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モバライダー mobarider

地表の調査から分かるエウロパの海

2013年04月14日 | 宇宙 space
NASAジェット推進研究所の研究チームが、木星の衛星エウロパの地下にあるとみられる海から、地表に塩水が出ているという強い証拠を見つけました。







1988年に
NASAの探査機“ガリレオ”が
とらえた衛星エウロパ






衛星エウロパの表面は氷で覆われているのですが、
その100キロ地下には液体の広大な海があると考えられています。
そして、そこは生命がいる可能性がたびたび取りざたされる、天体の1つになっているんですねー

研究チームはハワイにある口径10メートルのケック2望遠鏡の、分光観測データを詳しく調べてました。

すると、エウロパの木星に向いていない側の赤道付近に、これまで見つかっていなかったわずかなスペクトルの吸収が見られたんですねー

さまざまな検証の結果、どうやらこれは“瀉痢塩(しゃりえん)”と呼ばれる、マグネシウムの含水硫酸塩鉱物であることが分かりました。

地下の海から地表に出てきた塩化マグネシウムと、
同じく木星の衛星イオの火山から、木星の磁場に沿って流れついた硫黄とが反応して生成されたもののようです。












衛星エウロパの地表と
地下の海のイメージ図
右上は木星、
中央奥は木星最大の衛星イオ










今回の研究の結果は、エウロパの海が閉じた場所ではなく地表とつながっていて、化学的な物質交換が行われているということを示しています。

これは、エネルギーが海に注ぎ込まれているということを意味するので、生命の可能性を考えるうえで重要なことになります。
そして地表を調べれば、地下の海のことが分かる っということにもなります。

生命の可能性を秘める海を探るヒントを、地表の調査から得れるかもしれないんですねー