天の川銀河の周りに数多く存在している矮小銀河。
その動きを調べてみて分かってきたのが、まだ発見されていない矮小銀河がさらに多数存在する可能性でした。
それら矮小銀河の動きに影響を及ぼす重力の大きさから、天の川銀河内の物質の総量を計算できます。
そこから星やガスといった電磁波で検出可能な天体の質量を差し引くことで、ダークマターの量を見積もることができるんですねー
矮小銀河は、ダークマターを調べるうえで役立つ手段の1つになるようですよ。
天の川銀河の周囲に存在している小さな銀河
今回、スペイン・カナリア天体物理研究所のチームが調べらたのは、天の川銀河周囲に存在する矮小銀河のうち39個の運動の様子。
使われたのは、今年4月に公開されたヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星“ガイア”の第2期データでした。
矮小銀河とは、数十億個以下の恒星からなる小さな銀河で、含まれている恒星の数が少ないので、明るさは天の川銀河の数万分の1から数百万分の1ほどしかありません。
天の川銀河には2000億~4000億個の恒星が含まれているが、
矮小銀河の規模はこの約百分の1以下で、
特に小規模な矮小銀河は球状星団と区別できないこともある。
今回研究の対象になった矮小銀河のうち29個の動きが調べられるようになったのは、“ガイア”の第2期データのおかげでした。
矮小銀河は天の川銀河の中心から遠く離れた領域に隠れている
研究の結果明らかになってきたのが、矮小銀河の多くが“Vast POlar Structure”と呼ばれる巨大な平面構造内を移動していることでした。
“Vast POlar Structure”の起源はよく分かっていませんが、現在の宇宙論的銀河形成モデルに疑問を投げかける特徴を持っているようです。
これまでに分かっていたのは、質量が大きめの矮小銀河の多くが“Vast POlar Structure”に存在していること。
でも、今回の研究では、質量の小さな複数の矮小銀河も“Vast POlar Structure”に属しているかもしれないということが分かってきます。
さらに発見したのが、複数の矮小銀河が天の川銀河の内側へ近づく軌道を持つことでした。
天の川銀河の潮汐力によって、いくつかの矮小銀河は引き伸ばされていて、“ヘラクレス座矮小銀河”や“コップ座II矮小銀河”などの特徴は、これで説明できる可能性があります。
一方で新たな謎も生まれています。
これまで、“りゅうこつ座I矮小銀河”などの特徴も、天の川銀河の潮汐力の影響かもしれないと考えられてきました。
でも、今回の研究で明らかになった矮小銀河の軌道は、その仮説の確認にはつながらないようです。
原因は、他の矮小銀河との接近遭遇にあるのかもしれません。
また、矮小銀河の動きを調べたことにより、これらの銀河の大半が、軌道上で最も天の川銀河の中心に近づく点の辺りに存在していることも明らかになります。
でも、矮小銀河の軌道上での運動を考えると、天の川銀河の中心近くにいる時間は短く、最も遠く離れたところにある期間の方がずっと長いはずなんですねー
なので、天の川銀河の中心から遠く離れた領域には、未発見の矮小銀河がまだ数多く隠れているのかもしれません。
矮小銀河は、それ自体が興味深いだけでなく、ダークマターを調べるうえでも役立つ手段の一つになります。
矮小銀河の動きに影響を及ぼす重力の大きさから天の川銀河内の物質の総量を計算し、そこから星やガスといった電磁波で検出可能な天体の質量を差し引くことで、ダークマターの量を見積もることができるからです。
この方法で分かったのが、天の川銀河に含まれるダークマターの総質量。
太陽の1兆6000億個分ほどあるそうです。
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遠くを探さなくても近くにあった! 天の川銀河を公転する宇宙最古の銀河
その動きを調べてみて分かってきたのが、まだ発見されていない矮小銀河がさらに多数存在する可能性でした。
それら矮小銀河の動きに影響を及ぼす重力の大きさから、天の川銀河内の物質の総量を計算できます。
そこから星やガスといった電磁波で検出可能な天体の質量を差し引くことで、ダークマターの量を見積もることができるんですねー
矮小銀河は、ダークマターを調べるうえで役立つ手段の1つになるようですよ。
天の川銀河の周囲に存在している小さな銀河
今回、スペイン・カナリア天体物理研究所のチームが調べらたのは、天の川銀河周囲に存在する矮小銀河のうち39個の運動の様子。
使われたのは、今年4月に公開されたヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星“ガイア”の第2期データでした。
矮小銀河とは、数十億個以下の恒星からなる小さな銀河で、含まれている恒星の数が少ないので、明るさは天の川銀河の数万分の1から数百万分の1ほどしかありません。
天の川銀河には2000億~4000億個の恒星が含まれているが、
矮小銀河の規模はこの約百分の1以下で、
特に小規模な矮小銀河は球状星団と区別できないこともある。
今回研究の対象になった矮小銀河のうち29個の動きが調べられるようになったのは、“ガイア”の第2期データのおかげでした。
矮小銀河は天の川銀河の中心から遠く離れた領域に隠れている
研究の結果明らかになってきたのが、矮小銀河の多くが“Vast POlar Structure”と呼ばれる巨大な平面構造内を移動していることでした。
“Vast POlar Structure”の起源はよく分かっていませんが、現在の宇宙論的銀河形成モデルに疑問を投げかける特徴を持っているようです。
これまでに分かっていたのは、質量が大きめの矮小銀河の多くが“Vast POlar Structure”に存在していること。
でも、今回の研究では、質量の小さな複数の矮小銀河も“Vast POlar Structure”に属しているかもしれないということが分かってきます。
さらに発見したのが、複数の矮小銀河が天の川銀河の内側へ近づく軌道を持つことでした。
天の川銀河の潮汐力によって、いくつかの矮小銀河は引き伸ばされていて、“ヘラクレス座矮小銀河”や“コップ座II矮小銀河”などの特徴は、これで説明できる可能性があります。
39個の矮小銀河の名称と移動の向き。 青い矢印は天の川銀河の中心へ接近する動き、 赤い矢印は中心から離れる動きを示している。 |
これまで、“りゅうこつ座I矮小銀河”などの特徴も、天の川銀河の潮汐力の影響かもしれないと考えられてきました。
でも、今回の研究で明らかになった矮小銀河の軌道は、その仮説の確認にはつながらないようです。
原因は、他の矮小銀河との接近遭遇にあるのかもしれません。
また、矮小銀河の動きを調べたことにより、これらの銀河の大半が、軌道上で最も天の川銀河の中心に近づく点の辺りに存在していることも明らかになります。
でも、矮小銀河の軌道上での運動を考えると、天の川銀河の中心近くにいる時間は短く、最も遠く離れたところにある期間の方がずっと長いはずなんですねー
なので、天の川銀河の中心から遠く離れた領域には、未発見の矮小銀河がまだ数多く隠れているのかもしれません。
矮小銀河は、それ自体が興味深いだけでなく、ダークマターを調べるうえでも役立つ手段の一つになります。
矮小銀河の動きに影響を及ぼす重力の大きさから天の川銀河内の物質の総量を計算し、そこから星やガスといった電磁波で検出可能な天体の質量を差し引くことで、ダークマターの量を見積もることができるからです。
この方法で分かったのが、天の川銀河に含まれるダークマターの総質量。
太陽の1兆6000億個分ほどあるそうです。
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