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超新星の残骸に若いパルサーを発見かも…

2012年08月04日 | 宇宙 space
50年以上前に見つかった超新星の残骸から、これまで確認されていなかったX線の放射が検出されました。

この超新星の残骸は地球から約1500万光年離れた渦巻銀河M83で1957年に見つかり、
その年に4番目に発見されたので、“SN 1957D”と名付けられています。

爆発の光が検出できなくなった後も、
銀河系外の天体としては珍しく1981年には電波波長、1987年には可視光波長によって爆発の残骸は観測されてきました。

NASAでは2010年と2011年にX線観測衛星“チャンドラ”を使い観測を行ったのですが、
比較的短い(約14時間)観測だったのでX線は検出できなかったんですねー

今回“SN 1957D”が属する渦巻銀河を“チャンドラ”で8.5日間観測し、ようやくX線をとらえることに成功したということです。

“SN 1957D”の残骸は大質量の恒星が、重力崩壊してできたと考えられています。
X線分布からは、残骸の中心には光速で回転する中性子星(パルサー)があるらしいことが分かっています。







画像の赤、緑、青はそれぞれ
“チャンドラ”が観測した
低エネルギーX線、中エネルギーX線、
高エネルギーX線を表している



パルサーは崩壊した星の核が元となった高密度天体で、
その周囲には光速に近い速度で移動する荷電粒子の雲(パルサー風星雲)を作り出しているかもしれません。

もしそうなら、これは観測されたものとしては最も若い55歳のパルサーになるんですねー

また、“かみのけ座”の渦巻銀河M100で1979年に起こった超新星爆発にも、
パルサーらしきものが見られるのですが、ブラックホールなのかパルサーなのか分かっていません。
ひょっとすると、最も若いパルサーは33歳になるのかもしれません…


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