ちょうど良い温度が保たれた惑星
地球のように多様な生物が誕生するには、
「その惑星が生命居住可能領域“ハビタブルゾーン”と呼ばれる
領域の中に存在している必要がある」
と科学者たちは長いこと考えてきました。
そこは恒星から遠すぎずも近すぎずもなく、
水が液体の状態で存在できる、ちょうど良い温度が保たれた領域。
当然のことなんですが、
高温の恒星に近すぎれば惑星は燃え尽きてしまうし、
遠すぎれば凍りついてしまうので、
ある程度までは異論を唱える科学者はいませんでした。
でも、実際はもっと複雑なんですねー
それは、恒星からどれだけ離れていれば“ハビタブルゾーン”なのかは、
その恒星が、どれほど熱いかによって変わってくるからです。
惑星の大きさも関係してきます。
小さすぎれば、
重力も小さくなるので、惑星の大気が宇宙空間へ飛び散ってしまいます。
逆に大きすぎれば、
大気が濃くなりすぎて、海王星や天王星のような氷の巨星になる可能性があります。
生命が生存可能な惑星を探そうと、
NASAは2009年に系外惑星探査衛星“ケプラー”を打ち上げています。
そして“ケプラー”の成果から分かってきたのが、
惑星の半径が地球の1.5倍までなら生命は生存できるだろうということ。
“ケプラー”は、これまでに1030個の太陽系外惑星を発見しています。
そのうち、大きさも恒星からの距離も、
生命誕生にちょうど良い条件のものは一握りなんですが、
“ケプラー452b”と名付けられた惑星が、地球に最も似ていると考えられています。
ただ、多くの科学者が考えているのは、
大きさや恒星からの距離がちょうど良いだけでは、
生命が存在するとは限らないということです。
プレートが地球の温度調整をしている
地球の表面は柔軟で、
内部で対流するマントルによって引っ張られたり、
押し締められたりしています。
そして地球が発達する時点で、この押し合いへし合いによって表面に亀裂が入り、
何枚もの移動するプレートに分裂することになります。
でも、それは重要なことなのでしょうか?
実は、プレートは地球の温度調整に重要な役割を果たしているんですねー
プレートが互いに衝突すると火山の噴火を引き起こし、
大気に不可欠な温室効果ガスが吐き出されます。
また、地球の温度が上がりすぎると、
プレートの変動によって、余分なガスが地球内部に取り込まれます。
この活動的なプレートテクトニクスの存在が知られている惑星は、
今のところ地球だけ… この点こそが、地球を特別な存在にしているんですね。
どうやってプレートは生まれたのか
そもそも動くプレートは、なぜ生まれたのか?
その答えは、すべて材料にあるようです。
惑星は、濃縮したチリの塊から生まれるとき、
ドロドロに溶けた内核の熱で煮えたぎり、表面の放射性元素から熱が放射されます。
表面は高温だと曲がったり伸びたりするのですが、
冷凍庫にチョコレートバーを入れると固まるように、惑星も冷えると硬くなります。
それと同じことが地球でも起こっていました。
誕生からわずか2000万~3000万年ごろに激しい隕石の雨が降り注いで、
熱を発生させる放射性元素が地表からそぎ落とされます。
そのおかげで、温度がちょうど良いところまで下がり、
プレートがひび割れたんですねー
もし表面の温度が下がらなかったら?
地球の兄弟星になる金星を例に説明すると、
表面が熱すぎるので柔らかいプレートは割れることができず、
熱がたまって、最終的には表面全体が崩れ落ちてしまいます。
その結果、壊滅的な火山活動を引き起こし、
惑星全体が高温の熱に包まれることになります。
では、初期の地球に降り注いだ大量の隕石が襲っていたら、
金星における生命の歴史は変わっていたのでしょうか?
金星は太陽に近すぎて、液体の水をとどめておくことはできないので、
水蒸気の大気で覆われていたと考えられます。
その水蒸気は若い太陽からの強い紫外線で水素と酸素に分解され、
軽い水素は宇宙空間に逃げてしまいます。
そこに激しい隕石の雨が降り注ぐと、金星の地殻やマントルが砕かれ、
岩石チリが高温の初期金星大気中に放出されることになります。
そのチリが高温の酸素大気と反応して岩石の酸化が起こり、
大気から酸素が取り除かれ、金星は乾燥して行くとこになります。
レシピ通りに作れれば…
こうした情報が集まれば、
生命が存在できる惑星を作ることが出来るのでしょうか?
生命を誕生させるためのレシピを作る上で、最も大きな問題となるのが、
比較対象となる地球型惑星が見つかっていないことです。
太陽系の研究をしている科学者たちは、
太陽系こそが宇宙に存在する惑星系の典型だと考えていました。
それが、2009年に系外惑星探査衛星“ケプラー”を打ち上げてみると、
私たちの太陽系が、かなりの変わり者だということが分かってきたんですねー
そのうち、地球を基準として理解していたことが、
真実ではなかったという日が来るのかもしれません。
なので、宇宙の果てにある地球型惑星の詳しい実態に迫るには、
将来的に運用が計画されている“HDST”、“LUVOIR”、“ATLAST”などの、
次々世代の宇宙望遠鏡を待つことになりそうですね。
こちらの記事もどうぞ
最新の研究で見えてきた“生命の星”地球の作り方 (その1)
第2の太陽系探しの有力候補。太陽に似た星を回る木星の双子
太陽に似た恒星を回る、地球に似た惑星“ケプラー452b”を発見!
