2013年にアラスカで観測されたオーロラ。 17日に太陽嵐の影響で中緯度地域でもオーロラが出現。 |
3月17日に強力な太陽嵐が発生しました。
きっかけは、コロナ質量放出と呼ばれる、
太陽から荷電粒子が外へ噴き出す爆発現象が、2度にわたって起きたこと。
その爆発が猛烈な磁気嵐を発生させたんですねー
太陽嵐は“太陽の津波”とも言える現象です。
今回は2度の爆発が1つの巨大な塊となって、太陽から地球まで1億5000万キロの距離を移動。
そして日本時間の18日午後1時30分に、地球を取り囲む磁気圏に入りました。
磁気圏が乱れて発生した磁気嵐は、アメリカ海洋大気庁のNOAAスケールレベル“G4”とされ、
2013年秋の太陽嵐以来、最も強いものになったんですねー
NOAAによると、
磁気嵐の強度は、G1(小さな)からG5(極端に大きな)までのレベルがあり、
今回のG4は、G5に次ぐ強さになります。
このような現象は、
太陽活動の周期11年の間に、100回ほど発生するとされています。
太陽は膨大なエネルギーや荷電粒子を宇宙空間へ放出するが、 地球は磁場により太陽嵐の影響から守られている。 |
影響としては、
まず、電力網に障害をもたらす可能性があります。
実際、過去にはそうした障害が生じたことも…
1989年3月、強力な磁気嵐によりカナダのケベック全州の電力網が遮断され、
市民が12時間にわたる停電を経験しています。
地球の電離圏は太陽嵐の影響を強く受け、
嵐のピーク時には、イオン密度が高くなります。
なので電離圏を移動する低軌道衛星に、重大な支障が出る可能性もあります。
ただ、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士には、危険はないんだとか。
テレビ信号にも影響はないのですが、
強度によってはGPSデータの受信が阻害されたり、
GPS機能の精度やスマートフォンの使用に問題が生じる場合もあり、
アマチュア無線の信号は、電離層で反射させて遠距離通信を行うので、
影響を受ける場合もあるようです。
そして磁気嵐の発生時には、
通常よりも低い緯度にオーロラが出現することが多いんですねー
今回は、
17日の夜明け前にアラスカ州、ワシントン州、ミネソタ州、ウィスコンシン州、
ノースダコタ州およびサウスダコタ州でオーロラが観測されたそうですよ。
日本時間18日午後10時58分から観測された強い磁気嵐により、 オーロラの発生が期待された。 図はオーロラの観測が予測される場所。 |
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