系外惑星探査衛星“ケプラー”と位置天文衛星“ガイア”、さらに地上の望遠鏡によるフォローアップ観測により、104個の太陽系外惑星が発見されたんですねー
この数は、日本での系外惑星発見数の新記録。
中には複数の惑星が公転しているものや、1年が24時間以下という超短周期の惑星も含まれているようです。
太陽以外の恒星を公転する惑星を探す
ここ数年で盛んに行われていることがあります。
それは、太陽以外の恒星を公転する系外惑星の研究なんですねー
その大きなきっかけの1つを作ったのが、系外惑星を探すために2009年に打ち上げられたNASAの探査衛星“ケプラー”の活躍でした。
“ケプラー”が2013年5月までのメインミッションで発見した系外惑星の数は2300億近くもあるのですが、“ケプラー”は姿勢制御装置の故障のため主要ミッションを終了してしまいます。
それでも、2014年からは太陽光圧を姿勢制御に利用する“K2ミッション”を開始し、さらに数百個の系外惑星を発見します。
残念ながら“ケプラー”の運用は昨年の10月30日に終了… 原因は燃料切れでした。
でも“ケプラー”は、これまでの観測で膨大なデータを取得しているので、このデータの解析を進めていけば、まだまだ新しい発見が出てくるのかもしれません。
探査衛星で発見した候補天体を地上の望遠鏡で確認
地球から見て、惑星が恒星の手前を通過(トランジット)するときに見られるわずかな減光から、惑星の存在を知ることができます。
“ケプラー”は、このトランジットと呼ばれる現象の観測から、これまでに数多くの系外惑星を発見してきました。
ただ、このような減光現象は他の原因でも起こる可能性があります。
なので、系外惑星によるものなのかどうかを確認する作業が重要になってきます。
今回、東京大学の研究チームは、“K2ミッション”のデータと、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星“ガイア”による精密な位置測定から、155個の系外惑星の候補天体を選び出しています。
この候補天体が系外惑星なのかを確認するため、地上からの撮像観測や分光観測を行った結果を組み合わせ、候補天体から60個を系外惑星だと判断しました。
研究チームは昨年8月にも“K2ミッション”のデータから、44個の系外惑星を一度に発見しています。
探査衛星“ケプラー”の観測データから系外惑星を一度に44個も発見!
今回の60個を合わせると、わずか3か月の間に104個の系外惑星を発見したことになります。
これで“K2ミッション”で発見された系外惑星の数は300個を大きく超えることになるんですねー
発見されたのはとても多様な系外惑星
新たに発見された惑星の中に含まれているのは、複数の惑星が公転している惑星系や、これまで発見が難しかった1年が24時間以下という超短周期惑星でした。
60個中18個の質量は地球の2倍未満で、大気のほとんどない岩石惑星の可能性が高いようです。
さらに、かに座の方向約1090光年彼方に位置する“K2-187”という惑星系には4つの系外惑星が存在していて、その中の1つが超短周期惑星でした。
このような超短周期惑星がどのように形成され進化してきたのかは、まだ良く分かっていないので、最近注目され始めている天体でもあります。
発見された系外惑星の多くは主星が明るいので、その組成と大気を調べるための詳細な観測に適していました。
また、地球からの距離が近いものが多く、より詳しい追跡観測の対象となることが期待されています。
発見された系外惑星はとても多様なので、今後の系外惑星やアストロバイオロジーの研究発展に大いに役立つのかもしれません。
今年4月に打ち上げられたNASAの系外惑星探査衛星“TESS”は、運用が終了した“ケプラー”の代わりになる衛星です。
今後は、“TESS”のデータを用いた系外惑星候補の発見が増えていくことになります。
その際、今回の研究で行われたように宇宙望遠鏡と地上望遠鏡の観測を組み合わせれば、さらに多くの系外惑星を発見できるのでしょうか。
今後数年のうちに第二の地球候補になる天体がいくつ見つかるのか楽しみですねー
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トラピスト1の惑星には、地球に似た大気や大量の水が存在しているかも…
