ロック探偵のMY GENERATION

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『エイリアンvsプレデター』

2018-05-29 22:32:08 | 映画



以前、映画記事として『フレディvsジェイソン』のことを書きました。



今回は、vsモノつながりとして、そこでも言及した映画『エイリアンvsプレデター』について書きましょう。



『エイリアンvsプレデター』は、2004年に公開された映画。

監督は、バイオハザードシリーズでも知られるポール・W・S・アンダーソン。



このシリーズが世間的にどれほど評価されているのかはわかりませんが……しかし、2が出ているということは、まあそれなりにウケたわけでしょう。



そこで「ウケた」というのは、エイリアンやプレデターがモンスター映画として評価されたというのとは意味が違うかもしれませんが……しかし、そんなことはどうでもいいんです。

この類の映画は、映画を楽しむというつもりで観るべきじゃありません。あくまでも、ドリームマッチを見るというつもりでいるべきなんです。



AVPは2作あるわけですが、私としては1のほうがよかったですね。



1は、「閉鎖空間内での生存を賭けた戦い」というエイリアンシリーズの基本構造を踏襲しています。その閉鎖空間を古代遺跡というところに設定したのも秀逸でした。

しかし2では、この“閉鎖空間”という構図がなくなっています。一般住民が住んでいる街中でどんどんエイリアンが増殖していくんです。その舞台が物理的に限定された空間でないがゆえに、結果として、ラストも釈然としないものになっているように思えます。あの方法の後味の悪さということはさておくとしても、あれだと本当に地上(と地下)に蔓延したモンスターたちを一掃できたのかという疑念が残るでしょう。閉鎖空間でないがゆえにそうなってしまうわけです。



やっぱりエイリアンは、閉鎖空間からいかに生きて脱出するかというところが物語の核になっています。

そして、脱出しても、まだ悪夢は終わらない……ということで延々やってきた歴史があるんです。そこは継承したうえで新しさを出してほしかったなと思います。



プレデターのほうも、本家の映画が含んでいた毒のようなものは、AVPにはありません。

しかしそこは、やっぱりドリームマッチということですからあまり気にしなくてもいいんです。野球のオールスターゲームにガチの勝負を求めないのと同じことです。

ただそれでも、野球という舞台、マウンドや芝生はきちんと整えておいてほしい……閉鎖空間でやってほしかったというのは、そういうことなんです。