これまで新星爆発は、元素を生み出す現場として考えられていませんでした。
それが今回、新星爆発でもリチウムが放出されることがシミュレーションから分かってきたんですねー
天の川銀河のリチウムには、新星爆発が由来のものがかなり含まれているようです。
白色矮星と普通の星の連星系で起こる爆発現象
今回の研究を進めているのはアメリカ・アリゾナ州立大学の研究チーム。
新星爆発でかなりの量のリチウムが宇宙空間に放出されることを、数値シミュレーションで明らかにしています。
新星は、白色矮星と普通の星の連星系で起こる爆発現象です。
まず、相手の星から白色矮星に向かってガス(主に水素)が少しずつ降り積もりと、やがて積もったガス層の底で水素の核融合反応が始まります。
この反応は、恒星の中心部で起こる安定した核融合とは違い、いったん反応が始まるとガスの温度が上がり続けていくんですねー
白色矮星は、この温度上昇によって、ますます反応速度が上がるという不安定な性質を持つことに…
この暴走した核融合反応によって、降り積もったガスと白色矮星の物質の一部が爆発的に宇宙空間に吹き飛ばされる現象が新星爆発です。
爆発の頻度は白色矮星の質量や、降り積もるガスの量によって変わってきます。
新星爆発には数千年~数万年ごとに爆発する“古典新星”や、数十年おきに爆発を繰り返す“再帰新星(回帰新星、反復新星)”などがあります。
新星爆発もいくつかの元素の供給している
新星は、元素を生み出す現場としても注目されています。
現在の元素合成の理論では、宇宙に存在する100種類ほどの元素のうち、最も軽い水素とヘリウム、それにごく少量のリチウムが、ビッグバン直後の熱い宇宙の中で合成されたと考えられています。
残りの元素は、ほぼ全てが後の時代に恒星内部の核融合反応や、大質量星の最期である超新星爆発、中性子星同士の合体現象で合成されたものになります。
ただ、最近では新星爆発もいくつかの元素の供給源になっていると考えられているんですねー
中でもリチウムについては、爆発直後の新星の観測から、リチウムの元になるベリリウム7の放出という証拠が見つかっています。
研究チームではこうした観測結果を踏まえて、新星によってリチウムのような元素がどのくらい放出されるかを数値シミュレーションで調査。
すると、白色矮星の表面に降り積もったガスの中で、ヘリウム3とヘリウム4からベリリウム7が合成される核融合反応が起こり、これが新星爆発で放出される様子が再現されました。
この後、ベリリウム7はリチウム7に変化することになります。
研究チームが天の川銀河全体で新星から供給されるリチウムの量を見積もってみると、太陽質量の約100倍という結果になります。
この数値は、天の川銀河に存在するリチウムの総量の約1割を占めるものでした。
リチウムは耐熱ガラスやセラミックス、リチウム電池、リチウムイオン電池、向精神薬など、広い用途に使われている重要な物質。
この元素が宇宙のどこから来たのかを知ることができたこと。っが今回の研究の成果のひとつになりそうです。
新星がIa型超新星の親星になることもある
さらに研究チームでは、白色矮星と普通の星の連星系がやがてIa型超新星になるかどうかも調べています。
Ia型超新星は、何らかの原因で白色矮星の質量が太陽の約1.4倍(チャンドラセカール限界質量)を超えた場合に星全体が爆発する現象です。
新星の場合だと、降り積もったガスよりも爆発で放出される質量の方が多くなると考えられています。
なので、白色矮星の質量は増えることはなくIa型超新星にはならないと、これまで考えられていました。
そこで、研究チームが行ったのは、最初の白色矮星の質量や降り積もるガスの量、降り積もったガスと白色矮星の表面物質との混ざり具合など、様々な条件を変えたシミュレーションでした。
その結果は、多くのケースで新星爆発により放出される物質の量は、降り積もったガスの量を超えないというものでした。
これが正しいとすると、爆発を繰り返しながらも白色矮星の質量は次第に重くなるはずです。
そうすると、やがてはチャンドラセカール限界質量を超えてIa型超新星になることもできます。
そう、これが今回の研究のもう一つの成果。
新星がIa型超新星の親星になりうることを示す重要なものです。
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重い元素はどうやって作られるの? まずは矮小銀河で観測されたストロンチウムの起源を調べてみよう。
それが今回、新星爆発でもリチウムが放出されることがシミュレーションから分かってきたんですねー
天の川銀河のリチウムには、新星爆発が由来のものがかなり含まれているようです。