地球に似た惑星は、やはり太陽に似た恒星を回っている?
地球のように多様な生物が誕生するには、
「その惑星が生命居住可能領域“ハビタブルゾーン”と呼ばれる
領域の中に存在している必要がある」
と科学者たちは長いこと考えてきました。
そこは恒星から遠すぎずも近すぎずもなく、
水が液体の状態で存在できる、ちょうど良い温度が保たれた領域。
当然のことなんですが、
高温の恒星に近すぎれば惑星は燃え尽きてしまうし、
遠すぎれば凍りついてしまうので、
ある程度までは異論を唱える科学者はいませんでした。
でも、実際はもっと複雑なんですねー
それは、恒星からどれだけ離れていれば“ハビタブルゾーン”なのかは、
その恒星が、どれほど熱いかによって変わってくるからです。
惑星の大きさも関係してきます。
小さすぎれば、
重力も小さくなるので、惑星の大気が宇宙空間へ飛び散ってしまいます。
逆に大きすぎれば、
大気が濃くなりすぎて、海王星や天王星のような氷の巨星になる可能性があります。
生命が生存可能な惑星を探そうと、
NASAは2009年に系外惑星探査衛星“ケプラー”を打ち上げています。
そして“ケプラー”の成果から分かってきたのが、
惑星の半径が地球の1.5倍までなら生命は生存できるだろうということ。
“ケプラー”は、これまでに1030個の太陽系外惑星を発見しています。
そのうち、大きさも恒星からの距離も、
生命誕生にちょうど良い条件のものは一握りなんですが、
“ケプラー452b”と名付けられた惑星が、地球に最も似ていると考えられています。
ただ、多くの科学者が考えているのは、
大きさや恒星からの距離がちょうど良いだけでは、
生命が存在するとは限らないということです。
主星のハビタブルゾーン内において、初めて発見された地球型惑星が“ケプラー186f”です。 大きさは地球の1.1倍で、専門家によれば表面に水をたたえている可能性が高いそうです。 |
プレートが地球の温度調整をしている
地球の表面は柔軟で、
内部で対流するマントルによって引っ張られたり、
押し締められたりしています。
そして地球が発達する時点で、この押し合いへし合いによって表面に亀裂が入り、
何枚もの移動するプレートに分裂することになります。
でも、それは重要なことなのでしょうか?
実は、プレートは地球の温度調整に重要な役割を果たしているんですねー
プレートが互いに衝突すると火山の噴火を引き起こし、
大気に不可欠な温室効果ガスが吐き出されます。
また、地球の温度が上がりすぎると、
プレートの変動によって、余分なガスが地球内部に取り込まれます。
この活動的なプレートテクトニクスの存在が知られている惑星は、
今のところ地球だけ… この点こそが、地球を特別な存在にしているんですね。
どうやってプレートは生まれたのか
そもそも動くプレートは、なぜ生まれたのか?
その答えは、すべて材料にあるようです。
惑星は、濃縮したチリの塊から生まれるとき、
ドロドロに溶けた内核の熱で煮えたぎり、表面の放射性元素から熱が放射されます。
表面は高温だと曲がったり伸びたりするのですが、
冷凍庫にチョコレートバーを入れると固まるように、惑星も冷えると硬くなります。
それと同じことが地球でも起こっていました。
誕生からわずか2000万~3000万年ごろに激しい隕石の雨が降り注いで、
熱を発生させる放射性元素が地表からそぎ落とされます。
そのおかげで、温度がちょうど良いところまで下がり、
プレートがひび割れたんですねー
もし表面の温度が下がらなかったら?
地球の兄弟星になる金星を例に説明すると、
表面が熱すぎるので柔らかいプレートは割れることができず、
熱がたまって、最終的には表面全体が崩れ落ちてしまいます。
その結果、壊滅的な火山活動を引き起こし、
惑星全体が高温の熱に包まれることになります。
では、初期の地球に降り注いだ大量の隕石が襲っていたら、
金星における生命の歴史は変わっていたのでしょうか?
金星は太陽に近すぎて、液体の水をとどめておくことはできないので、
水蒸気の大気で覆われていたと考えられます。
その水蒸気は若い太陽からの強い紫外線で水素と酸素に分解され、
軽い水素は宇宙空間に逃げてしまいます。
そこに激しい隕石の雨が降り注ぐと、金星の地殻やマントルが砕かれ、
岩石チリが高温の初期金星大気中に放出されることになります。
そのチリが高温の酸素大気と反応して岩石の酸化が起こり、
大気から酸素が取り除かれ、金星は乾燥して行くとこになります。
レシピ通りに作れれば…
こうした情報が集まれば、
生命が存在できる惑星を作ることが出来るのでしょうか?
生命を誕生させるためのレシピを作る上で、最も大きな問題となるのが、
比較対象となる地球型惑星が見つかっていないことです。
太陽系の研究をしている科学者たちは、
太陽系こそが宇宙に存在する惑星系の典型だと考えていました。
それが、2009年に系外惑星探査衛星“ケプラー”を打ち上げてみると、
私たちの太陽系が、かなりの変わり者だということが分かってきたんですねー
そのうち、地球を基準として理解していたことが、
真実ではなかったという日が来るのかもしれません。
なので、宇宙の果てにある地球型惑星の詳しい実態に迫るには、
将来的に運用が計画されている“HDST”、“LUVOIR”、“ATLAST”などの、
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