宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

高速回転する超大質量ブラックホール

2013年03月01日 | 宇宙 space
JAXAのX線天文衛星“すざく”を用いた研究で、
銀河中心にある超大質量ブラックホールが、
高速で回転していることが分かったんですねー
中心に活発な超大質量ブラックホールが
存在する銀河“NGC 7469”(右上)


ブラックホールから噴き出すジェット

多くの銀河では、
その中心に太陽の数百倍から数十億倍の超大質量ブラックホールが、
存在しています。

とくにクエーサーのような場合には、
光速に近い速度で噴き出す細いジェット流のような、
激しい現象をもたらします。

こうしたジェット流は、
ブラックホール周囲の熱い円盤(降着円盤)に物質が積もっていくことで、
発生すると考えられています。

近寄ると引きずりこまれてしまうブラックホールですが、
その周辺には円盤があり、ブラックホールへ落ちていく物質との相互作用によって、
エネルギーや物質が放射されているんですねー

ブラックホールを特徴づけるパラメータ

これには質量のほかに自転などがあります。

今回、ハーバードスミソニアン天体物理センターでは、
“すざく”を用いて25個の銀河の活動銀河核を調査。

そして、ブラックホールの自転について2つの結論を得ました。

1つは、
超大質量ブラックホールのほとんどは、実際に光速で自転しているといくこと。

物質が、どのようにブラックホールへと降着するかによって、
自転は速くも遅くもなります。

でも、高速自転しているという研究結果からは、
超大質量ブラックホールへの物質降着は、
持続的かつ安定的に発生しているということになるんですねー

もう1つが、
銀河核からの電波の強さとブラックホールの自転との間には、
直接的な関係がないことだそうです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ X線天文衛星“すざく”の通信に問題発生