さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

レプタ銅貨 (1)

2010-07-12 12:38:15 | Sunday 聖書
この前、6番目が「レプタ銅貨」と聞いて、きょとんとしていたため、今回子ども部屋にて、こんな会話が繰り広げられた。というメモ。楽しみつつ、聞いてくれればありがたい。

 (参加者は、地元にいる父方の祖母、および
  地元の日曜学校に出ている高校生の5番目のS君と中学生の6番目のMちゃん、
  そして、帰省したキャベツ。)




         *************



キャベツ「んじゃ、はじめるよ~。聖書、持ってき~」
S君   「何の話~?」
キャベツ「レプタ銅貨のとこ。この前、Mちゃんが知らなかったみたいだから」
S君   「ああ~、あそこね~~~。」
キャベツ「じゃあ、S君。そこ、どこの箇所か教えてくれない?」

S君   「民数記!
  (キャベツ:・・・・・・・・)

Mちゃん「エゼキエル!

  (キャベツ:・・・・・・・・)







キャベツ「なんで、そう旧約聖書ばっかりなん?(苦笑)



            

     ・・・ほい、(ぱらぱらとめくって・・・)マルコの福音書12章。」


S&M 「な~んだ、マルコかぁ~~~」(と、いそいそと開く)




キャベツ「ああ、おばあちゃん。
     福音書って、4つあってね。
     たとえば、Aさんから見たイエス様、
     Bさんから見たイエス様、
     Cさんから見たイエス様、
     うちの親父殿から見たイエス様(祖母、笑う)、
     そんなふうに、いろんな面からイエス様の行ったことや話されたことを書いているのが、4つの福音書でね。

     その中でも、一番最初に記されたのが、このマルコの福音書っていってね、シンプルに書かれているんですよ。」

祖母  「へ~」

キャベツ「その中に、この前出てきたレプタ銅貨の話があるんですよ。
     じゃ、S君、12章41節読んでください



S君   「はい。
      『それから、イエスは献金箱に向かってすわり、
     人々が献金箱へ金を投げ入れる様子を見ておられた。
     多くの金持ちが大金を投げ入れていた。』



キャベツ「次、Mちゃん、42節よろしく」



Mちゃん 「『そこへひとりの貧しいやもめが来て、レプタ銅貨を二つ投げ入れた。それは1コドラントに当たる。』





キャベツ「はい、どうも。
     
     ちなみに、この時代、1日働くと、いくらもらえたか知ってる?」



Mちゃん「ん~~~~、2デナリ?


キャベツ「残念。1デナリ。

     おばあちゃん、この当時ってね、えっと、2000年前なんだけど・・・
     なんで、2000年前というかというと、西暦って、A.Dって書くんだけど、

これ ラテン語で『主の年』という意味で、

イエス・キリストが生まれたとされる年から、西暦が始まっているんだ。

でもって、紀元前は、B.C。Before Christ。

『キリストが来られる前』っていうことでね、実は、これがもとになっているんだよね」

    (実は、note部分は、ゆ~~~~~~~~っくり話してます、ということなので、ゆ~~~~~~~~っくり読んでください


祖母  「へ~~~」


キャベツ「で、その当時、一日の賃金が1デナリっていうお金だったんですよ。今で言うと、6000円から1万円くらいかな。とりあえず、1万円って、しておきますね」



祖母  「ふむふむ」



キャベツ「で、この当時のお金って、お札がなかったんですよ。全部、硬貨。
     大きくて重いほど、大きなお金で、小さくて軽いほどちっちゃなお金。

    だから、この神殿の献金箱に大きなお金を入れると、『ちゃり~~~ん』っていい音がしたかもしれない。
    逆に、小さなお金を入れると、『ちゃりん♪』って、かわいらしい音がしたかもしれない。実物を目にしたわけではないから、どういう音がしたかわからないけれど。」



