太陽系の外に変な惑星が見つかりました。
その星では、1つの季節が140年も続き、影はときどき3重に、
空から鉄の雨が降ってきて、日の出と日の入りが見事なまでにバラバラ…
さらに、空に見える太陽の数は、
1つのときも、2つのときも、3つのときもあるそうです。
地球から見て、ケンタウルス座の方向340光年の彼方に、
この変な惑星“HD 131399Ab”があるんですねー
大きな恒星とお互いを回る小さな2つの恒星
この惑星“HD 131399Ab”は大きさが木星の4倍もあり、
直接撮影することができた数少ない太陽系外惑星の1つになります。
そして、この星から空を見上げると、
3つの太陽(恒星)が複雑怪奇な動きをしているんですねー
3つの恒星は大きい方から順に131399A、B、Cになります。
原因は、3つの恒星と惑星の軌道にあるようです。
惑星は550年の周期で、青白く巨大な恒星Aの周りを公転し、
小さい恒星BとCは、お互いの周りを公転する連星になり、
この連星が恒星Aの周りを公転しています。
この入り組んだ軌道のおかげで、
惑星から見る3つの恒星の動きは、とても複雑になるそうです。
連星や三連星のうち1つの恒星のまわりを公転する惑星は、
これまでに数多く見つかっていて
連星系の外側を回る“周連星惑星”の存在も知られています。
それでも今回の惑星“HD 13199Ab”は特別な存在になるんですねー
それは天文学者が、
超大型望遠鏡“VLT”の観測装置“SPHERE”を使って直接観測できた点と、
この星がそう長くは生きられそうにないからです。
微妙なバランスで成立
じつは宇宙では、
太陽系のような単独の恒星の方が珍しいことが分かっています。
太陽の近傍にある恒星のほとんどが、
一緒に生まれ育った別の恒星とペアになっているんですねー
太陽の近傍にある恒星の約50~60%が連星系を作っていて、
そのうちの10%が惑星をもっていると考えられています。
そのため天文学者は、多くの惑星は連星の周りを回っていると予測しています。
でも、このような系を形成するには、
惑星の軌道と材料の分布の間に、絶妙なバランスが取られている必要があります。
そのバランスが崩れると、惑星は悲惨な運命をたどることになります。
多重星系の中で生まれようとする惑星は、
お互いの周りを公転する連星に引き込まれて消滅したり、
外にはじき出されて、果てしない銀河の暗闇の中を永遠にさまようこと…
そう、惑星が多重星系の中で生き残るためには、
一定の要件を満たす必要があることになります。
惑星“HD 131399Ab”は、少なくとも1600万年は生き残っているので、
こうした条件をかろうじて満たしているようです。
太陽から冥王星までの約2倍の距離になる約122億キロが、
恒星Aから“HD 131399Ab”までの平均距離になります。
ただ、同じく恒星Aの周りを公転している、連星BCとは近すぎる距離になり、
惑星は恒星Aと連星BCの間の不安定領域に存在することになります。
このため惑星が今の位置に落ち着いたのは、
恒星Aにもっと近いところで連星BCの影響を受けずに形成され、
何らかの理由により恒星Aから遠ざかったからではないかと考えています。
現時点では惑星の軌道は正確には決定されていません。
なので、さらに外に向かって旅を続ければ、
銀河系の中をさまよう数十億個の自由浮遊惑星の1つとして、
終わる可能性もあります。
惑星が非常に長く延びた軌道を回っている場合は、
今後数千年から1万年で外に放り出されてしまうことが考えられます。
どの恒星とも関連のない空間に、
惑星ほどの質量の天体が自由に浮遊している…
このような例が多数知られています。
惑星にはかわいそうですが、これは面白い可能性なんですねー
鉄の雨が降る惑星
天文学者たちの観測によって、
惑星“HD 131399Ab”自体の姿も明らかになり始めています。
重力の影響や影によってしか、
その存在を知ることができない大多数の太陽系外惑星とは違い、
“HD 131399Ab”は直接観測ができるので、
大気についても詳細に知ることができるからです。
“HD 131399Ab”は木星や土星のように、
その大気は主に水素とヘリウムで構成されていて、
微量の水とメタンもあるようです。
でも、木星がはっきりした模様の雲に包まれているのとは違い、
“HD 131399Ab”には、ほとんど雲がありません。
よく晴れているか、せいぜい部分的に雲があるだけのようですが、
大気の下層ではケイ酸塩の岩石粒子が雲を形成しています。
さらに下層では、
温度がもっと高くなるので、高温の大気から鉄のしずくが凝結して、
鉄の雨が降っている可能性もあるそうです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ アルマ望遠鏡で分かってきた連星系での惑星形成
その星では、1つの季節が140年も続き、影はときどき3重に、
