ハワイの“すばる望遠鏡”により、
“おうし座”の方向にある恒星をとりまく、原始惑星系円盤の姿が直接とらえられました。
原始惑星系円盤とは、生まれたばかりの恒星を取り巻くガスとチリの円盤で、その中から惑星が生まれます。
今回の円盤の中には、単純な球形ではない、比較的大きなチリの粒子が含まれているんですねー
こうした粒子の衝突合体から、惑星が生まれる途上にあると見られています。
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“すばる望遠鏡”による
近赤外線偏光観測で
とらえられた
“おうし座UX A星”と
周囲の原始惑星系円盤
2009年12月に国際研究チームが、“すばる望遠鏡”を用いて約450光年かなたにある“おうし座UX A星”の近赤外線観測を行いました。
観測では特に、円盤に含まれるわずかなチリの分布を調べるために、光の波としての性質を利用する偏光観測を行っています。
偏光観測とは、光の振動方向の偏りを測る観測方法です。
チリの微粒子は衝突合体をくりかえして、惑星に生長する可能性があります。
なので、その表面で生じる近赤外線の反射の性質を調べることは、惑星の生い立ちを知るうえで重要な手掛かりになるんですねー
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“おうし座UX A星”を取り囲む
原始惑星系円盤のモデル
原始惑星系円盤に含まれる
チリ粒子で反射されて届く
光(紫の矢印)の偏光度から
円盤の性質を調べることができる
観測の結果、原始惑星系円盤は半径120天文単位まで広がり、南北方向にやや伸びていることが分かりました。
さらに西側が東側に比べてやや明るいことから、正面に対して東西方向に傾いた円盤を見ていると考えられています。
また、円盤から来る光が、強い偏光を示していることが分かりました。
偏光の向きの角度分布は、中心星を中心とする同心円状になっていて、偏光度は偏光角によって大きく変化しています。
今までは、偏光の向きによらずに、高い偏光度を示す天体が多く検出されてきました。
でも、この天体は偏光の向きによって、偏光度が2%から66%と大きく変化するんですねー
今回の研究では、この見慣れない観測結果の解釈に非常に苦労したそうです。
円盤の中の場所によらず偏光度が高いケースは、サイズがじゅうぶんに小さい球形粒子による光の反射で説明できます。
でも、今回のような観測結果は、このような既存のモデルでは説明できないんですねー
いろいろ考えたあげく、
「単純な球形ではない、しかも観測波長に比べてじゅうぶんに大きい30μm程度のチリ粒子が、中心星からの光を反射している。」
とすると、全てつじつまが合うことが分かりました。
“おうし座UX A星”の円盤に見られるチリは、もともと星間空間に存在していた0.1μm程度の小さなチリの粒が、頻繁に衝突・合体することにより、30μmほどの大きさまで成長したものと考えられます。
今回の観測は、惑星の材料であるチリの粒が、惑星へと成長する過程の第一歩をとらえたもの… かもしれませんね。
“おうし座”の方向にある恒星をとりまく、原始惑星系円盤の姿が直接とらえられました。
原始惑星系円盤とは、生まれたばかりの恒星を取り巻くガスとチリの円盤で、その中から惑星が生まれます。
今回の円盤の中には、単純な球形ではない、比較的大きなチリの粒子が含まれているんですねー
こうした粒子の衝突合体から、惑星が生まれる途上にあると見られています。
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“すばる望遠鏡”による
近赤外線偏光観測で
とらえられた
“おうし座UX A星”と
周囲の原始惑星系円盤
2009年12月に国際研究チームが、“すばる望遠鏡”を用いて約450光年かなたにある“おうし座UX A星”の近赤外線観測を行いました。
観測では特に、円盤に含まれるわずかなチリの分布を調べるために、光の波としての性質を利用する偏光観測を行っています。
偏光観測とは、光の振動方向の偏りを測る観測方法です。
チリの微粒子は衝突合体をくりかえして、惑星に生長する可能性があります。
なので、その表面で生じる近赤外線の反射の性質を調べることは、惑星の生い立ちを知るうえで重要な手掛かりになるんですねー
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“おうし座UX A星”を取り囲む
原始惑星系円盤のモデル
原始惑星系円盤に含まれる
チリ粒子で反射されて届く
光(紫の矢印)の偏光度から
円盤の性質を調べることができる
観測の結果、原始惑星系円盤は半径120天文単位まで広がり、南北方向にやや伸びていることが分かりました。
さらに西側が東側に比べてやや明るいことから、正面に対して東西方向に傾いた円盤を見ていると考えられています。
また、円盤から来る光が、強い偏光を示していることが分かりました。
偏光の向きの角度分布は、中心星を中心とする同心円状になっていて、偏光度は偏光角によって大きく変化しています。
今までは、偏光の向きによらずに、高い偏光度を示す天体が多く検出されてきました。
でも、この天体は偏光の向きによって、偏光度が2%から66%と大きく変化するんですねー
今回の研究では、この見慣れない観測結果の解釈に非常に苦労したそうです。
円盤の中の場所によらず偏光度が高いケースは、サイズがじゅうぶんに小さい球形粒子による光の反射で説明できます。
でも、今回のような観測結果は、このような既存のモデルでは説明できないんですねー
いろいろ考えたあげく、
「単純な球形ではない、しかも観測波長に比べてじゅうぶんに大きい30μm程度のチリ粒子が、中心星からの光を反射している。」
とすると、全てつじつまが合うことが分かりました。
“おうし座UX A星”の円盤に見られるチリは、もともと星間空間に存在していた0.1μm程度の小さなチリの粒が、頻繁に衝突・合体することにより、30μmほどの大きさまで成長したものと考えられます。
今回の観測は、惑星の材料であるチリの粒が、惑星へと成長する過程の第一歩をとらえたもの… かもしれませんね。
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