これまで活躍していた“ひまわり7号”に代わり、
アジア・太平洋地域の天気や地球環境の観測を担うのが、
新型静止気象衛星“ひまわり8号”です。
本格的に運用を開始したのは7月7日の11時からで、
すでに気象庁のウェブサイトで“ひまわり8号”からの画像を、
見ることができます。
“ひまわり8号”は2014年10月7日に、
H-IIAロケットに搭載され、種子島宇宙センターから打ち上げられました。
その後、衛星は約10日間をかけて、観測拠点となる東経140度の軌道に移動。
観測機器や地上との連携などの試験を行い、観測開始に向けた準備を進めていました。
そして問題なく観測できることが確認されたので、
7月7日の11時をもって、“ひまわり7号”から運用をバトンタッチしたんですねー
世界最先端の可視赤外放射計
“ひまわり8号”は、
“ひまわり6号”(2005年に打ち上げ)と“ひまわり7号”(2006年に打ち上げ)の
後継機となる衛星で、性能が大幅に向上しています。
最大の特徴は、世界最先端の能力を持つ可視赤外放射計“AHI”の搭載です。
これは“ひまわり6号”や“ひまわり7号”に搭載されている、
可視赤外放射計と比べてひじょうに高性能で、
より詳しい雲の様子を観測することが可能になっています。
“AHI”はアメリカのエクセリス社で製造されたものを輸入し、
“ひまわり8号”に搭載されています。
エクセリス社は、
アメリカの次期静止気象衛星“GOES-R”シリーズに搭載予定の、
可視赤外放射計“ABI”の製造も行っていて、
“AHI”と“ABI”は、ほぼ同等の機能をもっているそうです。
3つの進化
“ひまわり8号”は、この“AHI”の搭載により、
6号と7号”から大きく3つの点で進化を遂げています。
まず、画像の解像度が約2倍になったこと。
6号と7号では、可視域の分解能が1キロ、赤外域で4キロでした。
でも8号では、可視域が0.5キロ、赤外域が2キロにまで向上しています。
そして観測できる種別(チャンネル)が約3倍に増えたこと。
6号と7号では可視域では1チャンネルで白黒画像しか撮影できず、
赤外域は4チャンネルでした。
それが8号では可視域が3チャンネルに増え、カラー画像が撮影できるようになり、
赤外域も13チャンネルまで増えています。
さらに、6号と7号では約30分かかっていた衛星から見える全範囲の観測は、
8号では10分に短縮。
地域を限定すれば、2.5分ごとの観測も可能になっています。
これらの進化によって、
雲の移動や発達の様子を、これまでよりも詳しく観測できるようになり、
また火山灰の分布も詳しく把握できるようになるそうです。
風や気温などの時間変化をコンピュータで計算して、
将来の大気の状態を予測する数値予報でも、
“ひまわり8号”で得られたデータは、大いに役立つことになります。
運用は民間委託
“ひまわり8号”の製造は三菱電気が担当しています。
打ち上げ時の質量は約3500キロで、東経約140度の静止軌道で運用され、
設計寿命は観測機器が8年以上、衛星本体は15年以上と見込まれています。
運用は気象庁が担当するのですが、
衛星からのデータ受信といった実際の管制業務は、
民間に委託することになります。
新たに設立された気象衛星ひまわり運用事業株式会社が担当することで、
運用コストの削減をはかるそうです。
なお、今後“ひまわり7号”は、“ひまわり8号”のバックアップとして、
万が一8号が故障したりした場合に備えて待機します。
一方、これまで7号のバックアップに就いていた“ひまわり6号”は、
2015年中に運用を終える予定です。
また2016年度には、
“ひまわり8号”の同型機である“ひまわり9号”の打ち上げが、
予定されているんですねー
打ち上げ後には8号のバックアップとして7号と代わり待機し、
2022年からは立場が入れ替わり、9号がメインで8号がバックアップに入ります。
気象庁単独の資金で開発された初の衛星
8号と9号は、
気象庁単独の資金で開発される初の衛星になります。
“ひまわり”の1号と2号は科学技術試験衛星、
また3号から5号は科学技術衛星という扱いだったので、
科学技術庁が費用の全て、もしくはかなりの額を負担していました。
また6号と7号は、
航空保安システム機器を搭載した運輸多目的衛星だったので、
国土交通省航空局が約70%を負担。
運輸多目的衛星のように、他ミッションとの複合衛星にすることは、
8号と9号でも検討されたのですが、相手が見つからず…
一方で、6号と7号の寿命が近づいていたので、
最終的には、気象庁が全額負担して開発されることになったということです。
8号と9号の打ち上げは、2年ほど間隔が開くことになり、
その間のバックアップは7号が努めることになります。
ただ、7号は2006年に打ち上げられ、
設計寿命は10年なので、2016年のはじめには寿命を迎えるんですねー
なので、7号から9号へ無事バックアップ任務が引き継げるかが、
気象庁の今後の課題になるそうです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 気象庁の静止気象衛星“ひまわり8号”が完成しました。
アジア・太平洋地域の天気や地球環境の観測を担うのが、