祖母  「そだな~~~。1円玉と10円玉でも、全然違うもんな~~~~」



キャベツ「うん、今も1円玉と10円玉って、違うよね。
     神殿って・・・たとえば、日本だと・・・・・・神社とかお社(やしろ)?っていうのかな。神様を崇める場所のことなんです。

    で、たとえば、神社のお賽銭(さいせん)箱に、皆お金を入れたりしますよね。

     神殿のその献金箱にお金を入れると、
     お賽銭箱にお金を入れたときみたいに、音が聞こえたかもしれない。ちゃり~~~~~んって。」





キャベツ「でね。S君、Mちゃん。
     ここに出てくるやもめの(たぶん)おばあさんは、皆が、ちゃりん、ちゃり~~~~~んって、いい音を奏でてお金を入れている中、そっと小さなお金を入れたんですよ」





(「レプタ銅貨がなんで今回話題になったかは、→次のページ」)         

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レプタ銅貨 (2)

2010-07-12 12:37:52 | Sunday 聖書
続き


キャベツ「Mちゃん、で、どうして、この前、キャベツがお財布を盗まれたとき、この『レプタ銅貨』っていうことばが出てきたかというとね・・・・






    君たち。

    わかりますか??









    あの日は、土曜日だったんですよ。
    つまり、
    次の日、パン裂きもあったし、
    献金もあるわけなんですよ。
   (私はクリスチャンだからね)



    お財布盗まれて、現金もカードもぜ~~んぶ、なくなっちゃったんだけどね。」




Mちゃん「ええ~~~~~~!!」
S君  「うっそ~~~~~~!! やばいじゃん!!」





キャベツ「土曜日の朝、盗まれたことがわかって、
     午前中、警察やら、お店やら、カードの停止やら・・・で過ぎちゃって、
     午後は疲れて眠っちゃってさ・・・



     家の中にいくらかあるかな~~~~って、探してみたんだよ。
     ほら、いつもなら、何かあったときのために、お金を少しは置いてあるからね。







    がさごそ。




    がさごそ、がさごそ。
    ごそごそごそ。




     ・・・・・・・・・・



    うん、Mちゃん、見つかったよ。」



キャベツは、Mちゃんとにっこりほほえんだ。







    「1円玉、1枚」(にっこり)
 



 


続く

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レプタ銅貨 (3)

2010-07-12 12:36:38 | Sunday 聖書
続き

キャベツ「はい、というわけで、1円玉が1枚、見つかりました。」v(^^;)



S君  「え・・・それって、やばい・・・どうやって暮らすの・・・」



キャベツ「うん。これじゃあ、カードも現金もない状況じゃ、生きていけないからね、
    探したよ。






    でもって、もう少し、見つかった。」 






                





キャベツ「1円玉が、もう1枚。」(にっこり)


S君   「それでも、やばいじゃん!」


(キャベツの心の声「ウン。イクラナンデモ 皆ガ千円札イジョウヲ出シテイル中、1円玉2枚ッテイウノハ 悲シスギルゾ・・・。マジメニサ、悲シスギル・・・orz 千円札ヤ小サクテモ500円玉ノ中、1円玉ガポロリ。・・・考エタクモナイ・・・」



               





キャベツ「うん。ただね、日本円じゃないけど、もう少し見つかったんだ。
     ユーロと
     ドルと
     ポンドが少々・・・。




     そして、夏目漱石



Mちゃん「夏目漱石?」


祖母  「夏目漱石・・・? 1万円だっけかな・・・。確か、英世が千円札で・・・」


S君  「夏目漱石って、な~~に?? オレ、わからな~~い」
 

キャベツ「いい?
     1万円札は、福沢諭吉。
     千円札は、今は、野口英世。

     でも、野口英世にその座を譲り渡すまで、それまでは、夏目漱石が千円札だったんだ!!
     とっても、貴重な、夏目漱石なんだよ!!



