ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

写真撮影

2013年07月19日 | 木工
想像の森 上野村フェティバルの宣伝用撮影がありました。

上野村クラフトフェア

九月に上野村で開催されるクラフトフェアです。







撮影場所は「旧黒沢家住宅」という国の重要文化財です。
建てられたのは18世紀、板葺が特徴の建物です。
観光の紹介とイベントの宣伝を兼ねようという狙いです。
何点か家具を持ち寄り、撮影場所も変えて何点も撮りました。


村に20年も住んでいながらも、ちゃんと入ったことがなかったかも。
地元のことなんてやはりそんなものかな。




暗く、光源も限られている場所で自分の作った家具を見ていて思ったことがあります。
ちょっと細かい話ですが。

私の家具は、広葉樹の無垢材の木目のきれいなものを選び、刃物を使って仕上げ、
オイルフニッシュという塗膜の付かない自然の風合いの塗装をしています。
そのせいか、光線の当たり方で色合いや表情が変わって見えてくるのです。

木はいわば繊維の塊です。
板の表面とは、木の繊維、導管師管などが束になって形成された塊をスパッと切って作った断面なわけです。
そこに光が当たるとプリズムの様に光が乱反射します。
そのため、木の繊維がどのような向きなのかが見た目に大きく影響します。
木の向きが縦の場合と横の場合で色の濃さが違って見えます。
繊維の断面が上向きなのか、下向きなのかでも違って見えます。
これは例えば、今見ている板をくるっと上下反対にすると、もう違って見えるということです。

そして塗装がオイルフィニッシュであることもこの現象の大きな要因です。
塗膜が薄いため、木のこの特徴が大きく現れます。
顔料を含んだ着色剤を塗ったような木ではこのようなことが起きないことは明らかですね。

外国の木工雑誌などにはこの現象がたまに取り上げられます。
この特徴を逆に生かした作品作りも盛んなようです。
木の方向や表裏を変えて模様を作るような取り組みです。

身の周りではそんな話をする人に会ったことがありません。
自分でも、そこまで気にして作り出すとかなりの神経衰弱になりそう。
でもこのことは頭の隅で覚えておいて木を扱いたいと思います。






最後に外でも撮影。







工房では、イスとストゥールが出来上がりました。





例によって、できた部材の記念撮影。





こんな椅子と




こんなストゥール。


どちらも座高が33cmほどの低さです。
これに合わせて高さ60cmのテーブルも作ります。