アンドロメダ座大銀河って知ってます?
私たちのいる天の川銀河から250万光年離れたところに位置するお隣の銀河で、地球上から肉眼で見える最も遠い天体でもあります。
40億年後には天の川銀河と衝突して、1つの巨大な楕円銀河になると見られているアンドロメダ座大銀河ですが、実は約20億年ほど前にも巨大銀河を飲み込んでいたそうです。
私たちの近傍の宇宙がどうやって現在の姿になったのか、銀河がどうやって成長していくのか、今回の研究により少しずつ分かってきたようです。
衝突による銀河の成長
今回、ミシガン大学の研究チームが発表したのは、アンドロメダ座大銀河が約20億年ほど前に存在した巨大銀河を飲み込んでいたこと。
銀河が銀河を飲み込むという現象は珍しいことではなく、たとえばおとめ座のM87銀河などは周辺の小さな銀河を飲み込みつつ、大きく成長してきた痕跡が確認されています。
巨大楕円銀河M87は、数十億年かけて渦巻銀河を飲み込んでいた?
そして、アンドロメダ座大銀河もまた、現在の大きさになるまでにいくつかの銀河を取り込んできたと考えられています。
ただ、具体的にどれくらいの銀河を取り込んで成長してきたかといったことは、これまで分かっていませんでした。
今回の研究ではコンピュータモデルによる計算を活用してアンドロメダ座大銀河を分析。
すると、ハローと呼ばれる銀河を取り囲む球状領域の大部分が、かつては別に存在していた銀河の残骸で構成されていることが分かります。
アンドロメダ座大銀河と天の川銀河に加え、さんかく座の渦巻銀河M33や数十個の矮小銀河で“局部銀河群”と呼ばれる銀河の集団が構成されています。
この銀河群で最大の銀河がアンドロメダ座大銀河で、2番目が天の川銀河になり、アンドロメダ座大銀河には小さな伴銀河M32が付随しています。
M32は非常に小さな古い楕円銀河で、アンドロメダ座大銀河などと同様にある程度古い星々で構成されています。でも、その一方で若い星もたくさん存在するという珍しい特徴を持っていて、かねてから不思議な存在とされてきました。
この謎は、今回行われたコンピュータ・シミュレーションにより解かれることになるんですねー
シミュレーションから得られた結果から推測されたのは、M32がかつてアンドロメダ座大銀河と天の川銀河に次ぐかなり巨大な銀河だったということでした。
M32pと呼ばれるこの巨大銀河は局部銀河群で3番目の大きさがあったものの、宇宙では比較的最近といえる約20億年ほど昔に、アンドロメダ座大銀河に飲み込まれていったようです。
その結果、M31を取り囲むハローは、そのほとんどがM32pに存在していた星々が構成することになり、かろうじて残ったM32pの中心部が現在のM32になります。
M32pのような大型銀河が衝突しても、M31銀河の円盤は美しく渦巻いています。
このことが意味しているのは、「大規模衝突によって銀河がバラバラになり、楕円銀河が形成される」という、これまでの考えに再考の余地が出てきたことです。
M32pという大型銀河の発見と研究は、天の川銀河のような円盤銀河がどのように進化し、大規模な合体でも生き残ったのかを理解する手がかりになりそうですね。
40億年後には天の川銀河も
アンドロメダ座大銀河は、その色が通常より青く見える青方偏移を伴っています。
青方偏移とは、近づいている天体からの光のスペクトルが、
波長の短い方(色で言えば青い方)にずれる現象。
ドップラー効果によって起こる。
これはアンドロメダ座大銀河が私たちのいる方向に向って接近していることを示していて、いまから約40億年後には天の川銀河と衝突し、融合すると考えられています。
アンドロメダと天の川、銀河同士の衝突は始まっている?
ここで気になるのが、アンドロメダ座大銀河と天の川銀河が衝突すると、私たちの太陽系がどうなるのかです。
2007年に発表されたのは、今から20億年後ぐらいになれば、接近するアンドロメダ座大銀河の重力の影響により約12%の確立で太陽系が天の川銀河からはじき出され、さらに3%未満の確率でアンドロメダ座大銀河に仲間入りするという、まさかの銀河移籍説でした。
そして、その頃には地球からアンドロメダ座大星雲と天の川銀河の衝突の様子が見ることができるんだとか。
もし、その説が正しいとすれば、地球に住む未来人は宇宙の大スペクタルショーをかぶりつきの特等席で見れるんですねー
ただ、天の川銀河を離れた太陽系は、今よりもはるかに強い宇宙線にさらされ地球の生物は滅亡へ…
銀河が衝突する頃には、太陽は赤色巨星になっていて一生の終りを迎えるそうです。
ただ、この後も銀河同士の衝突は続き、今度の衝突相手は同じ“局部銀河群”にあるM33(さんかく座銀河)。
このとき人類はどんな星に移り住んでいるのか、まさか滅亡とかしていないでしょうね。
こちらの記事もどうぞ
衝突時期も変わってくる? アンドロメダ座大銀河の質量が下方修正されるかも
私たちのいる天の川銀河から250万光年離れたところに位置するお隣の銀河で、地球上から肉眼で見える最も遠い天体でもあります。
40億年後には天の川銀河と衝突して、1つの巨大な楕円銀河になると見られているアンドロメダ座大銀河ですが、実は約20億年ほど前にも巨大銀河を飲み込んでいたそうです。
私たちの近傍の宇宙がどうやって現在の姿になったのか、銀河がどうやって成長していくのか、今回の研究により少しずつ分かってきたようです。
衝突による銀河の成長
今回、ミシガン大学の研究チームが発表したのは、アンドロメダ座大銀河が約20億年ほど前に存在した巨大銀河を飲み込んでいたこと。
銀河が銀河を飲み込むという現象は珍しいことではなく、たとえばおとめ座のM87銀河などは周辺の小さな銀河を飲み込みつつ、大きく成長してきた痕跡が確認されています。
巨大楕円銀河M87は、数十億年かけて渦巻銀河を飲み込んでいた?