     これから先、『こんな千円札もあったんだよ~~~』って見せるために、ピン札の夏目漱石を、キャベツは残しておいたんだ。





    でもさ、だからって、夏目漱石を残しておいて、1円玉を2枚献金。。。だなんて、できるか!!? 2レプタのやもめの女性は、それしかなかったから、神様は評価してくださったんだけどさ、・・・私は、まだあるんだよ?」








Mちゃん「う~~~ん。。。じゃあ、ドルを出すとか」
S君  「それじゃあ、日本じゃ使えないじゃん」



キャベツ「じゃあ、キャベツの立場だったら、S君、Mちゃんは、何を出す?
     おばあちゃんだったら、何にします?」



 

Mちゃん「ドル!」
S君  「2円!」
祖母  「2円、かなぁ・・・」
Mちゃん「だって、あと数日あるんだよ・・・? 千円札でも大変じゃん」










キャベツ「答え、聞きたい?」










 そして、4人は集まった。



 ごにょごにょごにょ。




   (というわけで、直に聞いた人以外は、答えは想像してください


           **********



祖母   「んでも、大変だったな~~。どこで?」
キャベツ 「銭湯で。かぎ付きロッカーだったんだけどなぁ・・・」
祖母   「お金は、番台に預けなきゃ」
キャベツ 「いや、もう番台ってあんまなくて。預けても、責任もってくれないって。




      でもさ、キャベツは、このとき、金がなかったけど、仕事もあるじゃない?
      このときだって、数日後、
      ほんとは、平日の日中仕事で外に出ちゃいけないけど、
      先輩に相談して、
      昼休み、外に抜け出させてもらってさ、
      どうにか、お金をおろしてきたり、カードを作る手続きもできたじゃん?






      でも、このやもめの女性は、このレプタ銅貨2枚しかなかったんだ。
      ほんとに、全財産だったんだよ。




続く) 

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レプタ銅貨 (4)

2010-07-12 12:34:00 | Sunday 聖書
続き


キャベツ「あ、このあたりで、おばあちゃん。ここ読んでみてくれません?」


父方の祖母「ん~~~~。(しげしげ)

       ごめんな。
       こんなこまい(=細かい)字、ちょっときびしいわ・・・」


キャベツ「f(^^;)じゃあ、2節ほど読むね。

     『43節。すると、イエスは弟子たちを呼び寄せて、こう言われた。
 「まことに、あなたがたに告げます。
  この貧しいやもめは、献金箱に投げ入れていたどの人よりもたくさん投げ入れました。

 44節。みなは、あり余る中から投げ入れたのに、
 この女は、乏しい中から、あるだけを全部、
 生活費の全部を投げ入れたからです。」』






         ***************




キャベツ「イエス様は、この人を、こう評価したんだよ。
     このやもめは、どの人よりも、たくさん捧げたんだ・・・とね。

         

     人から見たら『レプタ銅貨なんて!』って、言われるかもしれない。
     今で言ったら、2レプタなんて、150円くらい 1)だし、『子どものこづかいじゃあるまいし!!』なんて、思われるかもしれない。」



キャベツ「だけど、神様は、そのやもめの女性が、どんな状況で、どんな思いでそれを入れたのか、ちゃ~~~~~んと知っておられたんだよ。」




Mちゃん 「え~~~っと確か、やもめって、未亡人って意味だよね・・・?」


キャベツ「そう。だんなさんを亡くした人のこと。

     昔は、女性が働くのは大変だったんだよね・・・。
     今と違って、年金だってないし、
     やもめの女性が生きていくのは、とっても大変だったんだよ。


     仕事ってほとんどないし。」






祖母  「ほんにな~・・・、昔は女が稼ぐって、ほんとに大変だもんなぁ・・・。
     今でも、そうだけんど・・・」(しみじみ)

キャベツ「だから、教会できちんとやもめの面倒をみるようにって、わざわざ新約(の書巻)に書いてあるくらいだからね


     さっきも言ったけど、
     キャベツが、財布盗まれた~~~、金がな~~~~い!、どうしよう~~~~って、言ったって、
     ・・・・・・どうにかなるじゃん?
     仕事もしているわけだし。

