宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

タトゥイーンは実在した? 2つの太陽を持つ岩石惑星の証拠を発見

2017年03月27日 | 宇宙 space
映画スターウォーズシリーズで、
主人公ルーク・スカイウォーカーの故郷として描かれた架空の惑星“タトゥイーン”。

2つの恒星を公転している“タトゥイーン”ですが、
そっくりな惑星系が存在するという証拠が発見されたそうです。
太陽を2つ持つとみられる惑星は、これまでにもいくつか発見されている。“ケプラー16b”もそうした惑星の1つ(イメージ図)。


恒星を公転する破片

“タトゥイーン”に似ている惑星が存在するとみられるのは、
地球から約1000光年の距離にある連星系。

この連星系は“SDSS 1557”と呼ばれ、
白色矮星と褐色矮星という恒星を2個持っています。

惑星が存在すると考えられ始めたのは、この2恒星の周囲を公転する破片からでした。

破片は岩石質とみられ、タトゥイーンに似た地球型惑星が、
連星系の中に存在するかもしれないことを示唆しているようでした。

ただ、これまでに連星系を公転することが分かっていた惑星は、
すべて木星に似た巨大ガス惑星なんですねー


岩石惑星に見られる物質を発見

残念ながら今回の研究では、
“SDSS 1557”系内にある惑星を直接検出できませんでした。

でも岩石惑星に多く見られる、
ケイ素やマグネシウムなどの金属含有量が高い惑星物質を、
発見することができました。

ただ一方で、恒星2個の周りでは、
岩石惑星は形成されにくいことも確かです。
  2つの太陽をもつ惑星は、どこからやって来たのか?
    

それは、岩石のかけらやチリがくっつき合って大きく成長する、
通常の惑星形成過程とは違い、
連星系では、それぞれの星の重力が押し引きする力が加わるので、
惑星への成長が阻害されるからです。
  アルマ望遠鏡で分かってきた連星系での惑星形成
    

当初“SDSS 1557”には、
恒星が白色矮星1つしか存在しないと考えられていました。

でも、詳細な観測の結果、
岩石やチリが密集する領域内に隠れていた褐色矮星が発見されたそうです。

今回の発見は完全に予想外だったようですよ。


こちらの記事もどうぞ
  太陽を2つ持つ惑星に生命は存在するか? 水が液体で存在できる領域に惑星を発見