白色矮星と普通の星の連星系で起こる爆発現象
今回の研究を進めているのはアメリカ・アリゾナ州立大学の研究チーム。
新星爆発でかなりの量のリチウムが宇宙空間に放出されることを、数値シミュレーションで明らかにしています。
新星は、白色矮星と普通の星の連星系で起こる爆発現象です。
まず、相手の星から白色矮星に向かってガス(主に水素)が少しずつ降り積もりと、やがて積もったガス層の底で水素の核融合反応が始まります。
この反応は、恒星の中心部で起こる安定した核融合とは違い、いったん反応が始まるとガスの温度が上がり続けていくんですねー
白色矮星は、この温度上昇によって、ますます反応速度が上がるという不安定な性質を持つことに…
この暴走した核融合反応によって、降り積もったガスと白色矮星の物質の一部が爆発的に宇宙空間に吹き飛ばされる現象が新星爆発です。
爆発の頻度は白色矮星の質量や、降り積もるガスの量によって変わってきます。
新星爆発には数千年~数万年ごとに爆発する“古典新星”や、数十年おきに爆発を繰り返す“再帰新星(回帰新星、反復新星)”などがあります。
新星の一例、へびつかい座RSのイラスト。大きく膨らんだ星(右)から白色矮星(左)に向かって絶えずガスが降り積もっていて、積もったガスの温度が約1000万度を超えると暴走的な核融合を起こし、表面の物質を吹き飛ばす。へびつかい座の方向約5000光年の距離にある連星系で、約20年ごとに爆発を起こす回帰新星に分類されている。(Credit: David A. Hardy) |
新星爆発もいくつかの元素の供給している
新星は、元素を生み出す現場としても注目されています。
現在の元素合成の理論では、宇宙に存在する100種類ほどの元素のうち、最も軽い水素とヘリウム、それにごく少量のリチウムが、ビッグバン直後の熱い宇宙の中で合成されたと考えられています。
残りの元素は、ほぼ全てが後の時代に恒星内部の核融合反応や、大質量星の最期である超新星爆発、中性子星同士の合体現象で合成されたものになります。
ただ、最近では新星爆発もいくつかの元素の供給源になっていると考えられているんですねー
中でもリチウムについては、爆発直後の新星の観測から、リチウムの元になるベリリウム7の放出という証拠が見つかっています。
研究チームではこうした観測結果を踏まえて、新星によってリチウムのような元素がどのくらい放出されるかを数値シミュレーションで調査。
すると、白色矮星の表面に降り積もったガスの中で、ヘリウム3とヘリウム4からベリリウム7が合成される核融合反応が起こり、これが新星爆発で放出される様子が再現されました。
この後、ベリリウム7はリチウム7に変化することになります。
ベリリウムの放射性同位元素の一つベリリウム7は、約53日の半減期でリチウム7に変わっていく。
研究チームが天の川銀河全体で新星から供給されるリチウムの量を見積もってみると、太陽質量の約100倍という結果になります。
この数値は、天の川銀河に存在するリチウムの総量の約1割を占めるものでした。
リチウムは耐熱ガラスやセラミックス、リチウム電池、リチウムイオン電池、向精神薬など、広い用途に使われている重要な物質。
この元素が宇宙のどこから来たのかを知ることができたこと。っが今回の研究の成果のひとつになりそうです。
新星がIa型超新星の親星になることもある
さらに研究チームでは、白色矮星と普通の星の連星系がやがてIa型超新星になるかどうかも調べています。
Ia型超新星は、何らかの原因で白色矮星の質量が太陽の約1.4倍(チャンドラセカール限界質量)を超えた場合に星全体が爆発する現象です。
新星の場合だと、降り積もったガスよりも爆発で放出される質量の方が多くなると考えられています。
なので、白色矮星の質量は増えることはなくIa型超新星にはならないと、これまで考えられていました。
そこで、研究チームが行ったのは、最初の白色矮星の質量や降り積もるガスの量、降り積もったガスと白色矮星の表面物質との混ざり具合など、様々な条件を変えたシミュレーションでした。
その結果は、多くのケースで新星爆発により放出される物質の量は、降り積もったガスの量を超えないというものでした。
これが正しいとすると、爆発を繰り返しながらも白色矮星の質量は次第に重くなるはずです。
そうすると、やがてはチャンドラセカール限界質量を超えてIa型超新星になることもできます。
そう、これが今回の研究のもう一つの成果。
新星がIa型超新星の親星になりうることを示す重要なものです。
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