空から鉄の雨が降ってきて、日の出と日の入りが見事なまでにバラバラ…
さらに、空に見える太陽の数は、
1つのときも、2つのときも、3つのときもあるそうです。
地球から見て、ケンタウルス座の方向340光年の彼方に、
この変な惑星“HD 131399Ab”があるんですねー
3つの太陽を持つ惑星“HD 131399Ab”のイメージ図。 |
大きな恒星とお互いを回る小さな2つの恒星
この惑星“HD 131399Ab”は大きさが木星の4倍もあり、
直接撮影することができた数少ない太陽系外惑星の1つになります。
そして、この星から空を見上げると、
3つの太陽(恒星)が複雑怪奇な動きをしているんですねー
3つの恒星は大きい方から順に131399A、B、Cになります。
原因は、3つの恒星と惑星の軌道にあるようです。
惑星は550年の周期で、青白く巨大な恒星Aの周りを公転し、
小さい恒星BとCは、お互いの周りを公転する連星になり、
この連星が恒星Aの周りを公転しています。
この入り組んだ軌道のおかげで、
惑星から見る3つの恒星の動きは、とても複雑になるそうです。
連星や三連星のうち1つの恒星のまわりを公転する惑星は、
これまでに数多く見つかっていて
連星系の外側を回る“周連星惑星”の存在も知られています。
それでも今回の惑星“HD 13199Ab”は特別な存在になるんですねー
それは天文学者が、
超大型望遠鏡“VLT”の観測装置“SPHERE”を使って直接観測できた点と、
この星がそう長くは生きられそうにないからです。
微妙なバランスで成立
じつは宇宙では、
太陽系のような単独の恒星の方が珍しいことが分かっています。
太陽の近傍にある恒星のほとんどが、
一緒に生まれ育った別の恒星とペアになっているんですねー
太陽の近傍にある恒星の約50~60%が連星系を作っていて、
そのうちの10%が惑星をもっていると考えられています。
そのため天文学者は、多くの惑星は連星の周りを回っていると予測しています。
でも、このような系を形成するには、
惑星の軌道と材料の分布の間に、絶妙なバランスが取られている必要があります。
そのバランスが崩れると、惑星は悲惨な運命をたどることになります。
多重星系の中で生まれようとする惑星は、
お互いの周りを公転する連星に引き込まれて消滅したり、
外にはじき出されて、果てしない銀河の暗闇の中を永遠にさまようこと…
そう、惑星が多重星系の中で生き残るためには、
一定の要件を満たす必要があることになります。
惑星“HD 131399Ab”は、少なくとも1600万年は生き残っているので、
こうした条件をかろうじて満たしているようです。
太陽から冥王星までの約2倍の距離になる約122億キロが、
恒星Aから“HD 131399Ab”までの平均距離になります。
ただ、同じく恒星Aの周りを公転している、連星BCとは近すぎる距離になり、
惑星は恒星Aと連星BCの間の不安定領域に存在することになります。
このため惑星が今の位置に落ち着いたのは、
恒星Aにもっと近いところで連星BCの影響を受けずに形成され、
何らかの理由により恒星Aから遠ざかったからではないかと考えています。
現時点では惑星の軌道は正確には決定されていません。
なので、さらに外に向かって旅を続ければ、
銀河系の中をさまよう数十億個の自由浮遊惑星の1つとして、
終わる可能性もあります。
惑星が非常に長く延びた軌道を回っている場合は、
今後数千年から1万年で外に放り出されてしまうことが考えられます。
どの恒星とも関連のない空間に、
惑星ほどの質量の天体が自由に浮遊している…
このような例が多数知られています。
惑星にはかわいそうですが、これは面白い可能性なんですねー
鉄の雨が降る惑星
天文学者たちの観測によって、
惑星“HD 131399Ab”自体の姿も明らかになり始めています。
重力の影響や影によってしか、
その存在を知ることができない大多数の太陽系外惑星とは違い、
“HD 131399Ab”は直接観測ができるので、
大気についても詳細に知ることができるからです。
“HD 131399Ab”は木星や土星のように、
その大気は主に水素とヘリウムで構成されていて、
微量の水とメタンもあるようです。
でも、木星がはっきりした模様の雲に包まれているのとは違い、
“HD 131399Ab”には、ほとんど雲がありません。
よく晴れているか、せいぜい部分的に雲があるだけのようですが、
大気の下層ではケイ酸塩の岩石粒子が雲を形成しています。
さらに下層では、
温度がもっと高くなるので、高温の大気から鉄のしずくが凝結して、
鉄の雨が降っている可能性もあるそうです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ アルマ望遠鏡で分かってきた連星系での惑星形成
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