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今年7月末に運用を終えていた着陸機“フィラエ”が見つかったんですねー
“フィラエ”は親機“ロゼッタ”が撮影した画像から見つかったのですが、その“ロゼッタ”もミッション終了まで残り1か月…
ギリギリのタイミングでの発見でした。
彗星着陸機“フィラエ”の復旧を断念… 交信用システムはオフへ
ロゼッタの画像に写っていたもの
画像はヨーロッパ宇宙機関の彗星探査機“ロゼッタ”がとらえたものでした。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回していた“ロゼッタ”は、
彗星表面約2.7キロの高度から“オシリス狭角カメラ”により撮影。
9月2日に撮影され、その2日後に地球に届いた画像には、
3本脚のうちの2本を伸ばした“フィラエ”の機体がはっきりと写っていました。
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岩陰にとらえられた“フィラエ”。 機体の角度から着陸後に通信困難となった理由も見てとれる。 |
どうやって発見したのか
“フィラエ”は2014年11月に“ロゼッタ”から分離され、
史上初となる彗星への軟着陸を果たすのですが、
機体の固定に失敗し弾みで飛ばされてしまいます。
岩陰に入ってしまった“フィラエ”は太陽光発電が出来なくなり、
着陸の3日後にはバッテリーを使い果たして冬眠モードに入りことになります。
それでも、彗星が太陽に接近した2015年6月と7月には、
“フィラエ”は短いながらも目を覚まし“ロゼッタ”と交信するんですねー
彗星着陸機“フィラエ”と6月24日以来の通信に成功! また途絶えることに…
でも“フィラエ”の正確な位置は分からず…
電波を使った捜索により、ある程度の範囲まで絞り込まれていたのですが、
離れたところから撮影された低解像度画像には、
あまりにも多くの候補物体がありすぎたんですねー
ただ詳しい画像解析によって、ほとんどの候補が外されていくと、
ある1つのターゲットが“フィラエ”である可能性が高まっていきます。
そして、1ピクセルあたり5センチという高解像度の画像の中に、
脚やパネル、カメラといった“フィラエ”の特徴が見え、
このターゲットが間違いなく“フィラエ”であると分かりました。
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“フィラエ”のクローズアップ |
“ロゼッタ”の最終ミッション
“ロゼッタ”は2014年夏から、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の周回探査を続けてきましたが、
そのミッションも間もなく終わることになります。
“ロゼッタ”は9月30日に、彗星の表面へと降下して至近距離から観測を行い、
彗星の内部構造の秘密に迫る予定です。
彗星探査ミッション延長へ、“ロゼッタ”は彗星に着陸するかも…
そう、二度と戻ることのない片道ミッションを実施することになります。
ミッションも残すところ1か月を切った今、
“フィラエ”の姿がとらえられ、驚くほど詳細にその機体を見ることができました。
着陸機“フィラエ”の捜索が終わったことで、
“ロゼッタ”に残されたのは彗星への着地だけとなりました。
最後に楽しみなのは、彗星にさらに接近した“ロゼット”から送られてくる画像ですね。
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