今年の3月17日に発生した大規模な磁気嵐が、
どのような状況で起こったのか? が分かってきたんですねー
どうやら、太陽から噴き出した“コロナ質量放出”が、
地球へ到達するまでに、後方から高速太陽風の追い風を受け、
さらに前方に渋滞していた低速太陽風が巻き込まれるという、
「玉突き事故」のような状況が原因のようです。
小さなフレアが起こした最大規模の“磁気嵐”の謎
今年の3月17日のこと、過去10年で最大規模の磁気嵐が発生し、
北海道では、オーロラが11年ぶりに観測され話題になりました。
太陽で、高速プラズマ雲の放出“コロナ質量放出”が起こると、
数日後に、その“コロナ質量放出”が地球に到達して、
地磁気が一時的に弱まる現象“磁気嵐”が発生することがあります。
その“磁気嵐”の規模が大きくなると、
極域で見られるオーロラが活発になるだけでなく、
低緯度の地域でもオーロラが見られることがあります。
でも、3月17日の“コロナ質量放出”を起こした太陽フレアは、規模が小さなもの…
なので、“磁気嵐”の規模が巨大化した原因の解明が、待たれていたんですねー
“磁気嵐”を大きくしたのは太陽風による「玉突き事故」
今回の研究では、探査機によって直接観測された、
“コロナ質量放出”の磁場、速度、密度、温度を詳しく調べています。
その結果、この“コロナ質量放出”は平均的なものと比べて、
密度が濃く、温度が高いという特徴を持っていることが分かります。
これは、“コロナ質量放出”の後ろ側から、
追い風のように吹き付けている高速太陽風によって、
“コロナ質量放出”の膨張が妨げられていたためだと考えられています。
そして、磁気流体力学シミュレーションにより、
“コロナ質量放出”が太陽から地球まで伝わる様子を再現してみると、
高速と低速の太陽風に挟まれた“コロナ質量放出”の立体的な全体像が、
明らかになります。
さらに、観測された太陽風のデータを元にしたモデル計算からは、
玉突き事故のようにして、全体的に太陽風の密度が濃くなったので、
“磁気嵐”の規模が約5割増強されたことも明らかになりました。
大規模な“磁気嵐”は、地上の送電設備や人工衛星へ障害を与えるなど、
私たちの生活とも密接に関連してきます。
なので、小さな太陽フレアでも、
大きな“磁気嵐”が起こるという今回の教訓は、
ひじょうに重要なことになるんですねー
この研究によって、
実際に“磁気嵐”が巨大化する具体的な仕組みも明らかにすることができ、
これまでのように、大きな太陽フレアの発生時に、
太陽面の観測から“コロナ質量放出”の磁場のねじれを計算するだけでは、
“磁気嵐”の規模の予測には不十分だと分かりました。
磁気流体力学シミュレーションによって、
高速風、低速風、“コロナ質量放出”の全体像を把握し、
それらのダイナミックな変化を正確に追跡すること。
これにより、大規模な“磁気嵐”を逃さずに予測することが可能になるんですね。
こちらの記事もどうぞ
“アイリス”がとらえた、迫力のコロナ大量放出
太陽がもたらした強度“G4”の磁気嵐
どのような状況で起こったのか? が分かってきたんですねー
どうやら、太陽から噴き出した“コロナ質量放出”が、
地球へ到達するまでに、後方から高速太陽風の追い風を受け、
さらに前方に渋滞していた低速太陽風が巻き込まれるという、
「玉突き事故」のような状況が原因のようです。
小さなフレアが起こした最大規模の“磁気嵐”の謎
今年の3月17日のこと、過去10年で最大規模の磁気嵐が発生し、
北海道では、オーロラが11年ぶりに観測され話題になりました。
太陽で、高速プラズマ雲の放出“コロナ質量放出”が起こると、
数日後に、その“コロナ質量放出”が地球に到達して、
地磁気が一時的に弱まる現象“磁気嵐”が発生することがあります。
その“磁気嵐”の規模が大きくなると、
極域で見られるオーロラが活発になるだけでなく、
低緯度の地域でもオーロラが見られることがあります。
でも、3月17日の“コロナ質量放出”を起こした太陽フレアは、規模が小さなもの…
なので、“磁気嵐”の規模が巨大化した原因の解明が、待たれていたんですねー
“磁気嵐”を大きくしたのは太陽風による「玉突き事故」
今回の研究では、探査機によって直接観測された、
“コロナ質量放出”の磁場、速度、密度、温度を詳しく調べています。
その結果、この“コロナ質量放出”は平均的なものと比べて、
密度が濃く、温度が高いという特徴を持っていることが分かります。
これは、“コロナ質量放出”の後ろ側から、
追い風のように吹き付けている高速太陽風によって、
“コロナ質量放出”の膨張が妨げられていたためだと考えられています。
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太陽風の玉突き事故(右:2015年3月17日)。 玉突きにならなかった場合(左:2006年12月13日)と比べて、 後方から高速風の追い風を受け、前方の渋滞した低速風を巻き込んでいる。 |
そして、磁気流体力学シミュレーションにより、
“コロナ質量放出”が太陽から地球まで伝わる様子を再現してみると、
高速と低速の太陽風に挟まれた“コロナ質量放出”の立体的な全体像が、
明らかになります。
さらに、観測された太陽風のデータを元にしたモデル計算からは、
玉突き事故のようにして、全体的に太陽風の密度が濃くなったので、
“磁気嵐”の規模が約5割増強されたことも明らかになりました。
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次期流体シミュレーションによる太陽風スピードの赤道断面図と、南北断面図の動画。 中心が太陽、X=1のところにある白い点が地球、色はスピードを、矢印は磁場の方向を表す。 右図での南(下)のほうへ広く噴き出す高速風(赤い部分)の追い風を受けながら、 地球の周りの低速風(青と水色の接触面)を押し潰していく様子が分かる。 |
大規模な“磁気嵐”は、地上の送電設備や人工衛星へ障害を与えるなど、
私たちの生活とも密接に関連してきます。
なので、小さな太陽フレアでも、
大きな“磁気嵐”が起こるという今回の教訓は、
ひじょうに重要なことになるんですねー
この研究によって、
実際に“磁気嵐”が巨大化する具体的な仕組みも明らかにすることができ、
これまでのように、大きな太陽フレアの発生時に、
太陽面の観測から“コロナ質量放出”の磁場のねじれを計算するだけでは、
“磁気嵐”の規模の予測には不十分だと分かりました。
磁気流体力学シミュレーションによって、
高速風、低速風、“コロナ質量放出”の全体像を把握し、
それらのダイナミックな変化を正確に追跡すること。
これにより、大規模な“磁気嵐”を逃さずに予測することが可能になるんですね。
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