがメタ解析で示されている。能登氏によると、糖尿病とがんはさまざまな要因を介して相互関連しているという。
 糖尿病に伴うがんリスクの倍増率に関する研究によると、糖尿病がある人では、ない人と比べて、がん死リスクは1.3倍、がん発症リスクは1.2倍増加していることが示されており2)、能登氏は、がんは糖尿病の「合併症」とまでは位置付けられないが、関連疾患、併発疾患としては無視できないと述べた。糖尿病に伴う発がんリスクのがん種別では、海外のデータによると、リスクが高い順に、肝がん(糖尿病がない人と比べて2.2倍)、膵がん(2.1倍)、子宮がん(1.6倍)、胆嚢がん(1.6倍)、腎がん(1.3倍)、大腸がん(1.3倍)などが並んでいる2)。国内のデータによると、肝がん(2.0倍)、膵がん(1.9倍)、大腸がん(1.4倍)となっており3)、主に消化器系の発がんリスクが有意に高いことが判明した。
 また能登氏は、上記の海外のデータにおいて、糖尿病を有する男性の前立腺がんの発症率は通常の0.8倍となっており、前立腺がんにはなりにくいことを興味深い点として挙げた。これは、糖尿病の場合はテストステロンが低くなることと関連しているという。

糖尿病患者のがん発症メカニズム
 現在想定されている糖尿病により発がんリスクが高まる機序について、能登氏は解説した。高血糖と高インスリン血症という主な2つの因子が、正常細胞をがん化し、がん細胞を増殖させていくと考えられている。また、高血糖により血中酸化ストレスが増加すると、染色体にダメージを与え、正常細胞ががん化する。さらに、高血糖自体が細胞増殖のエネルギーとなり、がん化した細胞の増殖が促進される。また、インスリンは直接的に発がんプロモーションに関与する。IGF-1という成長因子を介して間接的にも発がんを促進すると考えられている。さらに最近の研究によると、mTOR経路ががんに関わってくる遺伝子を促進したり、あるいは、正常細胞は発がん細胞を抑制しようとする細胞競合という機能を持っているが、インスリンによって細胞競合機能が抑制されてしまうことで、がん細胞が増殖しやすくなったりすることが判明した。また、糖尿病や肥満は全身的な炎症が慢性的に存在する。この炎症が、発がん・がんの増殖により拍車をかけることが考えられるという。最近では、さまざまな糖尿病治療薬が、発がん・がんの増殖に対して関連しているという仮説もあり、研究が進められている。
 能登氏は、高血糖と高インスリン血症はどちらが発がんに影響しているかについて、以下の研究を取り上げて解説した。米国の研究によると、糖尿病患者は、糖尿病の発症から5~10年後に発がん倍率が1.3倍のピークを迎え、その後は低下するという。インスリン分泌能をC-ペプチドに置き替えてみると、発がん倍率とほぼパラレルな推移が認められる。一方、HbA1cで示される高血糖は、10~15年後にピークに達する。そのため、発がんへの影響は、高インスリン血症のほうが主体であることが推測されている4)。
 一般的に欧米人よりもアジア人のほうがやせ型の人が多く、肥満度が低い。肥満は高インスリン血症を引き起こすため、肥満のほうが、発がんリスクが高くなると考えられている。しかし、能登氏らが実施したアジア人を対象とした調査によると、アジア人糖尿病患者の発がんリスクは低いだろうという予想に反して、男女共に、欧米人よりもアジア人のほうが発がんとがん死リスクが高いという結果になった5)。高血糖と高インスリン血症のがんへの影響は人種によっても変化する可能性がリアルワールドデータにより示唆された。
 能登氏はここで、データ解釈上の注意点があることを指摘した。糖尿病患者は高齢・肥満によりがん発症リスクが高まるという交絡因子があるが、これは解析時に調整することができる。一方、糖尿病患者は日頃から検査を受けることが多いため、がん発見率も高まる。この「発見バイアス」は考慮しなければならない。実際のがん発症リスクは、前述の数値よりも低いであろうという。また、がん患者は糖尿病になりやすく、実は膵がんを先に発症し、それが糖尿病を引き起こしていたが先に糖尿病が診断されたという因果の逆転も考えられる。その点に気を付けて解釈をしなければならない。

血糖変動幅を小さくすれば、がんリスクは低下するか?
 高血糖ががんのリスク因子であるならば、血糖コントロールをよくすれば、がんのリスクは低くなるのかということについて、海外での心血管疾患に関するメタ解析の副次結果が提示された。発がんリスク、がん死リスクのいずれも、厳格な血糖管理をしても、がんのリスクは下がらないということが示唆された6)。また、能登氏らが実施した日本人を対象としたHbA1cと発がんリスクに関する研究によると、HbA1cが5.5~6.4%を基準値として、それよりも血糖コントロールが悪くても、発がんリスクはほとんど変わらなかった7)。
 さらに踏み込んで、HbA1c変動と発がんリスクに関するデータでは、HbA1cの変動幅が大きい人ほどがんリスクが高まることが判明した8)。また、アジア人を対象とした海外のデータでも、発がんリスク・がん死リスクともに、HbA1c変動幅が大きいほうが、リスクが高くなることが明らかとなった9)。
 ただし、観察研究で関連性が示されても、バイアス残存などのため因果関係にあるとは限らない。また、因果関係にあっても、是正・予防によりリスクが低下するとは限らないという。現時点では、HbA1cの変動幅はがんリスク評価マーカーとして活用するのが妥当で、Time in Range(TIR)もリスク評価マーカーとして有用かもしれない。

