JDDW2016年(日本消化器病学会週間っていって消化器関連の学会が一斉に集まる学会で、消化器をしてる先生が国内で一番集まる学会です。この時期に休診になる先生が沢山いますねえ)に参加してきました。今回は、C型肝炎の治療後の肝がんの発生についてのセッションがたくさん。
基本的には発癌を抑制していることがインターフェロン、飲み薬とも言えるかと思いました。海外で飲み薬の治療で返って肝がんが出るようになったのではないかという指摘もあるのですが、JDDWではそれは言えるデータはないと感じました。
ある病院のデータでは、飲み薬とインターフェロンでは発がん抑制効果に差は出なかったと言っていました。
効果がなかった患者さんでは、年率7.9%の発癌があるが、ウイルスが消えた人での分析では、飲み薬の患者さんは年率2.8%、インターフェロン使った患者さんは2.2%でウイスルが消えた人同士の比較では有意な差はなかったそうです。数字だけ見るとインターフェロンの方が効果あるみたいに見えるのですが、統計学的には差はなってことなんですね。
これは、インターフェロンと飲み薬の時期も患者さんの背景も違うので、そういった意味でも比較は難しいんだけど。そこを揃えての検討って大変なんですよね。
武蔵野赤十字では、できるだけ患者さんの背景を揃えて報告していて、そこからは、飲み薬だけの治療をした患者さんは、すでに発癌のリスクの高い方が多く含まれていたと言うことでした。ちなみにインターフェロンでSVRになった患者さんは567例 のみ薬でSVRになった患者さんは658例とすでにインターフェロンの効果あった人を抜いているってことで、これまたびっくりでした。治療をする患者さんの数の増え方は本当に早いです。
また別の病院では、ウイルスが消えたあと、肝がんができやすくなる因子って言う分析では、治った後四年以上たった人で肝がんが出やすくなる人に糖尿病がある方は要注意って発表もありました。これは、肝臓が良くなると食べ過ぎて糖尿病になるなんて人もいまはでてきているので、食事をきちんと見直して、肝臓にいい食習慣を身につけることが重要だとも言えます。
東大の発表では、ウイルスが消えて肝臓の病気以外で亡くなる患者さんが2割になってきていると本当にそう言う時代になってきましたね。ウイルス治療の効果なのか、東大では、肝がんの患者数が4割弱の減少になっているそうです。ちなみに緑愛では6割強の減少になっています。北海道での助成制度のおかげか少量長期のインターフェロンの頑張りの成果なのかなあと思います。数が少ないので比較検討はできないけど。減っているのは確実なんですよね。
また、最近は、肝臓病があることで、骨や筋肉などの低下が起こるサルコペニアという病態が注目されています。元気で長生きするためにも骨や筋肉を維持することが重要。食事運動の大切さがまた見直されてきています。そういう意味でも骨や血管のチェックしていく重要性が増していると言えますね。
写真は学会での朝勉強会でのお弁当と福岡へ移動中に手に入れたふぐの骨せんべいとミックスジュース美味しかったです。