     ほんと、その時は青ざめたけどさ。



     でも、この人は、そもそも稼ぐことも難しい状況で、
     ・・・ほんとにお金がない中で、
     このレプタ銅貨をささげたんだよ。




     人は知らなくても、神様はそういうこともすべてご存じで、その上で評価してくださっているんだよ。」



                      

                    

続く


【注】
1)レプタ:1レプタは、1デナリ(=一応、今の一万円)の128分の一。

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レプタ銅貨 (5)

2010-07-12 12:33:26 | Sunday 聖書
続き

キャベツ「ほら、サムエル記も見てごらんよ。」


 (とたんに、S君、Mちゃんは、姿勢を正して聖書に手をかけた)



キャベツ「サムエル記第一」


 (え~~っと、と言いつつ、ぱらぱらめくるMちゃん)


キャベツ「16章6節、7節」


  (S君、Mちゃんが開いている間に、キャベツは、祖母のほうに向かって言った)


キャベツ「この場面って、イスラエルの
     ー今もあるけれど、昔のイスラエルのー
     2代目の王様を選ぶために、神さまが預言者のサムエルさんという人をつかわしたところなんです。


     サムエルさんは、この場面で、最初ある人を、
    「この人は体格もいいし、背も高いし、この人こそ、神様が選んだ人だ! 油を注がれるべき人だ!」

  -ちなみに、「油をそそぐ」というのは、
   「王様」「預言者」「祭司」となるべき人が、頭の上から、油をたらたらたらと流されること、デス・・-

  と思ったんです。
  ですが、そう思ったサムエルさんに対して、
  神様の答えはこうだったんですよ。』」



             


 『彼の容貌や、背の高さを見てはならない。
  わたしは彼を退けている。人がみるようには見ないからだ。


  人はうわべを見るが、主(しゅ=神様)は心を見る
           (サムエル記第一 16章7節)


             


キャベツ「だから、・・・人って、自分が見えるものしか見えないし、どんなにすばらしい預言者であってもそうだけれど・・・、
     神さまは、すべてをご覧になって、そうして評価してくれているんだよ」


Mちゃん 「ふ~~~ん」


キャベツ「ほら、Mちゃんがどうしていたか、どう思っているか、キャベツは、言ってくれないとわからないじゃない。


     おばあちゃんの人生だってね、どんなだったか、どんな苦労があったのか、私にははっきりいってわからない。
     だけど、いつも、ごはんのとき、孫のうちらさえも食べ始めないと、食事を取ろうとしないことから 1)も、相当、苦労してきたんだろうなって感じる。
 だけど、ごはん、最後にしなくていいからねうちらも辛いし。

 そんなおばあちゃんの苦労だって、神様はすべて知ってくださっている。」



祖母 「・・・・・・・」




キャベツ「あの、やもめの女性が、その後どうなったか聖書には書いていないから、わからない。
     あのようにイエス様がおっしゃったから、誰かが助けたかもしれない。
     そうではなくて、大変な苦労をしたかもしれない。

     でも、神様は、すべてをご覧になって、
     そのうえで、『どの人よりもたくさん投げ入れた』と、おっしゃってくださった。
     人はうわべしか見れないし、
     どういう状況でそうしているのかわかってもらえないこともあるし、
     それが、人には評価されないような小さなことであっても、

     神様は、その人の気持ちも、状況も何もかも知ってくださって、その上で、ああいう風に、評価してくださるんだよ。」



           



キャベツ「以上、『レプタ銅貨』の話でした。
     ちゃんちゃん。」



                


【注】
1))南部(青森の三八地区~岩手の地域。昔の南部藩)の女は、どんなことがあろうと、何があろうと、耐えて従うもの・・・らしい。苦労している方々をよく見聞きする。

  ちなみに、キャベツの父方の祖母は、祖父や父が食事が終わるまで決して食事に手をつけず、皆が食べ終わってから食べていた。今年、キャベツの両親と同居したあとも、やはり同様の様子。。。(なんとか、キャベツの母や孫たちとは食べるようになった気もする・・・)


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