がんと糖尿病に共通するリスク因子:食事と運動
 能登氏は、がんと糖尿病に共通してリスクを上昇させる食事例として、赤肉・加工肉の過剰摂取、高Glycemic index(GI)食摂取を挙げ、逆にリスクを下げる食事例として、野菜、果物、食物繊維、全粒(未精白)穀物、魚をカロリーやバランスの管理をしたうえで摂取することを挙げた。
 糖質制限・低炭水化物食には、以下のような功罪があるため慎重に行う必要がある。
・血糖コントロール・減量に有効だが、1~2年で効果消失する。
・糖尿病発症リスクは変わらない(J-カーブ示唆)。
・さらに、極端な食事制限を長期間続けると、総死亡・がん罹患/死亡・心血管死亡が増加することも報告されている。
 ある日本の観察研究によると、運動量とがんに関しては、運動量が多いグループほどがんリスクが低下することがわかっているため10)、運動ががんの予防につながる可能性があると能登氏は述べた。ただし、ベースラインにおいて、元々身体的な制限があるため運動できない人や、逆に元から健康志向が強い人が含まれるといった交絡因子が含まれることも考慮しなければならないという。
 最近では、国内でも保険適用による減量手術がある。食事・運動を介さずに手術で劇的に短期間で減量した場合も、糖尿病とがんのリスクを劇的に減少させることが報告されている11)。体重を減らすことが非常に重要であることを示すデータとなっている。

糖尿病治療薬はがんリスクに影響するか?
 高インスリン血症はがんのリスク因子となるが、インスリンを治療薬として使用する場合は、がん死リスク・発がんリスク共に変化がないことがわかっているという12)。インスリンにより血糖値が劇的に下がるため、リスクが相殺されて、リスクがプラスにもマイナスにもならないのではないかと推察されている。そのほかの糖尿病治療薬とがんリスクについては、エビデンスは限定的だが、メトホルミンはがんリスクを低下させる可能性がある。ピオグリタゾンは、投与された患者で膀胱がんの発生リスクが増加する可能性が完全には否定できないので、膀胱がん治療中の患者には投与を避けることと添付文書に明記されている。
 日常診療では、糖尿病とがんに関する日本糖尿病学会と日本癌学会による医師・医療者への提言を参照のうえ、性別・年齢に応じて適切に科学的に根拠のあるがんのスクリーニングを患者に受診するよう促す必要がある。

がん患者における糖尿病
 能登氏は最後に、日本での糖尿病を有するがん患者の割合を述べた。糖尿病を有するのは、全がん患者の20.7%、男性では21.8%、女性では19.4%。肝がん患者の32.1%、膵がん患者の31.7%が、糖尿病を合併している13)。なお、日本の一般成人の糖尿病有病率は15%程度である。
 また、韓国で実施されたコホート研究によると、がんの既往がない人と比べて、がんの既往のある人・現在がんに罹患している人は、がん全般で糖尿病発症リスクが35%高まることが示された14)。とりわけ膵がんでは5.15倍に跳ね上がる。デンマークで実施されたコホート研究も韓国のデータと同様に、膵がんの糖尿病リスクが5倍となっている15)。
 能登氏は今後の課題として、がんに伴う糖尿病リスク増加機序と経過の究明や、最適な治療法・コントロール目標値・医療者連携の確立を挙げ、研究を進めていきたいとまとめた16)。

■参考
1)中村二郎ほか. 糖尿病. 2024;67:106-128.
2)Ling S, et al. Diabetes Care. 2020;43:2313-2322.
3)春日雅人ほか. 糖尿病. 2013;56:374-390.
4)Hu Y, et al. J Natl Cancer Inst. 2021;113:381-389.
5)Noto H, et al. J Diabetes Investig. 2012;3:24-33.
6)Johnson JA, et al. Diabetologia. 2011;54:25-31.
7)Kobayashi D, Endocr Connect. 2018;7:1457-1463.
8)Saito Y, et al. Cancer J. 2019;25:237-240.
9)Mao D, et al. Lancet Reg Health West Pac. 2021;18:100315.
10)Inoue M, et al. Am J Epidemiol. 2008;168:391-403.
11)Adams TD, et al. N Engl J Med. 2007;357:753-761.
12)ORIGIN Trial Investigators. N Engl J Med. 2012;367:319-328.
13)Saito E, et al. J Diabetes Investig . 2020;11:1159-1162.
14)Hwangbo Y, et al. JAMA Oncol. 2018;4:1099-1105.
15)Sylow L, et al. Diabetes Care. 2022;45:e105-e106.
16)後藤温ほか. 糖尿病. 2023;66: 705-714.

(ケアネット 古賀 公子)