新型静止気象衛星“ひまわり8号”です。
本格的に運用を開始したのは7月7日の11時からで、
すでに気象庁のウェブサイトで“ひまわり8号”からの画像を、
見ることができます。
“ひまわり8号”は2014年10月7日に、
H-IIAロケットに搭載され、種子島宇宙センターから打ち上げられました。
その後、衛星は約10日間をかけて、観測拠点となる東経140度の軌道に移動。
観測機器や地上との連携などの試験を行い、観測開始に向けた準備を進めていました。
そして問題なく観測できることが確認されたので、
7月7日の11時をもって、“ひまわり7号”から運用をバトンタッチしたんですねー
世界最先端の可視赤外放射計
“ひまわり8号”は、
“ひまわり6号”(2005年に打ち上げ)と“ひまわり7号”(2006年に打ち上げ)の
後継機となる衛星で、性能が大幅に向上しています。
最大の特徴は、世界最先端の能力を持つ可視赤外放射計“AHI”の搭載です。
これは“ひまわり6号”や“ひまわり7号”に搭載されている、
可視赤外放射計と比べてひじょうに高性能で、
より詳しい雲の様子を観測することが可能になっています。
“AHI”はアメリカのエクセリス社で製造されたものを輸入し、
“ひまわり8号”に搭載されています。
エクセリス社は、
アメリカの次期静止気象衛星“GOES-R”シリーズに搭載予定の、
可視赤外放射計“ABI”の製造も行っていて、
“AHI”と“ABI”は、ほぼ同等の機能をもっているそうです。
3つの進化
“ひまわり8号”は、この“AHI”の搭載により、
6号と7号”から大きく3つの点で進化を遂げています。
まず、画像の解像度が約2倍になったこと。
6号と7号では、可視域の分解能が1キロ、赤外域で4キロでした。
でも8号では、可視域が0.5キロ、赤外域が2キロにまで向上しています。
そして観測できる種別(チャンネル)が約3倍に増えたこと。
6号と7号では可視域では1チャンネルで白黒画像しか撮影できず、
赤外域は4チャンネルでした。
それが8号では可視域が3チャンネルに増え、カラー画像が撮影できるようになり、
赤外域も13チャンネルまで増えています。
さらに、6号と7号では約30分かかっていた衛星から見える全範囲の観測は、
8号では10分に短縮。
地域を限定すれば、2.5分ごとの観測も可能になっています。
これらの進化によって、
雲の移動や発達の様子を、これまでよりも詳しく観測できるようになり、
また火山灰の分布も詳しく把握できるようになるそうです。
風や気温などの時間変化をコンピュータで計算して、
将来の大気の状態を予測する数値予報でも、
“ひまわり8号”で得られたデータは、大いに役立つことになります。
静止気象衛星“ひまわり8号”で観測した画像 |
運用は民間委託
“ひまわり8号”の製造は三菱電気が担当しています。
打ち上げ時の質量は約3500キロで、東経約140度の静止軌道で運用され、
設計寿命は観測機器が8年以上、衛星本体は15年以上と見込まれています。
運用は気象庁が担当するのですが、
衛星からのデータ受信といった実際の管制業務は、
民間に委託することになります。
新たに設立された気象衛星ひまわり運用事業株式会社が担当することで、
運用コストの削減をはかるそうです。
なお、今後“ひまわり7号”は、“ひまわり8号”のバックアップとして、
万が一8号が故障したりした場合に備えて待機します。
一方、これまで7号のバックアップに就いていた“ひまわり6号”は、
2015年中に運用を終える予定です。
また2016年度には、
“ひまわり8号”の同型機である“ひまわり9号”の打ち上げが、
予定されているんですねー
打ち上げ後には8号のバックアップとして7号と代わり待機し、
2022年からは立場が入れ替わり、9号がメインで8号がバックアップに入ります。
気象庁単独の資金で開発された初の衛星
8号と9号は、
気象庁単独の資金で開発される初の衛星になります。
“ひまわり”の1号と2号は科学技術試験衛星、
また3号から5号は科学技術衛星という扱いだったので、
科学技術庁が費用の全て、もしくはかなりの額を負担していました。
また6号と7号は、
航空保安システム機器を搭載した運輸多目的衛星だったので、
国土交通省航空局が約70%を負担。
運輸多目的衛星のように、他ミッションとの複合衛星にすることは、
8号と9号でも検討されたのですが、相手が見つからず…
一方で、6号と7号の寿命が近づいていたので、
最終的には、気象庁が全額負担して開発されることになったということです。
8号と9号の打ち上げは、2年ほど間隔が開くことになり、
その間のバックアップは7号が努めることになります。
ただ、7号は2006年に打ち上げられ、
設計寿命は10年なので、2016年のはじめには寿命を迎えるんですねー
なので、7号から9号へ無事バックアップ任務が引き継げるかが、
気象庁の今後の課題になるそうです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 気象庁の静止気象衛星“ひまわり8号”が完成しました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます