巨大楕円銀河“ケンタウルス座A電波源”。
今回明らかになったのは、この銀河を取り巻く衛星銀河の大半が、
共通の軌道面を同じ向きで周回していること。
このことが標準的な宇宙論に基づく予想とは合わない結果だったようです。
母銀河と衛星銀河
天の川銀河やアンドロメダ座大銀河などの周囲には、
質量がこれらの1/10から1/100ほどしかない矮小銀河が多く存在しています。
そして、これらの矮小銀河は「衛星銀河」として母銀河の周りを周回しているんですねー
ただ、これまでの宇宙論モデルに基づいた銀河形成論では、
矮小銀河のような小さい恒星系の運動方向は母銀河によってランダムに曲げられてしまいます。
現在広く受けられている“ΛCDMモデル”と呼ばれる宇宙論モデル。
ΛCDMモデル(宇宙項のある冷たいダークマターモデル)
結果、衛星銀河は母銀河の周囲にほぼ球状に分布し、軌道の方向もバラバラになるとされてきました。
衛星銀河の運動
地球から遠い銀河では衛星銀河の見かけの動きも小さいので、
運動の方向を測定するのが難しくなります。
なので、現実の衛星銀河の運動を詳しく観測して、
理論と比較した研究はあまり多くはないんですねー
これまで、衛星銀河の運動が詳しく分かっているのは、
天の川銀河と230万光年の近距離にあるアンドロメダ座大銀河の2つ。
この2つの銀河では衛星銀河の運動はランダムではなく、
多くの衛星銀河がほぼ同じ平面を同じ方向に周回していることが分かっています。
今回、スイスのバーゼル大学の研究チームが対象としたのは、
地球から1300万光年の距離にある巨大楕円銀河“ケンタウルス座A電波源(NGC 5128)”。
この銀河の過去の観測データ内から16個の衛星銀河のデータを見つけ、
その視線方向の速度を調べています。
その結果、16個の衛星銀河のうち14個がやはり共通の運動をしていて、
母銀河の周りを同じ平面内で動いていることが分かりました。
天の川銀河やアンドロメダ座大銀河が属する“局部銀河群”の外で、
このような衛星銀河の運動が見つかったのは初めてのことでした。
理論との矛盾
天の川銀河やアンドロメダ座大銀河、
そして今回のケンタウルス座A電波源の衛星銀河はランダムでなく揃った運動をしていました。
このことは、広く用いられている宇宙論モデルやシミュレーションの結果と矛盾することになります。
モデルに基づく予想では、
天の川銀河近くの銀河で衛星銀河がこのような運動パターンを示す例は、
わずか0.5%程度に過ぎないと考えられている。
今回の発見は、
銀河とその衛星銀河の分布を説明するとされてきた宇宙論モデルや、
数値シミュレーションの結果が本当に正しいのか?
という点に疑問を投げかける重要なものなんですねー
シミュレーションに何か大事な要素が抜けているのか、
あるいは基本としている理論がも違っているのか…
ひょっとすると、別の宇宙論モデルを検討すべきなのかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ
すばる望遠鏡“HSC”で挑む銀河考古学
今回明らかになったのは、この銀河を取り巻く衛星銀河の大半が、
共通の軌道面を同じ向きで周回していること。
このことが標準的な宇宙論に基づく予想とは合わない結果だったようです。
母銀河と衛星銀河
天の川銀河やアンドロメダ座大銀河などの周囲には、
質量がこれらの1/10から1/100ほどしかない矮小銀河が多く存在しています。
そして、これらの矮小銀河は「衛星銀河」として母銀河の周りを周回しているんですねー
ただ、これまでの宇宙論モデルに基づいた銀河形成論では、
矮小銀河のような小さい恒星系の運動方向は母銀河によってランダムに曲げられてしまいます。
現在広く受けられている“ΛCDMモデル”と呼ばれる宇宙論モデル。
ΛCDMモデル(宇宙項のある冷たいダークマターモデル)
結果、衛星銀河は母銀河の周囲にほぼ球状に分布し、軌道の方向もバラバラになるとされてきました。
衛星銀河の運動
地球から遠い銀河では衛星銀河の見かけの動きも小さいので、
運動の方向を測定するのが難しくなります。
なので、現実の衛星銀河の運動を詳しく観測して、
理論と比較した研究はあまり多くはないんですねー
これまで、衛星銀河の運動が詳しく分かっているのは、
天の川銀河と230万光年の近距離にあるアンドロメダ座大銀河の2つ。
この2つの銀河では衛星銀河の運動はランダムではなく、
多くの衛星銀河がほぼ同じ平面を同じ方向に周回していることが分かっています。
今回、スイスのバーゼル大学の研究チームが対象としたのは、
地球から1300万光年の距離にある巨大楕円銀河“ケンタウルス座A電波源(NGC 5128)”。
この銀河の過去の観測データ内から16個の衛星銀河のデータを見つけ、
その視線方向の速度を調べています。
その結果、16個の衛星銀河のうち14個がやはり共通の運動をしていて、
母銀河の周りを同じ平面内で動いていることが分かりました。
天の川銀河やアンドロメダ座大銀河が属する“局部銀河群”の外で、
このような衛星銀河の運動が見つかったのは初めてのことでした。
ケンタウルス座A電波源 |
理論との矛盾
天の川銀河やアンドロメダ座大銀河、
そして今回のケンタウルス座A電波源の衛星銀河はランダムでなく揃った運動をしていました。
このことは、広く用いられている宇宙論モデルやシミュレーションの結果と矛盾することになります。
モデルに基づく予想では、
天の川銀河近くの銀河で衛星銀河がこのような運動パターンを示す例は、
わずか0.5%程度に過ぎないと考えられている。
今回の発見は、
銀河とその衛星銀河の分布を説明するとされてきた宇宙論モデルや、
数値シミュレーションの結果が本当に正しいのか?
という点に疑問を投げかける重要なものなんですねー
シミュレーションに何か大事な要素が抜けているのか、
あるいは基本としている理論がも違っているのか…
ひょっとすると、別の宇宙論モデルを検討すべきなのかもしれませんね。
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