TROMBONE SHORTY / BACKTOWN
フジロック予習特集第10弾!
トロンボーン・ショーティ&オーリンズ・アヴェニュー名義でフィールド・オブ・ヘヴンに登場するトロイ・アンドリュース!!!
嬉しいニューオーリンズ勢ですね! 今やニューオーリンズのトップ・トランぺッターの一人となるジェイムス・アンドリュースを兄に持ち、かの偉大なるジェシー・ヒルの孫にあたるという、ニューオーリンズ音楽一家のサラブレットです。トロンボーン・ショーティーという名はニック・ネームで、おそらく幼い頃からトロンボーンを吹いていて名付けられたのでしょうね。ちなみにWIKIでそんなちっちゃいショーティー君の写真が見れます。可愛すぎる…。
そんなショーティー君も今やニューオーリンズ関連のアルバムの、至る所で彼の名前を見つけられる程の売れっ子トロンボーン奏者となり、ニューオーリンズのトロンボーン奏者と言えばトロイ・アンドリュース!! そんなイメージすらあります。そんな彼が自身のバンドを率いてリリースした最新作が「Backatown」(写真)です。
このアルバムには正直驚きました。まさかこんなにファットなリズムで攻めてくるとは! ギャラクティックの最新作「YA-KA-MAY」に感じが似てるんですよね~、と思ったら、プロデュースはギャラクティックのベン・エルマン。なるほど~。ファンクもヒップホップもロックも飲み込んだ最新型のごった煮ニューオーリンズ・ファンクが楽しめます。
まずトロンボーン・ショーティを中心にしたホーン隊の勢いが凄い! 1曲目の「Hurricane Season」からその突進力にやられます。流石にニューオーリンズのブラスバンドで鍛え上がられただけあり、バリバリとした音色で高らかに吹き上げられます。しかもそれが強靭なリズムと共に攻めてくるんですから、格好良いですよ! サウンド的にはブラス・バンドと言うよりミクスチャーなファンク・ロックの風情ですが、何故かジプシーのブラス・バンドっぽい雰囲気もあったり。「Neph」の哀愁や、「Suburbia」でのオリエンタルな雰囲気はかなりジプシー・ブラス寄り。そう言えばギャラクティックも今年春の来日公演でボバン・マルコヴィッチ・オーケスターの「Mere Yaara Dildara」をカヴァーしてましたしね。この辺の符合も面白い。
今作は1曲を除いた全てがトロイ・アンドリュースの作曲及び共作で締められています。唯一のカヴァーはアラン・トゥーサンの「On Your Way Down」。スロー・ファンクの大名曲で私も大好きな曲なんですけど、それを少しテンポを上げてヒップにジャジーに料理。正直、何も知らずに聴いたらあの曲だと分からないような出来映えですが、アラン・トゥーサン自身がゲストでピアノを弾いているという伏線があって一本取られた感じ。
まあ、何はともあれ、全体を通してその強靭且つグラグラと煮立つようなリズムが圧巻です。ニューオーリンズの音楽は、そのカリブに面した米南部という土地柄から、古くからごった煮のリズムが特徴的でしたが、ここで聴けるごった煮感はそれとはまた違います。既にセカンド・ライン・ファンクでもない。やっぱりプロデューサーのベン・エルマンの力が大きいと思います。ギャラクティックがジャズ・ファンクとニューオーリンズとヒップホップを掛け合わせて作りあげた現在進行形のごった煮ファンク。それにこれからのニューオーリンズを背負って立つトロイ・アンドリュースがいち早く呼応した意味は大きいですよ。
最近、ニューオーリンズ・ファンクのファット化みたいな現象って著しいと思います。パパ・グロウズ・ファンクやアイヴァン・ネヴィル辺りにもそれは伺えます。ある意味、ミーターズに代表される古い時代のニューオーリンズ・ファンクからの脱却が計られているのかもしれません。そんな動きの切り札になるのがギャラクティックであり、トロンボーン・ショーティなのかもしれません。ギャラクティックだってデビュー当時はミーターズの影響の濃いジャズ・ファンクでしたし、トロンボーン・ショーティだってオーリンズ・アヴェニュー名義の前作では、既にミクスチャーではありましたが、もっと緩いファンクをやってました。確実にニューオーリンズ・ファンクは変わってきています。もちろん自分たちを育ててくれたニューオーリンズの音楽への愛情や受けた影響の上での新しい飛躍という意味で。
ますますニューオーリンズ、いや、トロイ・アンドリュースから目が離せませんね。
それにしてもこのタイミングでトロンボーン・ショーティを呼ぶフジロック、ブッキングにキレがありますね~!! でもなんでジョン・フォガティの裏なんですか!! 近いうちに単独お願いします!
~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!
10.05.11 フジ予習:ジョン・バトラー・トリオ
10.05.15 フジ予習:コリーヌ・ベイリー・レイ
10.05.20 フジ予習:キティー・デイジー&ルイス
10.06.06 フジ予習:コデイン・ベルベット・クラブ
10.06.19 フジ予習:JJグレイ・アンド・モフロ
10.07.20 フジ予習:モリアーティ
10.07.22 フジ予習:ムスタング
10.07.24 フジ予習:ダイアン・バーチ
10.07.26 フジ予習:ジョン・フォガティ
10.07.27 フジ予習:フジロック流ワールド・ミュージック
フジロック予習特集第10弾!