そして、アンドロメダ座大銀河もまた、現在の大きさになるまでにいくつかの銀河を取り込んできたと考えられています。
ただ、具体的にどれくらいの銀河を取り込んで成長してきたかといったことは、これまで分かっていませんでした。
今回の研究ではコンピュータモデルによる計算を活用してアンドロメダ座大銀河を分析。
すると、ハローと呼ばれる銀河を取り囲む球状領域の大部分が、かつては別に存在していた銀河の残骸で構成されていることが分かります。
アンドロメダ座大銀河と天の川銀河に加え、さんかく座の渦巻銀河M33や数十個の矮小銀河で“局部銀河群”と呼ばれる銀河の集団が構成されています。
この銀河群で最大の銀河がアンドロメダ座大銀河で、2番目が天の川銀河になり、アンドロメダ座大銀河には小さな伴銀河M32が付随しています。
M32は非常に小さな古い楕円銀河で、アンドロメダ座大銀河などと同様にある程度古い星々で構成されています。でも、その一方で若い星もたくさん存在するという珍しい特徴を持っていて、かねてから不思議な存在とされてきました。
この謎は、今回行われたコンピュータ・シミュレーションにより解かれることになるんですねー
シミュレーションから得られた結果から推測されたのは、M32がかつてアンドロメダ座大銀河と天の川銀河に次ぐかなり巨大な銀河だったということでした。
M32pと呼ばれるこの巨大銀河は局部銀河群で3番目の大きさがあったものの、宇宙では比較的最近といえる約20億年ほど昔に、アンドロメダ座大銀河に飲み込まれていったようです。
その結果、M31を取り囲むハローは、そのほとんどがM32pに存在していた星々が構成することになり、かろうじて残ったM32pの中心部が現在のM32になります。
M32pのような大型銀河が衝突しても、M31銀河の円盤は美しく渦巻いています。
このことが意味しているのは、「大規模衝突によって銀河がバラバラになり、楕円銀河が形成される」という、これまでの考えに再考の余地が出てきたことです。
M32pという大型銀河の発見と研究は、天の川銀河のような円盤銀河がどのように進化し、大規模な合体でも生き残ったのかを理解する手がかりになりそうですね。
M31とM32pの衝突合体の過程。 破壊された大型銀河M32pは、現在見られるM32と、M31を取り囲む星々のハローになった。 |
40億年後には天の川銀河も
アンドロメダ座大銀河は、その色が通常より青く見える青方偏移を伴っています。
青方偏移とは、近づいている天体からの光のスペクトルが、
波長の短い方(色で言えば青い方)にずれる現象。
ドップラー効果によって起こる。
これはアンドロメダ座大銀河が私たちのいる方向に向って接近していることを示していて、いまから約40億年後には天の川銀河と衝突し、融合すると考えられています。
アンドロメダと天の川、銀河同士の衝突は始まっている?
ここで気になるのが、アンドロメダ座大銀河と天の川銀河が衝突すると、私たちの太陽系がどうなるのかです。
2007年に発表されたのは、今から20億年後ぐらいになれば、接近するアンドロメダ座大銀河の重力の影響により約12%の確立で太陽系が天の川銀河からはじき出され、さらに3%未満の確率でアンドロメダ座大銀河に仲間入りするという、まさかの銀河移籍説でした。
そして、その頃には地球からアンドロメダ座大星雲と天の川銀河の衝突の様子が見ることができるんだとか。
もし、その説が正しいとすれば、地球に住む未来人は宇宙の大スペクタルショーをかぶりつきの特等席で見れるんですねー
ただ、天の川銀河を離れた太陽系は、今よりもはるかに強い宇宙線にさらされ地球の生物は滅亡へ…
銀河が衝突する頃には、太陽は赤色巨星になっていて一生の終りを迎えるそうです。
ただ、この後も銀河同士の衝突は続き、今度の衝突相手は同じ“局部銀河群”にあるM33(さんかく座銀河)。
このとき人類はどんな星に移り住んでいるのか、まさか滅亡とかしていないでしょうね。
こちらの記事もどうぞ
衝突時期も変わってくる? アンドロメダ座大銀河の質量が下方修正されるかも