ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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フジ予習:ジョン・フォガティ

2010-07-26 19:58:16 | フジロック
JOHN FOGERTY / THE BLUE RIDGE RANGERS RIDES AGAIN

今年のフジの目玉って何ですか? 私の周り、っていうかほんの数人の間ですが、話題はもっぱらジョン・フォガティです!!なんてったって38年ぶりの来日ですからね。元クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(CCR)ですからね!

68年に「CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL」でアルバム・デビューしたCCR。生粋の南部人のような佇まいですが、実はサンフランシスコのバンド。しかしその南部指向の泥臭さとカリフォルニアらしい壮快さが同居したサウンドで、「Susie Q」、「Born On The Bayou」、「Proud Mary」、「Green River」、「Bad Moon Rising」、「Down On The Corner」、「Fortunate Son」、「Travelin' Band」、「Up Around The Bend」、「Have You Ever Seen The Rain」など、次々にヒット曲、名曲を生み出しました。しかし活動期間は意外に短く、72年に解散。ですがその解散の直前に来日を果たしています。そのCCRの中心人物、と言うよりCCRそのものと言えるのがジョン・フォガティ。CCR解散から38年振りの来日なわけです。

もちろん解散後38年間隠遁していた訳ではありません! ま、休業状態だった時期もあったようですが…。ソロになってからも「Rockin' All Over the World」、「The Old Man Down the Road」、「Centerfield」などの名曲を生み、97年のアルバム「Blue Moon Swamp」ではグラミー賞の『Best Rock Album』部門を受賞。近年の作品も連続でグラミーにノミネートされるなど、脂の乗った活躍ぶり。まさに現役バリバリのレジェンド! その衰えない強靭な喉も驚異的です!

そんなジョン・フォガティが昨年リリースした最新作が「The Blue Ridge Rangers Rides Again」(写真)。これは彼がCCR解散後最初に作った73年のアルバム「The Blue Ridge Rangers」の続編となるカントリー作品。バック・オウエンス、ジョン・デンヴァー、パット・ブーンのヒット曲などを中心に、リラックスしたムードの中、ロッカーとしてのハリはしっかりと残しつつ、味わい深いジョンの歌が楽しめます。

1曲目ジョン・プラインの「Paradise」から土っぽいジョンの歌声に耳を奪われます。デラニー&ボニーの「Never Ending Song Of Love」を取り上げているのも嬉しいですね。肩の力を抜いたようなジョンの歌声が良い! そしてちゃっかりセルフカヴァーの「Change In The Weather」では流石にロックな魂が顔を覗かせる。楽しげな「Fallin' Fallin' Fallin'」も良いですね~。聴けば聴く程ジョンの南部ルーツへの愛情が染みてきます。

またバックのメンバーが素晴らしい演奏を聴かせてくれるんですよ! ギターにバディ・ミラー、スティール・ギターにグレッグ・リース、ドラムスにはジェイ・ベルローズ、ベースにはデニス・クロウチ、など。現在のカントリー・ロック/ルーツ・ロックの精鋭達ですよね。まあ、とにかくバディ・ミラーのギターが素晴らしい! 「I Don't Care (Just As Long As You Love Me)」や「Haunted House」でのギター・ソロの格好良いこと! そして独特のハネた感覚を持つバッキングにもやられます。どことなくアウトローでとんがった感性が堪らないですね。

もちろん、バディに絡む名手グレッグ・リースのスライドも最高ですし、ロバート・プラント&アリソン・クラウスのあのアルバムで陰影のあるグルーヴを提供していたリズム隊の二人も今作ではより躍動的なノリを提供してくれています。さらにキース・アーバンのバックを務めていたというジェイソン・モウリーのフィドルやマンドリンが情緒豊かで素晴らしい!

今作はほとんどの曲でエレキ・ギターをバディ・ミラーに任せ、ジョン・フォガティ自身はアコギを弾いているということからも察せられる通り、最高のバンドをバックに大好きなカントリーを歌う、という単純明快なコンセプトがとにかく潔くて気持ち良い!! その潔さがバンドの演奏に勢いと深みを与え、ジョンの歌声にも溌剌とした輝きを与えているように思えます。

リック・ネルソンの「Garden Party」でドン・ヘンリーとティモシー・B・シュミットが、エヴァリー・ブラザーズの「When Will I Be Loved」ではブルース・スプリングスティーンがゲストで参加し、それぞれ渋い歌声を聴かせてくれてるのも特筆もの。

と、色々書いてみましたが、フジロックではこのアルバムからはほとんど演らないでしょうね~。演奏時間が1時間ちょいしかないことを考えますと、CCR時代からのヒット曲、代表曲のオンパレードで終わるんじゃないでしょうか?でも初めて見るジョン・フォガティのライヴは私もそういうものを期待しますよ! きっと圧巻のセットリストになることでしょう! 「Down On The Corner」、「Bad Moon Rising」、「Green River」、楽しみですね~!! 「Up Around The Bend」は演らないかな~? 個人的には「Rockin' All Over the World」が大好きなので、あの曲でバカになって踊りまくりたいと思ってます!!!

グリーン・ステージにジョンのあの強靭な声が響き渡る。そして数万人が彼の衰えないロック魂を受け止める。楽しみですね!



ではいくつかジョン・フォガティのライヴ映像を。

http://www.youtube.com/watch?v=ealOIRpndCA&feature=related
アイク&ティナ・ターナーのカヴァーが超有名ですが、オリジナルはCCR。果たしてフジで大合唱なるか!

http://www.youtube.com/watch?v=JDvAQl2sKU4&feature=related
「Rockin' All Over The World」。ステイタス・クオーのカヴァーが有名ですが、オリジナルはジョンフォガティ。ですが私もステイタス・クオーでこの曲を知り、彼らのヴァージョンが大好きでした。実はジョン・フォガティの曲だと知ったのはそれから随分立ってからだったり…。どちらにしろ、この曲程ロックン・ロールやブギの楽しさを伝えてくれる曲はありません!

http://www.youtube.com/watch?v=PYhAEjnFqis&feature=related
「Up Around The Bend」。この曲はハノイ・ロックスのカヴァーで知りました。このギターのイントロ、ハネまくるAメロのメロディ・ライン、格好良いですよね~!!

http://www.youtube.com/watch?v=pAVhKjsImeI&feature=related
せっかくなのでCCRの映像も。「Born On The Bayou」。格好良いですね~! CCRって、南部音楽への憧憬を100%形にしたようなバンドだと思うのですが、60年代後半のサンフランシスコというアシッド/サイケのまっただ中から登場したためか、初期の曲にはシンプルなギター・リフがジワジワと浸透するような中毒性の高い曲が多かったりもします。この「Born On The Bayou」もそんな一曲。この重いリズムにクラクラします。フー・ファイターズもカヴァーしていますね。


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