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いつ、どのように形成されたの? “バッファロー”は初期宇宙に存在する銀河を発見・観測するハッブル宇宙望遠鏡のミッション

2018年10月04日 | 宇宙 space
初期宇宙に存在するたくさんの銀河を発見・観測して、銀河の進化に迫るミッション“バッファロー”が始まりました。

“バッファロー”は、ハッブル宇宙望遠鏡と銀河団の質量が生み出す重力レンズ効果を組み合わせることで、遠方にある暗くて検出できない銀河をとらえるミッションなんですねー

今回公開された画像には、遠方の渦巻銀河が重力レンズの効果を受けている様子が写っていたようですよ。


初期宇宙に存在する銀河をたくさん発見・観測するミッション

宇宙で最初に誕生した銀河の形成と進化を知ることは、宇宙を理解する上で不可欠なことになります。

これまでにもハッブル宇宙望遠鏡などによる観測で、非常に遠方の銀河(初期宇宙に存在する銀河)が見つかっているんですねー

ただ、見つけた数が少ないので、果たしてそれらが初期宇宙の銀河を代表する存在なのかどうか… 判断するのは難しいことになります。

そこで今回始まったのが、ハッブル宇宙望遠鏡を使った新しいミッション“バッファロー”です!

このミッションの目的は、より多くの初期宇宙に存在する銀河を発見・観測して銀河の進化に迫ること。

2013年から2017年までに6つの銀河団を観測したミッション“フロンティア・フィールド”の後継になるもので、“バッファロー”はより広い範囲の観測を行うことになります。


重力レンズとハッブル宇宙望遠鏡を組み合わせてみると

銀河団に含まれる膨大な質量が生み出す重力によって、銀河団の背後に位置する遠方の天体からの光は曲げられたり明るくなったりします。

この“重力レンズ”効果を利用すると、ハッブル宇宙望遠鏡の高い能力でも検出できないような暗い天体の姿までとらえることができるようになります。

さらに、ハッブル宇宙望遠鏡と銀河団の重力レンズ効果を組み合わせると、もっと遠方に位置する初期宇宙の銀河を観測できるというわけです。

今回、公開された画像は、くじら座の方向約40億光年彼方に位置する銀河団“Abell 370”とその周辺の様子。
弧状に引き伸ばされている像が、銀河団の重力レンズ効果を受けた遠方の銀河になります。

特に目を引くのが“ドラゴン”という愛称がついている画像。
中央やや左下の像は1個の渦巻銀河の像がいくつも重なって見えているんですねー
○○○
銀河団“Abell 370”
“バッファロー”の具体的な目的は、最も質量が大きく明るい銀河がいつどのように形成されたのか?
また、宇宙初期の銀河形成がダークマターとどのように関係しているのかを調べることにあります。

さらに、観測で得られる広い視野の情報から、各銀河団に存在する普通の物質とダークマターの両方の分布について、これまでより質の高い3次元マップを描くことも可能になります。

重力レンズの役割を果たしている銀河団の進化や、ダークマターの性質などに関する情報も、この分布から得ることができるようですよ。


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