ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

樹を伐る。(草刈も)

2012年09月21日 | 日記
山はすっかり秋。

鹿が鳴いています。繁殖期になると雄鹿の切ない遠吠えが響きます。





通勤路の栗もはじけています。道に落ちている栗は車に轢かれる前に失敬。




何日かかけて工房の庭の整備をしました。




草刈前の写真。↑

草にしていても特に支障はなかったのですが、
これから年内にする仕事の木取りをしてしまおうと思っているので、
材木をいじるにも多少不都合です。体裁も少しは気にします。


まずはエンジン草刈り機で伸び放題の草を刈る。2メートルほどに伸びた草としばし格闘。
バッタだのカマキリだの、虫がどんどんと逃げてゆく。いつも愛でているので、ちょっと胸が痛みます。

置いてあったパレットをどかしたら、蜂がどっと飛び出して大慌てで逃げる!
刺されずに済んで一安心。
そうそう、この時期は蜂が一番怖い。
巣の主はホソアシナガバチでしょうか。



巣にはもう幼虫も卵もないようです。
巣があったところにはしばらく蜂がうろうろしていて近づけません。




今回は、立ち枯れのアカシアを伐らねばなりません。倒れたら危ないので。
切るのは庭の真ん中の一本と、入り口の1本の合わせて2本。

庭の真ん中に2本のアカシアが立っていましたが、そのうち1本は春先に嵐で倒れました。
その残った1本も葉っぱがちょろりと生えているのみ。↓





もう1本は工房の入り口に生えてて、完全に枯れています。↓





電動のチェーンソーしか持っていないので、コードリールを伸ばして使います。

実は樹を伐り倒すのは初めてです。人が切るのは見ています。
樹を伐採するのはとても危険な作業で、恐ろしい話はたくさん聞いています。
どこに倒すか、木の傾きを観察し、退路を確保し、なぜか自転車のヘルメットを着用して作業に臨みます。





受け口を付けます。3分の2くらい切っても木はびくともしませんが、
しょっちゅう見上げながらの慎重な作業。





どっすんと、一本め。思ったとおりに倒れてホッとします。





こちら2本め。細い立ち木に寄りかかって止まってしまいました。
下に行ってその木を切るわけにはいかないので、しばらく放っておきます。
切った木は最終的には薪にする予定。






草刈、伐採の終わった工房の庭。やれば気持ちがいいです。
でも、いつも眺めていた樹木がなくなると寂しい気もします。



こういう作業をするとカレル・チャペックの「長い長いお医者さんの話」の一節を思い出します。
木こりが陰気な森を伐採して、お姫様の病気を治す話。
実際、山村では家の周りには樹を生やしません。日当たり重視だから。
軽井沢などに納品に行くと、家の周りは林です。雰囲気はいいですが、多分しけっぽいでしょう。







工房の庭のはずれに放置された二階建のプレハブがあります。
だんだん葛だの蔦だのに覆われていくのを長年見ています。
「天空の城 ラピュタ」の廃墟のようになっていってます。
もうすぐ森に食われそうです。(それは違う話か。)