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打ち上げは来年3月! 輸送が始まった火星探査機“エクソマーズ2016”

2015年12月01日 | 火星の探査
打ち上げは1度延期されていた

2016年3月に打ち上げが予定されている、
火星探査機“エクソマーズ2016”の輸送準備が始まったそうです。

輸送先は、打ち上げが行われるカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地。
実は、搭載機器に問題が見つかり、打ち上げは1月から3月に延期されていたりします。

ただ、地球と火星との軌道の関係から、
火星探査機の打ち上げに適した時期は、2年2か月ごとにしかめぐってきません。

なので今回を逃すと、
次に打ち上げが可能になるのは2018年になってしまうんですねー

打ち上げは3月の14日から25日の間に予定されていて、
打ち上げにはロシアのプロトンMロケットが使われることになります。

ヨーロッパとロシアの共同ミッション

“エクソマーズ2016”は、
ヨーロッパ宇宙機関とロシア宇宙庁が共同で開発した探査機です。

もともとヨーロッパ宇宙機関とNASAとの共同ミッションとして立案されたのですが、
予算不足を理由にNASAが脱退…

その後、ヨーロッパ宇宙機関が選んだのはロシアとパートナーになることでした。

探査機の開発はヨーロッパ宇宙機関側が行い、
それを打ち上げるためのプロトンMロケットや観測機器などは、
ロシア側が提供しています。

“エクソマーズ2018”に向けた技術実証

“エクソマーズ2016”は、2機の探査機からなる計画です。

火星の周回軌道上から大気を調べる“トレイス・ガス・オービター”と、
火星地表への着陸技術を実証する“スキアパレッリ”の2機が、
合体した状態で打ち上げられます。

火星到着の3日前に分離され、質量600キロの“スキアパレッリ”は大気圏に突入。

そして、着陸地点となるメリディアニ平原にパラシュートを開いて降下し、
地表から2メートルのところでロケットを噴射、 軟着陸をすることになります。

主な目的は火星への着陸技術の実証で、
得られたデータは、次のミッション“エクソマーズ2018”で打ち上げられる、
大型の探査車の着陸装置の開発に活かされることになるようですよ。


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