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モバライダー mobarider

天体“テイア”と地球が衝突して月ができた、に新証拠

2014年06月14日 | 宇宙 space
アポロ計画で持ち帰られた月の物質から、
「地球と巨大天体との衝突で月が作られた」という有力説を裏付ける、
新たな証拠が出てきたんですねー
巨大天体“テイア”が地球にぶつかって、
月が作られたというジャイアントインパクト説。

およそ45億年前、惑星サイズの天体“テイア”が地球にぶつかり、
その破片から月が生まれたと考えられています。
これは巨大衝突説(ジャイアントインパクト)といい、
月の形成について現在もっとも有力なものなんですねー

このジャイアントインパクト説の証拠を得るために、
月と地球それぞれのサンプルから、同位体比の測定が行われています。

同じ元素でも中性子の数が異なる同位体は、
その存在比率から物質の起源や由来などを知ることができます。
なので、NASAのアポロ探索で持ち帰られた月のサンプルから、
酸素の同位体比が調べられることになります。
すると、17O/16Oの同位体比は地球の方が、わずかに多かったんですねー

この結果は、ジャイアントインパクト説の理論モデルと一致することに…
なぜかというと、「月の大部分は“テイア”の物質でできている」という理論を前提とすれば、
月の同位体比は地球と異なってくるからです。

そして、ジャイアントインパクトが確かにあったと言えること、
“テイア”の地化学的な情報を得られた、という意味もあるんですねー

“テイア”の組成がわかれば、
地球と“テイア”の物質でできた月の組成を類推することもできます。
どうやら、“テイア”はコンドライトというタイプの隕石に似ているようです。

次の目標は、月を作る物質のうち、どのくらいの割合が“テイア”由来かを探ること。
多くの理論モデルによると、その割合は70~90%なんですが、わずか8%とする考えもあります。

今回の新データから見ると“テイア”と地球で半々のようですが、まだはっきりとは分からないようです。


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