ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

木の座のロッキングチェアー

2014年05月15日 | 木工
カエル池のその後。




先に産まれた卵が孵ってオタマジャクシになった後に、また産卵があったようです。
その卵隗に、先に産まれたオタマが群がっていました。
どうも食べているようです。
一週間ほどでその卵隗はなくなってしまいました。
遅いタイミングで産卵すると、その卵は生き残れないということです。
今年は大雪でタイミングを逃した個体がいたのだとは思いますが、自然界は厳しいです。
樹上の水たまりでオタマジャクシを養うヤドクガエルは、母親が餌として卵を産んであたえるといいますし。
気のせいでしょうか、今年のオタマジャクシは成長が早いかも。







製材した板が来てしまった。
積んで干さなきゃ!
しかし忙しくてできない。困った。重いし。







さて、10脚ほどの椅子がやっとできそうです。
ちっと時間がかかりすぎですね。



板の間がいっぱいになりました。


今回はいくつか工程に工夫をしてみました。

今までは、例えば磨きなら磨きをまとめてして、組み立ては組み立てでまとめてしていました。
今回は3脚くらいを磨いて、組み立てて、といったように進めてみました。
この方法の利点はいくつかあります。
まず、飽きにくい。同じ工程を何度か繰り返すので、作業の流れをつかみやすい。
そして組み立てに使うクランプなどの道具が足りなくならない、など。



もう一点の工夫。
今まで枠を組み立ててから仕込んでいた木の座面を枠を組む時に入れてみました。




枠を組んでしまうと、曲がった肘かけの柱が邪魔で、座面を入れるのがなかなか面倒でした。
では今までなぜ先に入れなかったかというと、寸法をきちんと出すことに自信がなかったから。
出来た物に実物を入れる方が間違いはありませんから。
しかし、これもちゃんと寸法を追って作ればいいだけのことで、やってみればそうたいしたことではありませんでした。





もちろん、座繰りも加工しておきます。




座繰りについて、思うことを少々。

お尻とか、背もたれのフィット感は、曲率が大事だと思っています。
座面のカーブとお尻や背中が合えば良いわけです。
座面をうっすらと掘って、縁だけ皿状になっているようなものを見ますが、それではかっこだけです。
しかしあまり深すぎる座繰りも、座る人の自由度を邪魔するので問題です。
中心に峰がある座繰りもかっこうはいいですが、お尻に痛いです。私はやめました。



出来たもの。




左がロッキングチェアー、右は普通のダイニングチェアー。
ロッキングチェアーは弓状の背もたれの部材が幅広で、座面の部材も厚いものを使っています。
これはもちろん見た目をゴージャスにするためなのですが、座面が厚いのは深く座繰りをするためです。
ロッキングチェアーは安楽椅子で、ゆったり座るものだからです。
逆にダイニングチェアーはあえて座面を薄く作っています。
それはなるべく軽くするためです。
ロッキングは持って運ぶような使い方はしないはずですが、ダイニングは座るたびに引いたり動かしたりします。
軽く作らないと奥様方に叱られます。





せっかくですので、ペーパーコードのものと並べてみました。
座面以外は同じ形です。
しかし座高を同じにする必要があるので木の座面が乗る分、枠を下げて作ってあります。
ペーパーコードの座枠は下に弓なりになっていますが、木の座の枠の方は上に弓なりに削ってあります。






こちらは両肘と片肘のセットのもの。
ご夫婦のご注文です。