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中には複数の惑星が公転しているものや、1年が24時間以下という超短周期の惑星も含まれているようです。
太陽以外の恒星を公転する惑星を探す
ここ数年で盛んに行われていることがあります。
それは、太陽以外の恒星を公転する系外惑星の研究なんですねー
その大きなきっかけの1つを作ったのが、系外惑星を探すために2009年に打ち上げられたNASAの探査衛星“ケプラー”の活躍でした。
“ケプラー”が2013年5月までのメインミッションで発見した系外惑星の数は2300億近くもあるのですが、“ケプラー”は姿勢制御装置の故障のため主要ミッションを終了してしまいます。
それでも、2014年からは太陽光圧を姿勢制御に利用する“K2ミッション”を開始し、さらに数百個の系外惑星を発見します。
残念ながら“ケプラー”の運用は昨年の10月30日に終了… 原因は燃料切れでした。
でも“ケプラー”は、これまでの観測で膨大なデータを取得しているので、このデータの解析を進めていけば、まだまだ新しい発見が出てくるのかもしれません。
系外惑星探査衛星“ケプラー” |
探査衛星で発見した候補天体を地上の望遠鏡で確認
地球から見て、惑星が恒星の手前を通過(トランジット)するときに見られるわずかな減光から、惑星の存在を知ることができます。
“ケプラー”は、このトランジットと呼ばれる現象の観測から、これまでに数多くの系外惑星を発見してきました。
ただ、このような減光現象は他の原因でも起こる可能性があります。
なので、系外惑星によるものなのかどうかを確認する作業が重要になってきます。
今回、東京大学の研究チームは、“K2ミッション”のデータと、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星“ガイア”による精密な位置測定から、155個の系外惑星の候補天体を選び出しています。
この候補天体が系外惑星なのかを確認するため、地上からの撮像観測や分光観測を行った結果を組み合わせ、候補天体から60個を系外惑星だと判断しました。
研究チームは昨年8月にも“K2ミッション”のデータから、44個の系外惑星を一度に発見しています。
探査衛星“ケプラー”の観測データから系外惑星を一度に44個も発見!
今回の60個を合わせると、わずか3か月の間に104個の系外惑星を発見したことになります。
これで“K2ミッション”で発見された系外惑星の数は300個を大きく超えることになるんですねー
発見されたのはとても多様な系外惑星
新たに発見された惑星の中に含まれているのは、複数の惑星が公転している惑星系や、これまで発見が難しかった1年が24時間以下という超短周期惑星でした。
60個中18個の質量は地球の2倍未満で、大気のほとんどない岩石惑星の可能性が高いようです。
さらに、かに座の方向約1090光年彼方に位置する“K2-187”という惑星系には4つの系外惑星が存在していて、その中の1つが超短周期惑星でした。
このような超短周期惑星がどのように形成され進化してきたのかは、まだ良く分かっていないので、最近注目され始めている天体でもあります。
K2-187惑星系(イメージ図)。主星(一番左)の大きさは太陽の0.9倍。 惑星の大きさは主星に近いものから地球の1.3倍、1.8倍、3.2倍、2.4倍。 一番内側が超短周期惑星になる。 |
また、地球からの距離が近いものが多く、より詳しい追跡観測の対象となることが期待されています。
発見された系外惑星はとても多様なので、今後の系外惑星やアストロバイオロジーの研究発展に大いに役立つのかもしれません。
今年4月に打ち上げられたNASAの系外惑星探査衛星“TESS”は、運用が終了した“ケプラー”の代わりになる衛星です。
今後は、“TESS”のデータを用いた系外惑星候補の発見が増えていくことになります。
その際、今回の研究で行われたように宇宙望遠鏡と地上望遠鏡の観測を組み合わせれば、さらに多くの系外惑星を発見できるのでしょうか。
今後数年のうちに第二の地球候補になる天体がいくつ見つかるのか楽しみですねー
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