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モバライダー mobarider

火星の火山に生命に適した湖の形跡が…

2014年07月24日 | 火星の探査
NASAの火星探査車キュリオシティとオポチュニティが、この1年でもたらした一連の発見。
これにより、「30億年以上前に大量の水が火星表面に存在した」との確信がかつてないほど強まっています。
そして水があった場所には、生命が存在したかもしれないんですねー

火星にある巨大な楯状火山アルシア山。
山頂には火山活動によってできた
カルデラが見える。
でも火星には、わずか2億1000万年前にも液体の水が存在していて、かつてアルシア山と呼ばれる火山の側面にあった氷河内部で、湖を形成していたようです。

アルシア山は、標高がエベレストの2倍近くもある、火星で3番目に高い山です。
この研究では当初、湖を探していたわけではなく、アルシア山の側面に見られる扇状の堆積物の特性を調べていたんですねー

ところが、火星探査機マーズ・リコナサンス・オービターがとらえた画像を分析してみると、堆積物の上に奇妙な盛り土のようなものがあることに気づくことになります。

ちょうど薄くて平坦なパンケーキのような形をしていたそうです。

何がアルシア山の風変わりな地形を作り出したのかは分からなかったのですが、
山の斜面が氷河で覆われていた時期、アルシア山が火山活動中だったんですねー

そこで、地球上の火山と氷の相互作用に関する論文を参考にすることになります。

氷河の下で噴火が起こると、地球でもパンケーキ状の地形が形成されることがあります。

高温の噴出物質によって必然的に氷は解けるのですが、氷河が十分に厚ければ最上部は凍ったままの状態を保つことができます。
この氷の下に溶岩が広がることで、水に囲まれた薄い層が形成され、氷河内に湖ができあがります。

ただ、火星の氷河内にあった2つの湖は、
どちらも数百年から約8000年の間に再び凍結したと見られています。

有機分子から生命が生まれるためには数百年、あるいは数千年あっても足りないので、
かつて湖に生命体が存在したとしても、そこで発生したと特定することができないことになります。

火星探査車が対象とする時期は、火星全体が現在よりもはるかに気温、 湿度ともに高かく、
その時期に生命が誕生し、惑星が干上がり始めた30億年前頃に、微生物が地表の下に逃れた可能性があります。
また、その微生物が氷河内の湖にコロニーを形成した、とも考えられるんですねー

でも、水だけではそのような現象は起こらず、
代謝には炭素やエネルギーも必要になり、どこから得られるのかは分かっていません…

とはいえ、火星がほぼ乾ききった何十億年も後に、液体の水があったという発見には、
数十年前は誰も想像しなかったような場所に、生命維持物質が存在する可能性を再認識させてくれます。

地球外生命の探索が続く中、今回の研究成果が良い知らせであることは間違いありませんね。


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