トロンボーン・ショーティ&オーリンズ・アヴェニュー名義でフィールド・オブ・ヘヴンに登場するトロイ・アンドリュース!!!
嬉しいニューオーリンズ勢ですね! 今やニューオーリンズのトップ・トランぺッターの一人となるジェイムス・アンドリュースを兄に持ち、かの偉大なるジェシー・ヒルの孫にあたるという、ニューオーリンズ音楽一家のサラブレットです。トロンボーン・ショーティーという名はニック・ネームで、おそらく幼い頃からトロンボーンを吹いていて名付けられたのでしょうね。ちなみにWIKIでそんなちっちゃいショーティー君の写真が見れます。可愛すぎる…。
そんなショーティー君も今やニューオーリンズ関連のアルバムの、至る所で彼の名前を見つけられる程の売れっ子トロンボーン奏者となり、ニューオーリンズのトロンボーン奏者と言えばトロイ・アンドリュース!! そんなイメージすらあります。そんな彼が自身のバンドを率いてリリースした最新作が「Backatown」(写真)です。
このアルバムには正直驚きました。まさかこんなにファットなリズムで攻めてくるとは! ギャラクティックの最新作「YA-KA-MAY」に感じが似てるんですよね~、と思ったら、プロデュースはギャラクティックのベン・エルマン。なるほど~。ファンクもヒップホップもロックも飲み込んだ最新型のごった煮ニューオーリンズ・ファンクが楽しめます。
まずトロンボーン・ショーティを中心にしたホーン隊の勢いが凄い! 1曲目の「Hurricane Season」からその突進力にやられます。流石にニューオーリンズのブラスバンドで鍛え上がられただけあり、バリバリとした音色で高らかに吹き上げられます。しかもそれが強靭なリズムと共に攻めてくるんですから、格好良いですよ! サウンド的にはブラス・バンドと言うよりミクスチャーなファンク・ロックの風情ですが、何故かジプシーのブラス・バンドっぽい雰囲気もあったり。「Neph」の哀愁や、「Suburbia」でのオリエンタルな雰囲気はかなりジプシー・ブラス寄り。そう言えばギャラクティックも今年春の来日公演でボバン・マルコヴィッチ・オーケスターの「Mere Yaara Dildara」をカヴァーしてましたしね。この辺の符合も面白い。
今作は1曲を除いた全てがトロイ・アンドリュースの作曲及び共作で締められています。唯一のカヴァーはアラン・トゥーサンの「On Your Way Down」。スロー・ファンクの大名曲で私も大好きな曲なんですけど、それを少しテンポを上げてヒップにジャジーに料理。正直、何も知らずに聴いたらあの曲だと分からないような出来映えですが、アラン・トゥーサン自身がゲストでピアノを弾いているという伏線があって一本取られた感じ。
まあ、何はともあれ、全体を通してその強靭且つグラグラと煮立つようなリズムが圧巻です。ニューオーリンズの音楽は、そのカリブに面した米南部という土地柄から、古くからごった煮のリズムが特徴的でしたが、ここで聴けるごった煮感はそれとはまた違います。既にセカンド・ライン・ファンクでもない。やっぱりプロデューサーのベン・エルマンの力が大きいと思います。ギャラクティックがジャズ・ファンクとニューオーリンズとヒップホップを掛け合わせて作りあげた現在進行形のごった煮ファンク。それにこれからのニューオーリンズを背負って立つトロイ・アンドリュースがいち早く呼応した意味は大きいですよ。
最近、ニューオーリンズ・ファンクのファット化みたいな現象って著しいと思います。パパ・グロウズ・ファンクやアイヴァン・ネヴィル辺りにもそれは伺えます。ある意味、ミーターズに代表される古い時代のニューオーリンズ・ファンクからの脱却が計られているのかもしれません。そんな動きの切り札になるのがギャラクティックであり、トロンボーン・ショーティなのかもしれません。ギャラクティックだってデビュー当時はミーターズの影響の濃いジャズ・ファンクでしたし、トロンボーン・ショーティだってオーリンズ・アヴェニュー名義の前作では、既にミクスチャーではありましたが、もっと緩いファンクをやってました。確実にニューオーリンズ・ファンクは変わってきています。もちろん自分たちを育ててくれたニューオーリンズの音楽への愛情や受けた影響の上での新しい飛躍という意味で。
ますますニューオーリンズ、いや、トロイ・アンドリュースから目が離せませんね。
それにしてもこのタイミングでトロンボーン・ショーティを呼ぶフジロック、ブッキングにキレがありますね~!! でもなんでジョン・フォガティの裏なんですか!! 近いうちに単独お願いします!
~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!
10.05.11 フジ予習:ジョン・バトラー・トリオ
10.05.15 フジ予習:コリーヌ・ベイリー・レイ
10.05.20 フジ予習:キティー・デイジー&ルイス
10.06.06 フジ予習:コデイン・ベルベット・クラブ
10.06.19 フジ予習:JJグレイ・アンド・モフロ
10.07.20 フジ予習:モリアーティ
10.07.22 フジ予習:ムスタング
10.07.24 フジ予習:ダイアン・バーチ
10.07.26 フジ予習:ジョン・フォガティ
10.07.27 フジ予習:フジロック流ワールド・ミュージック